米国自動車業界の重鎮ボブ・ラッツ氏がテスラに皮肉「モデルSはまだ入手可能なうちに買っておいた方がいい」
ボブ・ラッツは自動車業界からは引退したようだが、だからといって(英国の詩人ディラン・トマスの詩に準えて言えば)"心地よい夜に向かって温和しく身を委ねる"ことにしたわけではないらしい。これまでゼネラル・モーターズ(GM)やBMWフォードクライスラーで重役を務め、歯に衣着せぬ発言で知られる現在85歳の同氏は、業界の反逆者たちの失敗を予測してきた長い実績に加える形で、テスラ「モデルS」を購入するなら「まだ入手可能なうちに」急いで買っておいた方が良いと、集まったカーコレクターたちの前で発言した。

ロサンゼルス・タイムズ』紙が伝えるところによると、ラッツ氏は米国アリゾナ州スコッツデールで開催されたバレットジャクソン・オークションのフォーラムにおいて、次のようにコメントしたという。

「モデルSの、特にパフォーマンスをアップグレードした仕様は、現在世界で購入できるクルマの中で、最も速く、最も優れたハンドリングと、最も優れたブレーキを備えるセダンの1つだ。加速タイムは、どの35万ドル(約3,800万円)クラスのスーパーカーにも勝る」。

しかし、同氏は一転して、テスラが「常に資金不足」であると語りこう加えた。

「テスラがこれを立て直す兆しは一切見られない。だから、クルマの収集に興味がある方たちには、テスラ モデルSがまだ入手可能なうちに買っておく事をおすすめする」。


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ラッツ氏がモデルSを褒め、その一方でテスラにきつい皮肉を浴びせるのは、これが初めてというわけではない。2014年にはテスラのことを「泡沫ブランド」と呼び、その翌年には、米国の自動車雑誌『Road & Track』に「モデルSは素晴らしいクルマだが、歴史を振り返ると、優れた製品を扱い、優れた人材が働いていたにもかかわらず、消え去った企業が山ほどある」と寄稿した。さらに2016年には「モデル3」の生産が遅れるだろうと予測し(確かにその通りになったが、実は誰もが思っていたことではないだろうか?)、テスラのファンを崇拝者と揶揄した。

ラッツ氏は、シボレーのプラグイン・ハイブリッド車「Volt(ボルト)」の開発を指揮した後、2010年に副社長を務めていたGMから引退した。最近では、ヘンリック・フィスカー氏、ギルバート・ビレリアル氏と共に立ち上げた、特別なクルマを世に送り出すVLF オートモーティブの共同創業者として知られる。

テスラは今月初め、第1四半期の終わりまでにモデル3の生産を2,500台/週とする計画を発表したが、当初の予定では2017年12月の時点で月産2万台、2018年には1万台/週が生産目標になるとして予測していた。テスラが生産目標を引き下げたのはこれで2度目だ。


By SVEN GUSTAFSON
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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