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F1マシンで使用される加速装置、KERS(運動エネルギー回生システム)は環境性が高く、市販車への実用化が注目されている。そんな中、ボルボが「フライホイールKERS」を新開発し、燃費を最大25%向上させることに成功したと発表した。
同社は80年代からフライホイールKERSの研究開発に着手。2011年からはスウェーデンエネルギー庁から約1億円の援助を受け、国内の大手ベアリングメーカー、SKFとの共同開発を進めてきた。そして昨年、直列4気筒ターボエンジンを積む「S60」にフライホイールKERSを装着し、公道テストを行った結果、直列6気筒エンジンと比較して燃費が最大25%改善されたという。
新開発のフライホイールKERSは、カーボンファイバー製のフライホイールを使用しており、重量はわずか6kg。リアアクスルに配置され、フライホイールがブレーキ時の運動エネルギーを利用して毎分最大6万回転という速さで真空中を回転。発進の際は、蓄えられたエネルギーによって後輪が駆動するシステムとなっている。アウディ「R18 e-tron クワトロ」にも似たようなフライホイールが搭載されているが、こちらはフロントアクスルに組み込まれており、前輪駆動となっている。
また、フライホイールKERSを装着することでパフォーマンスも向上している。フライホイールKERSを装着した前述のS60は、出力が80hpアップし、0-100km/h加速は5.5秒と、3リッター6気筒ターボエンジンの搭載モデルと比べて約1秒短縮されている。
同社によれば、NEDC(新欧州ドライビング・サイクルの略。欧州の燃費測定方法)の走行パターンであれば、フライホイールKERSを組み合わせることにより、走行時間の半分はガソリンエンジンを使用せずに走行できるという。ゴーストップの多い都会にはまさに最適なシステムといえるだろう。
ボルボが2011年にリリースしたビデオでは、フライホイールKERSの仕組みが詳しく解説されている。プレリリース(英語)と併せて、ぜひご覧いただきたい。
By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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<日本編集部追記>
ご指摘の箇所を修正しました。ご迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんでした。
修正前:発進の際は、蓄えられた電気によって後輪が駆動するシステムとなっている。
修正後:発進の際は、蓄えられたエネルギーによって後輪が駆動するシステムとなっている。
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