【短評】新型トヨタ「カムリ」のV6エンジン搭載モデルに米国版Autoblog編集部員たちが試乗「今までのカムリとは違う!」
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フルモデルチェンジした2018年型トヨタ「カムリ」は、"米国で最も売れている乗用車"の全く新しい方向性を示しているようだ。長年にわたり、このクルマへの見解については批評家と顧客との間に大きな隔たりがあった。カムリの購入は無難な選択だ。信頼性が高く、価格も手頃で、恐らくリセールバリューも高いだろう。しかし、所有者となり運転し続けるには全く面白味のないクルマと言えた。軟弱で、安っぽいプラスチックが多用されており、操縦性はまるで嵐の中を漂う小さなボートのようだった。

だが、新型カムリは違う。トヨタとその高級ブランドのレクサスは、エンスージアストの目に映る自社製品のイメージを改善しようと躍起になっているのだ。新型カムリは、トヨタの顧客が期待する全ての特徴を備えたまま、全面的に改良することが可能であると証明した。もはやホンダマツダフォードヒュンダイなどの競合モデルに大きく後れを取っているとはいえない。

トヨタの本国である日本では、カムリは2.5リッター直列4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドのみが販売されているが、カムリの"ホーム"とも言える米国には、ハイブリッド以外にも2.5リッター直列4気筒エンジンと、3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載するモデルが導入されている。その中から、V6エンジンを搭載する「XLE」トリムに米国版Autoblogの編集者たちが試乗し、それぞれ所感を述べてみることにした。


Joel Stocksdale共同編集者

新型カムリ、特にV6エンジン搭載モデルには実に感銘を受けた。活発に走らせたときに実は運転が楽しめるクルマだったというのが主な理由だ。「エコ」「ノーマル」「スポーツ」という3つの走行モードからスポーツ・モードを選択すると、ステアリングは最適な重さになり、適切なフィードバックが得られるので、運転に熱中できる。競合モデルほどの正確さは感じられず、ノーマル・モードではステアリング操作がやや軽くて、あまり感覚が感じられないのだが、全体的には手応えが良いといえるだろう。また、ミッドサイズのファミリーカーにしてはボディの姿勢もフラットに保たれる。V6エンジンは常に大きな音で唸りを上げるが、走りは滑らかだ。ただし、トヨタはこのV6エンジンをもう少しスムーズに改良する余地があるだろう。



インテリアはなかなか気に入った。とりわけ印象的な助手席側の起伏のあるダッシュボードのトリムを含め、市場に出回っているどのクルマとも違っており、敢えて節約して安価な合成皮革を使用するという、いつものトヨタの手法と合わせることで効果を上げているようだ。だが、人間工学的な作りや使い勝手という点では幾分不満はある。まず、フロント・シートの座り心地が固すぎる。座面は脚の長いドライバーのために、あと数インチは長い方がいい。車載インフォテインメントはメニューが多すぎて使い勝手がいいと言える代物ではない。トヨタ独自のマルチメディア・システム「Entune(エンチューン)」は廃止し、Appleの「CarPlay」やGoogleの「Android Auto」に対応すべきだ。しかし全体的には、このカムリは、ミッドサイズ・セダンというセグメントの中で競争力のあるモデルであることには違いなく、遂にちょっとした魂を持ったと言えるだろう。



Reese Counts共同編集者
パワートレインが素晴らしい。全ての自動車メーカーが過給器付きエンジンに移行していく風潮の昨今、スムーズな自然吸気V6エンジンのクルマに乗れるのは極めて新鮮だ。2018年型カムリは6,500rpmというレッドラインに近い高回転で最高出力301hpを発生し、トップエンドまで実に良く回る。6速オートマチック・トランスミッションは滑らかに素早くギアチェンジし、燃費のために全てを懸けたような他のトヨタ車とは違った印象だ(「タコマ」よ、君のことを言っているのだ)。



とはいえ、そもそもカムリはこれまでパワートレイン部門に大きな問題を抱えたことはなかった。問題はそれ以外の部分、スタイリングからインテリアの品質、ドライビング・ダイナミクスといった点で、これらは他の競合モデルの基準に達するものではなかった。しかし、今回は違う。このカムリのスタイリングを、今も私は好きにはなれないのだが、インテリアはもはやプラスティック技術を追究したような代物ではない。インフォテインメント・システムは一世代後退したように感じるが、反応は悪くないし、ごく一般的な使いやすさはある。シートは快適。だが、ヘッドルームのゆとりは少ない。



路上では驚きの連続だった。静かで心地よく、落ち着きを持って走る。増加された遮音材が道路からの音や風切り音を遮断し、車内は程良い静寂で包まれている。XLEトリムには18インチ・ホイールが標準で装着されているが、235/45R18タイヤのサイドウォールは適正なので、それほど乗り心地が犠牲になっているわけではない。Joel共同編集者とは違い、筆者はカムリのステアリングが感覚に欠けるとは思わなかった。特に問題ない。カムリはスポーツ・セダンではなく、非常に有能なファミリー・セダンなのだから。それでも私は、やはりホンダ「アコード」やマツダ「Mazda6」(日本名:アテンザ)の方を好む。だが、そうした違いは何でもないものだ。ただの個人的な嗜好の違いというだけの問題だからだ。


<スペック>
エンジン:3.5リッターV型6気筒DOHCデュアル・インジェクション
最高出力:301hp/6,600rpm
最大トルク:36.9kgm/4,700rpm
トランスミッション;8速オートマチック
駆動方式:前輪駆動
エンジン搭載位置:フロント
車両重量:1,610kg
座席数:2+3
燃費:市街地9.35km/L、高速道路14.03km/L、複合11.05km/L
ベース価格:3万5,295ドル(約389万円)
試乗車価格:3万7,808ドル(約416万円)


By AUTOBLOG STAFF
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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