【ビデオ付き試乗記】日産が「フェアレディZ」をスノーモービールに改造した「370Zki」に乗る! 
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日産は雪山が大好きらしい。2年前には3台のSUVに無限軌道システムを取り付けて雪上仕様に改造した「ウィンター・ウォーリア」コンセプトを発表し、我々は米国中西部の雪山を駆け回った。これらのクルマは見た目は奇妙だが、運転するととても楽しかった。だが、それらに続く2018年のコンセプトは、さらに上のレベルに進化していた。アイダホ州東部の雪に覆われた山の中を、絶好のタイミングでこの"偏平足"の日産「370Zki」コンセプトを走らせた後、我々はそういう結論に至ったのだ。

「370Zki("370スキー"と読む)」は、「スポーツカーをスノーモービルに改造したらどうなるか?」という発想から生まれたクルマだ。簡単に言えば、日産は「370Zロードスター」(日本名: フェアレディZロードスター)の前輪に替えてスキーを、そして後輪の代わりに3台のウィンター・ウォーリアを改造した際と同じくアメリカン・トラック・トラック(American Track Truck)社製の長さ4フィート(約122cm)、幅15インチ(約38cm)のトラック(無限軌道)を取り付けた。さらに同社はヘッドライトに薄く色を着け、雪や木々を背景に際立つ鮮やかなオレンジ色のアイコン・イメージ・グラフィックス(Icon Image Graphics)社によるラッピングを施した。


この改造をするためには、まず特別製のリフトアップ・キットによって車高を3インチ(約7.6cm)上げ、リアの無限軌道を装着するのに十分なスペースをホイールハウスに確保する必要があった。フロントのサスペンションには、スキー板がスムーズに動くようにアダプターを設置。ウィンター・ウォーリアと異なり、370Zkiは回転半径も実用的だ。エンジンとトランスミッションのマウントも特別に製作され、最高出力332hpを発生する3.7リッターV6エンジンはスキッドプレートで保護されているので、ライトセーバーで腹を割かれたトーントーンのような目に遭うことはないだろう。クルマの後方に回ると、足回りの改造に合わせて変更されたリア・サスペンションのスプリングやブレーキ・ラインの取り回し、交換されたエキゾースト・システムなどが見える。


こうして完成したクルマは素晴らしいと同時に馬鹿馬鹿しいとも思える。運転に慣れるまで少し時間が掛かるが、エンジンが始動したらギアを入れ、あとはひたすら雪煙を上げて進むだけだ。最も難易度が高いのはブレーキだが、コツはすぐに掴める。減速は無限軌道に託し、一直線上でゆっくり速度を落としていけばいい。普通のクルマのようにブレーキ・ペダルを踏み込むと車体後部が急に振られることになる(前輪のハブは回転しないので、フロント・ブレーキが作動しないのだ)。


7速オートマチック・トランスミッションは、シフトレバーをドライブに入れるだけで発進できるのだが、それよりもパドルシフトを操作するのが実に楽しい。完全に停止した状態からアクセルを踏みこみ、1速から4速までシフトアップしていく。駆動力が無限軌道に伝わるまで一瞬の間があるが、そのままペダルを踏み続けるのが最善の策だ。屋根を開けていると、この地域特有の氷混じりの風を浴びることになるが、それもまた楽しみの1つ。無限軌道から発生する大きな騒音も、V6エンジンをレブリミットまで回した時の甲高いサウンドと良くマッチしている。

他の後輪駆動車と同様、雪上ではオーバーステアが重要な問題となる。簡単に誘発できるが、このZならそれも容易くコントロールできる。どれくらいプッシュできるか感じ取りながら、アクセル・ペダルを踏み込むだけでいい。コーナーに近づいたらアクセルから足を離し、シフトダウンして荷重を前に移動させる。それから再びパワーを発生させ、コーナーを抜けていく。これは病みつきになる。ラリー・スウェーデンのハイライト映像のような自分だけのビデオを作りたいと思うだろう。


しかし残念ながら、これは単なる愉快なコンセプト・モデルであり、後から「楽しい1日だった」と思い出させるだけのものに過ぎない。自分でこんなクルマが作りたいと思ったら、アメリカン・トラック社が販売する無限軌道システム「ドミネーター・トラック」を購入すればよい。ホイールがあるものなら、ほぼどんなクルマにも装着できるそうだ。無限軌道から普通のホイールへの交換は1人でも可能だが、2名での作業を強くお勧めする。この記事を読まれた誰かが、ご自身のスポーツカーに無限軌道とスキーを履かせることを検討し、遂行されることを心から推奨したい。これは見た目と同じくらい素晴らしい乗り物だ。日産 370Zkiは、2月10日から19日まで、シカゴ・オートショーの会場で見ることができる。




By SVEN GUSTAFSON
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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