斬新なレーシングカー「デルタウイング」が約4,260万円で売り出し中!
デルタウイング」は、効率性に優れた性能よりも、奇妙で型破りなデザインが注目を集めたレーシングカーだ。あまりにも特異なスタイルであるため、サーキットでは浮いていたが、見る者に強い印象を残した。

デルタウイングは、2012年のインディカー用マシンに採用されることを目指してデザインされ、2010年に公開された。奇妙な形状のボディと低出力のエンジンは、効率的なエアロダイナミクスを意図する前後で極端に幅が違うトレッドのシャシーに組み合わされ、軽量で燃料消費効率に優れていた。デザインを先鋭化させるあまり、従来的な自動車デザインから離れていったのだ。そんな記録よりも記憶に残る稀少なレーシングカーの1台が、37万5,000ドル(約4,260万円)という値段で売りに出されている

この奇妙なマシンは、元ローラ・カーズでCART用チャンプカーを設計していたベン・ボウルビー氏が、チップ・ガナッシ・レーシングの後援を受けてデザインした。後にデルタウイングは、インディカーからル・マンへ方向転換。ドン・パノス氏、日産自動車、オール・アメリカン・レーサーズ、ミシュランの協力を得て、2012年のル・マン24時間レースに特別枠から出場する。しかし、日産ドライバーの本山哲選手がドライブ中に、中嶋一貴選手が乗るトヨタのLMP1マシンに接触され、軽量なデルタウイングはコース外へ弾き出されてバリアに激突。本山選手の懸命な修復作業も甲斐無く、リタイアを喫してしまう。その同年、デルタウイングはロードアトランタで開催されたアメリカン・ル・マン・シリーズ最終戦で復活を果たした。

ところが、2012年シーズン終了後、パノス氏とガナッシはボウルビー氏や日産と袂を分かち、独自にデルタウイングの開発を続けることになる。この分裂によりパノス氏は、ボウルビー氏と日産に対し訴訟を起こすに至った。

そんな状況にもかかわらず、デルタウイングはクローズドボディに進化し、過去数年にわたり散発的にレースに姿を見せた。現在売りに出されているマシンは「デルタウイング クーペ」シャシーナンバー001。現存する2台のクーペの1台である。シャシーナンバー003はパノス・ミュージアムに展示されており、シャシーナンバー002は2016年のロレックス・デイトナ24時間レースで大破している


By REESE COUNTS
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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