シボレー、755馬力の最強モデル「コルベット ZR1」を発表!
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ついにシボレーから新型「コルベット ZR1」が正式発表された。その凶暴なルックスは、既に高性能な「コルベット Z06」をベースにしたGT3マシンを思わせる。リア・ウィングは空でも飛びそうなほど巨大で、フロント・スプリッターは冬の除雪作業にも使えそうだ。文字通りボンネットから突き出てた6.2リッターV型8気筒スーパーチャージドエンジンは、最高出力755hpを発揮する。この数値は"ボウタイ"のエンブレムが付けられた公道用車両で過去最高だ。

The fastest, most powerful production Corvette ever – the 755-horsepower 2019 ZR1.

コルベットの心臓と言えば、叫び声を上げて火を噴くようなV8エンジンである。V8以外のエンジンなど言語道断であり、もし他のエンジンを搭載するようなことがあれば、"コルベットの育ての親"とも呼ばれた故ゾーラ・アーカス・ダントフ氏を崇拝する人々が、米国ケンタッキー州ボーリンググリーンにあるGMの工場まで抗議の行進を行いかねない。新型エンジンの「LT5」という呼称は、1990年型「ZR-1」(C4型コルベットはハイフンが入る)のエンジンを讃えて名付けられたのかもしれないが、過去のLT5のようなDOHCは採用せず、代わりにOHVのまま「Z06」より52%も大容量のイートン製スーパーチャージャーと、直径4インチ(約10cm)スロットル・ボディを備える。これらによって新しいLT5エンジンは最高出力755hp/6,300rpm、最大トルク98.8kgm/4,400rpmを発生。ベース・モデルのコルベットと比べると、300馬力以上アップしている。


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ブロワーが大量の空気を送り込むことに加え、新型LT5エンジンは直接噴射とポート噴射を併用。これによって最適な燃料噴射が行えるだけでなく、直噴エンジンで発生するカーボンの蓄積を抑える効果がある。また、Z06で問題となったオーバーヒート対策としては、より効率的なインタークーラーを装備した。スーパーチャージャーとインタークーラーが大型になったため、ボンネットは中央に穴が開けられたが、これによって歩行者衝突試験には思い切り中指を立てることになった。標準のコルベットより、エンジンの高さが3インチ(約7.6cm)も大きいのだ。フロント・エンドの形状は、エンジンとドライブトレインにより多くの空気を送り込むようにデザインされている。ラジエーターは4基が追加され、合計13基となった。


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Z06と同様、トランスミッションは7速マニュアルまたは8速オートマチックで、後輪を駆動する。ギア比なども共通だ。Z06のトレンドに従えば、シフトはコンピューターに任せた方が速く走れるかもしれない。それでもなお、マニュアルを選ぶ価値はあるはずだ。コルベットのチーフ・エンジニアであるタッジ・ジェクター氏も、マニュアルの方が耐久力に優れ、サーキットではより好ましい選択だと述べている。

The fastest, most powerful production Corvette ever – the 755-horsepower 2019 ZR1.The fastest, most powerful production Corvette ever – the 755-horsepower 2019 ZR1.

だが、それだけのパワーも路面に伝えられなければ意味がない。ダッジが「チャレンジャー SRT デーモン」でやったことを見て欲しい。ZR1ではエアロが、つまりスプリッターやリア・ウィングが果たす役割が大きい。ドラッグを増やさずにダウンフォースを向上させることが鍵だったが、シボレーのエンジニアたちは上手くやり遂げたようだ。Z06同様、ZR1にも複数のエアロ・パッケージが用意される。標準のロー・ウィングでも、ベースとなったZ06より70%増のダウンフォースを発生するという。このロー・ウィングでの最高速度は210mph(約338km/h)以上。車体後部の荷室にもアクセスしやすい。



2段階調整式のハイ・ウイングを装備すれば最高速度はやや低くなるものの、ダウンフォースはZ07パッケージを備えたZ06と比べても60%増となる。支柱に備わる数本のボルトによって角度を5度まで変更できる。ダウンフォースによる荷重でハッチゲートが破損しないように、ウイングはシャシーに取り付けられている。コルベットのエンジニア・チームはアクティブ・リアウィングの採用も検討したものの、パッケージングと重量の問題から却下したという。アクティブ・リアウィングはロードラッグと上げた状態による高いダウンフォースを両立できるが、「それなら、上げたままにしておこう」と決断したそうだ。アンダーボディを利用したエアロはコルベット・レーシングが開発した。大型のリア・ウィングとバランスを取るには、フロントにも大きなダウンフォースを発生することが求められるが、翼を反転させた効果を生むアンダーボディによって、フロントに巨大な棚のようなパーツは付けずに済んだ。

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ハイ・ウィングは「ZTKパフォーマンス・パッケージ」(シボレー好みの製造コードだ)に含まれる。ジェクター氏とチーフ・デザイナーのトム・ピーターズ氏によれば、ZTKパッケージはZ06に設定されているZ07パッケージと同様のものだという。飛行機の付属品のような羽根に加え、先端がカーボンファイバー製のフロント・スプリッターや、ミシュラン製「パイロット スポーツ カップ2」タイヤ(Z06が装着するものと同じだ)、そしてマグネティック・ライド・コントロールが装備され、シャシーに異なるチューニングが施される。「カマロ ZL1 1LE」のようなスプールバルブが組み込まれた高価なサスペンションは採用していない。ZR1の足回りは、長短アームによるダブルウィッシュボーンに鍛造アルミ製コントロールアームとコンポジット材を使った横置きスプリングが前後に装備されている。これはまさしくコルベットだ。



パイロット スポーツ カップ2はオプションだが、標準では「パイロット スーパー スポーツ(ランフラット)」タイヤを装着する。フロント285/30ZR19、リア335/25ZR20と前後異なる組み合わせだ。そして、カーボン・セラミック・ブレーキとドウェイン・ジョンソンの腕くらい大きなキャリパーを装備。カップ2タイヤを装着すれば、60mph(約96.6km/h)から90フィート(約27.4m)以下で停止できるという。この制動距離は世界最高クラスだ。



ZR1の発売時には、特別な「セブリング・オレンジ・デザイン・パッケージ」が設定される。ボディとブレーキ・キャリパーがオレンジ色で塗装され、ロッカーパネルとスプリッターにオレンジ色のストライプが入る。車内はオレンジ色のシートベルトとステッチに、ブロンズ・アルミニウムのトリムが組み合わされる。

パフォーマンス向上のためのパーツに加え、全てのZR1にはヒーター&ベンチレーション内蔵のナッパレザー・シートや、カーボンファイバー・リムのステアリング・ホイール、ボーズ製オーディオ、GM製パフォーマンス・データ・レコーダーが用意される。他のコルベット同様、ZR1もサポートの度合が異なる数種類のシートから選択可能だ。

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発売は来年の春。価格はまだ公表されていないが、おそらく12万ドル(約1,370万円)あたりからということになるだろう。確かに、他のコルベットを含むシボレーのどのクルマよりも高いが、性能面におけるライバル車と比べたらバーゲン・プライスだ。遅れてコンバーチブルも登場するらしい。正式に発表されたわけではないが、デトロイトでそのテスト車両が目撃されている。もちろん、コルベットにさらなる進化を期待する向きもあるだろう。例えばDOHC化やハイブリッド・システムの搭載だ。そうなったら大きなニュースだが、しかしまったく意外というわけでもない。だが、最後のフロント・エンジンになるといわれる現行型"ベット"で、それらが採用されることはおそらくないだろう。



By REESE COUNTS
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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