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アルファ ロメオ初の市販車で、現在も走れる個体として唯一知られている1台が、来年1月にアリゾナ州フェニックスで開催されるRMサザビーズのオークションに出品される。この1921年型「G1」(シャシー番号6018)は、1921~1923年に52台(2台はプロトタイプ)しか生産されなかったG1のうち、現存が確認されている唯一の個体だ。オークションでは最高150万ドル(約1億7,000万円)くらいの値がつくと予想されている。


このG1に搭載されているエンジンは、6.3リッター直列6気筒サイドバルブ。設計には当時同社のドライバーだったエンツォ・フェラーリの意見が取り入れられており、アルファ ロメオに積まれた最大のエンジンだったという。3気筒分の鋳鉄製シリンダー・ブロック2つとそれぞれに固定されたシリンダー・ヘッドを組み合わせた構造で、シリンダーのボアは98mmでストロークが140mm。最高出力70hp、最大トルク29.9kgmを発生し、4速マニュアル・ギアボックスから乾式単板クラッチと露出したドライブシャフトを介して後輪へ駆動力を伝達。最高速度は当時としては目覚ましい138km/hに達した。


G1はアルファ ロメオのレース活動を担うために製造された一方で、ロールス・ロイスやイスパノスイザなどと同じ富裕購買層に売り込まれた。RMサザビーズによれば、余分な装備を取り除いたレース仕様のG1が公道レース「コッパ・デル・ガルデ」の市販車クラスで優勝したとのことだが、市販車としては第一次世界大戦後の経済的・政治的混乱状態にあったイタリアでは価格の高さと燃費の悪さが敬遠された。そこで、アルファ ロメオは50台の市販モデル全てをオーストラリア(と南アフリカの可能性もあり)に輸出。この個体はクイーンズランド州の実業家が購入したものの、後に事業が破綻してしまったため、同車を債権者から隠そうと奥地の農場に送った。それを1940年代に農場の作業員が発見し、農場での移動用車として使用していたが、リアアクスルが壊れた後はエンジンを水ポンプの動力源として利用したという。

その残骸を1964年にクイーンズランドのロス・フルエルスミスという人物が入手し、純正パーツを探すなどして10年間に及ぶレストアを施した。その後、オーナーを転々とする間、さらに3度にわたってフルレストアを受けている。


By Sven Gustafson
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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