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映画に登場したクルマの中でも、『ブリット』で主演のスティーヴ・マックィーンが運転したフォードの1968年型「マスタング・ファストバック」ほど印象的なクルマは少ないだろう。今では「ブリット・マスタング」と呼ばれるこのハイランド・グリーンのクルマは、映画の舞台となったサンフランシスコの街で、悪人が乗る1969年型ダッジ「チャージャー」と激しいカーチェイスを繰り広げた。実際に映画で使われたクルマは数十年前から行方が分からなくなったと思われていたが、実は違った。世間の目に触れない場所にあっただけなのだ。そして今、再びスポットライトを浴び、北米国際オートショーの会場で最高出力475hpを発揮する後継車、2019年型フォード「マスタング・ブリット」と並んで展示され、多くの人々から注目を集めている。


『ブリット』の撮影が終了した後、配給会社のワーナー・ブラザース・エンターテインメントは映画で使用した2台のマスタングのうち、1台を個人の顧客へ、もう1台をスクラップ場へ売却した。激しいスタント・シーンの撮影で使われた車両は傷みが酷く傷だらけだったからだ。スクラップとなる運命だったスタント用車が2017年初めにメキシコのバハ・カリフォルニアで発見された一方で、もう1台のマスタングは約40年間、個人のコレクションとしてひっそりと保管されていたようだ。所有者だったロバート・キアナン氏が2014年に亡くなった後、その息子のショーン・キアナン氏がフォードと連絡を取り、クルマの所在が明らかになった。

Sean Kiernan driving his original 1968 Mustang that starred in movie Bullitt
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ビンテージカーを専門とする自動車保険会社のHagertyによると、マックィーンは何度かキアナン氏からこのクルマを買い戻そうと試みており、似たクルマと交換することも提案していたようだが、キアナン氏がその申し出に応じることはなかったという。当時、ニュージャージー州で教師をしていたキアナン氏の妻が同車を使用していたようだ。1980年にクラッチが故障したため長期にわたり修理工場に入ったことがあり、その時点で走行距離計は6万5,000マイル(約10万4,600km)を表示していた。マスタングはその後もキアナン家と共に、オハイオ州、ケンタッキー州、そしてテネシー州のナッシュヴィルへと移転することになった。

Original 1968 Mustang from movie Bullitt - interior 1
写真を見ると、このクルマはしばらく使われていなかったように思われる。メッキ部分には錆が目立ち、ボディの塗装はツヤがなく色褪せているが、恐らくその一部はマックィーンが演じるフランク・ブリット警部補のキャラクターに合った味を出すために、意図的に施されたものだろう。新型マスタング・ブリットの隣に並んでいるため、なおさら時代を感じさせる。


キアナン氏に売却する意志はないようだが、その価値を知ればオファーを辞退し難くなるかもしれない。Hagerty社によると、映画『007/ゴールドフィンガー』でジェームズ・ボンドが運転したアストン・マーティン「DB5」がオークションで410万ドル(現在のレートで約4億5,400万円)、1960年代に放送された『バットマン』のテレビ・シリーズに登場した初代バットモービルが460万ドル(約5億9,00万円)で落札されたことを踏まえ、ブリット・マスタングには400万ドル(約4億4,200万円)以上の値が付く見込みだという。いずれにしても、このクルマが事故で失われたり、スクラップ場で解体されたりせず、こうしてちゃんと現存していたというのは嬉しい報せだ。このようなクルマは、生き長らえる価値がある。




By REESE COUNTS
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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