赤いテスラ「ロードスター」が宇宙をひた走る! SpaceXがFalcon Heavyの初打ち上げに成功
SpaceXの大型ロケットFalcon Heavyが、日本時間2月7日午前5時45分に初の打ち上げを実施、イーロン・マスクCEO所有だった赤いテスラ Roadsterを宇宙へ送り出し、ブースター回収にも(少なくとも2基は)成功しました。

もともとは日本時間午前3時半に予定されていた打ち上げは、気象条件によって約2時間遅れで実施されました。このため、早起きでライブ中継をご覧になれた方も多かったかもしれません。

Falcon HeavyはこれまでSpaceXが打ち上げてきたFalcon 9の1段目ブースターを3本に増やし、約64トンのペイロードを低軌道へ送り込む能力を有します。

打ち上げの瞬間はまったく危なげなく、ぐんぐんと高度を上げていくFalcon Heavyは離陸から1分ほどで音速を突破。2分半後にはサイドブースターを、3分後にはメインのブースターをきれいに分離し、3基のブースターは地上へと舞い戻っていきました。

一方、注目のペイロードの方はといえば、イーロン・マスクCEOの所有だった赤いテスラ Roadsterに乗った"スターマン"を捉えるべく3台のカメラが周到に取り付けられており、離陸約4分後にはフェアリングを展開、青い地球を背にしてに宇宙をひた走る(?)姿が映し出されました。インダッシュナビには「DON'T PANIC」の文字が映し出されるなど小ネタも。なお、SpaceX初の"有ダミー人形宇宙船"となったこの赤いスポーツカーはこのあと6時間ほどかけて地球と火星の公転軌道を往復するホーマン遷移軌道へと入り、永遠に宇宙を走り続けます。

離陸7分半後にはサイドブースター2基のオンボードカメラがケープカナベラルの着陸パッドを捉え、事前に公開されたイメージ動画そのままの見事な着陸をやってのけました。しかしながら、海上の無人船"Of Course I still Love You"へ降り立つメインブースターのほうは、着陸時の衝撃から映像が途絶えてしまい成功したかどうかはライブ中継では確認できずに終わっています。

※2月7日午前9時20分追記:イーロン・マスクは記者会見でメインブースターの回収が失敗に終わったと語りました。推進燃料の不足で着陸時の減速が不完全だったとのこと。


ともあれ、大型ロケットFalcon Heavy初の打ち上げは、ほぼ成功と言って良い結果となりました。これでSpaceXはより大きなペイロードを軌道投入できることを証明し、多くの顧客が打ち上げ依頼を持ち込めば、ブースター再利用による打ち上げコスト低減効果も拡大するはず。この低コストな打ち上げ体制の構築は、人類が火星を目指すために重要な要素となるに違いありません。

ちなみにイーロン・マスクは日本時間午前6時半頃、テスラ Roadsterを乗せたロケット上段のエンジン点火が正常に成功し、これからバン・アレン帯を抜けるまで5時間ほど飛行したのち、火星に向け最後の軌道修正を行うとツイートしました。

※2月7日13時15分追記:イーロン・マスクは火星に向けた軌道修正が成功したとツイート。添付された画像を見るとスターマンを乗せたテスラ Roadsterは火星のさらに向こう、準惑星ケレスの公転軌道付近まで行って戻ってくる楕円軌道を周回することになる模様です。



By Munenori Taniguchi

※こちらの記事はEngadget 日本版より許可を得て掲載いたしました。