サリーンが中国で生産する新型スポーツカー「S1」とは?
2009年にサリーン「S7」の生産が終了してから、スティーブ・サリーン氏の会社はフォード「マスタング」のチューンドカーや、テスラ「モデルS 」をワイルドにカスタマイズした「フォーシックスティーン」にビジネスの焦点を絞っていたが、ついにサリーン「S1」と呼ばれる新型車で、独自のクルマがひしめく世界に再びその足を慎重に踏み入れた。同車は今月初旬に中国で発表され、12月1日から一般公開が始まるLAオートショーにも出展される予定だ。S1はサリーンと中国の江蘇賽麟汽車科技有限公司(Jiangsu Saleen Automotive Technology Co)によるジョイントベンチャーから誕生した最初のモデルで、生産は中国で行われる。

S1は、"古きが新しきを生む"象徴でもある。そのフォルムを見て、長い間眠っていた神経細胞が刺激されたとしたら、それはS1が10年前に発表された「アルテガ GT」を甦らせたものだからだろう。ヘンリック・フィスカー氏がドイツの新興メーカーのためにデザインしたクーペ・ボディを、ロータス「エヴォーラ」のシャシーに載せたアルテガGTは、フォルクスワーゲン製の3.6リッターV6エンジンをミドシップに搭載する軽量スポーツカーだった。アルテガ社はこのクルマを欧州で年間500台ほど生産し、約10万ドル(2011年に日本で発売された当時の販売価格は1,189万円)で販売する計画だったが、2012年に同社が経営破綻したことで生産は停止。サリーンは今年3月、そのアルテガ GTに関する全ての権利を手に入れた。


サリーンによる復刻生産モデルは、アルテガ GTと同じくボディはカーボンファイバー製だが、パワートレインはフォード製2.3リッター直列4気筒エコブースト・エンジンを最高出力450hp、最大トルク577Nm(58.9kgm)にチューンして搭載。最高速度は290km/hに達するという。伝統的な内燃エンジンを搭載するクーペが市場に投入された後、電気自動車版も登場する予定だ(2015年にアルテガは、電気自動車化したGTに「スカーロ」という名前を付けて復活を図ったことがある)。

江蘇賽麟は、2018年7月の完成を目指して江蘇省如皋(じょこう)市に建設中の新工場で、S1を生産する計画を立てている。中国と米国で販売を予定しているというが、販売方法は明らかにされていない。江蘇賽麟の王曉麟(Charles Wang)CEOが中国日報(China Daily)英語版に語ったところによると、従来のようにディーラーを介さず、またテスラのような直販のスタイルも取らない、新たな販売戦略を展開するという。さらなる情報はLAオートショーで発表されるのではないかと期待されている。運が良ければ、このアルテガ GTの生まれ変わりが、サリーン「S5Sラプター」の復活にもつながるかもしれない。


By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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