「何故そんな名前をクルマに付けた!?」英語圏の人間が奇妙に思う名前の日本車ベスト5【懐かしのTVCMで振り返る】
こんな名前が選ばれたのは驚きだ
名前にはどんな意味があるのだろうか? 二言目には「僕のフェラーリ」と言いだす人に聞いてみてほしい。クルマには、例えばパンと区別できるような名前をつける必要がある。ドイツ人の場合、それは通常「E350」といった標本番号のようなものを割り当てることを意味する。アメリカ人であれば、ポンティアック「パリジェンヌ」のような名前を付けて売り込もうとする。モデル名は製品を特徴づけるだけでなく、ブランドを作り上げることもできる。 それは、ホンダ「レジェンド」がアキュラにどのような影響を与えたかに見て取れる。その一方で、クルマの名前が運命を悪い方向へと導くこともある。ビュイックが、ケベック州では「ラクロス」がスラングで"自慰行為"や"詐欺"を指すため、現地の顧客が同車を敬遠していることに気付いたときのように。

明らかに選択ミスであるモデル名は伝説となっている。フォード、というよりむしろ高い報酬を支払われているコンサルタントが、ロマンチックな発想で星々に想いを馳せて「プローブ(宇宙探査機や手術用の探針の意味を持つ)」という名前を考えたが、結局それはゴム手袋のパチン!という音と宇宙からの侵略を連想させただけだった。

だが、車名の最高傑作といえる物の多くは日本で生まれ、日本語の文字の代わりにアルファベットで表現されている。日本の自動車メーカーは、文法や言葉の意味といったつまらないことは除外し、語感や発音の響き、文字の組み合わせが生み出す雰囲気の良さに重きを置く傾向がある。三菱「シャリオグランディス・スーパーエクシード」は音速の壁さえ越えそうな印象を与えるが、同車が実際に優れているのは悲しいことに食料品の運搬だ。そこで今回は、英語圏の人間にとって特に気になる、素朴な疑問が湧いてくる5つの車名をご紹介しよう。

マツダ「ボンゴ・フレンディ」
マツダはリッキー・マーティンの爆発的人気やジーンズ・ブランド「ボンゴ」の成功を目の当たりにし、ボンゴという言葉が持つ力にあやかろうと資金投入に乗り気だった。だからこそ、同社はボンゴという古風な名前を使い続けた。マツダは標準のボンゴだけでなく、バンを愛する業界に「ボンゴ・フレンディ」や「ボンゴ・ブローニイ」を授けている。いずれのボンゴも、映画『マッドマックス』のクラッシュ・シーンで使われるクルマとしては十分"ブローニイ"(「たくましい」の意)なので異存はない。それはともかく、下の動画でボンゴ・フレンディ・キャンパーがカバと一緒になって大口を開ける姿を楽しもう。



ダイハツ「シャレード・ターボ」
このクルマも、米国にやって来た奇妙な名前を持つ日本車の1つだ。ダイハツは数年間、米国で「シャレード」を販売していたが、同社がなぜこのクルマを"ジョーク"や"いたずら"という意味の名前で呼ぶのか、我々は困惑した。たとえ優れたクルマでなかったとしても、自動車メーカーが自社のクルマを魅力的に見せようとするのは自然なことだ。残念ながら米国には、アニメのヒョウが変身するシャレード・ターボは導入されなかった。最も奇妙な名前の「シャレード・ソシアル・ポゼ」も米国では販売されていない。同車のオーナーが、フェリーニ監督の作品に込められた"皮肉・真実性・剥き出しの誠実さ"のように、これら3つの言葉の素晴らしい相乗効果を理解しているとは思えないが。燃費を重視した1.5リッターの廉直なクルマは多くのことを約束するわけではないが、"温和・低価格・全体の匿名性"という見返りは得られる。



ホンダ「ライフ ダンク」
ライフ、つまり人生にまつわる無数の謎は、ホンダによって血肉が与えられ(正確に言えば金属によって四角く)具現化された。これにターボチャージャーとオプションの4輪駆動を搭載し、最高出力64psを引き出せば、まさに人生におけるダンク・シュートを決めるようなものだ。しかし、このクルマのCMを見ると、私たちの時代のダンク・シュートではなく、光線銃とスイング・ミュージックが横溢するギラギラと光った金属製のボールによる未来のダンク・シュートだった。"ターボ! ダンク! ホンダ!"と叫ぶ熱狂的なナレーションを聞けば興奮せずにはいられない。



ダイハツ「ネイキッド」
シャレードと同じくらい不可解なのがダイハツの「ネイキッド」だ。おそらくこれは、むき出しのボルトやヒンジを表現しているのだと思うが、果たしてこのクルマは、他社のありきたりなキレイに整えられたボディに反抗して全てを晒しているのだろうか? それとも、ダイハツは何も隠していませんということを言いたいのだろうか? 少なくとも、ハマーやジープのスタイリングを超小型にしたようなこのクルマはファンキーなルックスに仕上がっている。現代の技術で改良して、それから名前を付け直せば、いま流行のコンパクト・クロスオーバーの仲間入りができるかもしれない。



いすゞ「ミュー ウィザード」
いすゞの「ミュー ウィザード」とは、「ミステリアス・ユーティリティ・ウィザード」の略らしい。"スポーツ"を"神秘(ミステリアス)"に、"車両(ヴィークル)"を"魔法使い(ウィザード)"に交換できるなら、誰が"スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル"、すなわちただのSUVで満足できるだろうか。魔法が使えればいつだって燃料タンクをいっぱいにしておけるし、高速道路で追い抜いていったいけすかないBMWの車内にバッタを大量発生させることだってできるだろう。しかし、いすゞ ミュー ウィザードというクルマが、実は米国で販売されていた、いすゞ「ロデオ」であることを知っている人は、これが魔法のクルマなんかでなく、タネも仕掛けもある手品だと分かっているはずだ。

とはいえ、同車のCMを見ると、ウィザードは少なくとも、驚いたり(wonder)、想像したり(imagination)、"ビュン"と音を出したり(zing)、冒険に出たり(adventure)、恋愛をしたり(romance)、夢を見る(dream)ことができたようだ。この5つの言葉の英語の頭文字をつなげると、"WIZARD(ウィザード)"になる。この言葉を連想させるためには、ラスベガスにインスパイアされた巨大なピンボール・テーブルを、若い白人のカップルが運転して通り抜けていく以外に良い方法はなかったらしい。"これぞウィザード!"



By Autoblog Staff
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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