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ポルシェの電気/電子開発部門を率いるウーヴェ・ミハエル氏が、このスポーツカー・メーカーの電動化に関するプランについて、広報部による長いインタビューに応じた。そこでミハエル氏は、ポルシェの顧客が期待しているバッテリーやドライビング・パフォーマンス、将来における利便性を、どのように満足させるかについて語っている。


ポルシェは同社初の完全電気自動車「ミッションE」のために、現在の量産電気自動車で使われている高電圧システムの2倍にあたる800Vのシステムを開発した。ル・マン24時間レースで優勝したポルシェのプロトタイプ・レースカー「919ハイブリッド」がリチウムイオン・バッテリーの800Vシステムを使用していたため、ポルシェはパフォーマンス面で豊富な経験をしていることになる。電流ではなく電圧を上げることにより、大きな電流を扱うケーブルの密度を増やす必要がなくなり、その結果、「重量の大幅な増加」を避けることができるとミハエル氏は語る。

当然ながらその優位性から利益を上げるためには、800Vのバッテリーと充電用ハードウェアを実際に製造しなければならない。ミハエル氏は、化学分野とバッテリーパックの研究において、ポルシェが直接バッテリー・メーカーのLG化学やパナソニックと連携していると語った。同氏は、従来のリチウムイオンの効率性が「近い将来に最大で年間5%改善される」と予想しているという。ポルシェは、同社の800Vの充電器と組み合わせれば、ミッションEのオーナーは20分の充電で400kmの航続距離が可能になると述べている。プロトタイプの充電器は、グリッドにアクセスすることなく連続して3台のEVに充電できる十分なエネルギーを蓄えられるという。

ちなみに、ミッションEは市場で2番目に800Vシステムを備えたEVとなる可能性がある。1番目は、フィスカーのセダン「EMotion」で、リカルドによって開発された800Vのパワートレインを使用しており、フィスカーは9分間の充電で200kmの航続距離を実現すると断言している。もちろん約束通り、来年EMotionが市場に出ると仮定しての話だが。


電動ポルシェのオーナーは、同社が計画している"インテリジェントな"家庭用ウォールボックス(充電器)を使って、自宅で愛車のバッテリーを充電することができる。この充電器は、例えばプラグイン・ハイブリッドの「パナメーラ」なら3.6kWで十分だが、ミッションEには11kWまたは22kWの出力が必要という具合に、クルマのパワートレインにに合わせて自動的に出力を調整可能だ。ミハエル氏によれば、ポルシェは家庭用エネルギー管理システムにおいて、電力供給者と直接提携しているという。将来的に、オーナーは公道へ出たら、ポルシェの「ターボ・チャージャー」と呼ばれる充電ステーションのネットワークから、充電スポットを予約することができるようになる。

完全にネットワークで結ばれたクルマは、さらなる利便性をもたらすだろう。ミハエル氏は、無線によるアップデートを使用することにより、そのうち「ハイドロプレーニング警報」を受信したり、パワーが向上する「嬉しい副産物」などの機能がもたらされると語っている。クルマをネットワークでつなげることによって可能になるサービスについては、数年前からボルボがスウェーデンで実証実験を行っている。ポルシェでは開発の全てを自ら行っており、その理由は「常にポルシェならではの特別な感覚をドライバーの生活にもたらすことに注力している」からだそうだ。


By JONATHON RAMSEY
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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