フランスの自動車会社ルノーが、自動運転車のプロトタイプ「CALLIE(キャリー)」を開発しました。その特徴は、"プロドライバーから開発のインスピレーションを得た"とする高度な危機回避能力を備えるところです。

自動運転車ならずとも、目前に何らかの障害物が飛び出してきた際は緊急回避行動が必要となります。しかも障害物を回避できたとしても、すぐさま元の車線に戻らなければ、路肩から道路外へ飛び出してしまったり、ガードレールや対向車など別の障害物に衝突しかねません。


今年7月には、オーストラリアで公道テスト中だったボルボの自動運転車が、カンガルーの特徴的な動きをうまく認識できずに衝突するといった問題もありました。また日本の山間部では人口の減少からか、シカやイノシシといった動物との衝突事故が増加傾向にあります。

つまりこうした障害物をうまく、場合によっては素早く回避できなければ、自動運転車でも人間同様に事故は起こりえるわけです。ルノーはこの問題を解決するため、自動運転車の開発にプロドライバーによるテスト走行を繰り返しました。

プロドライバーに、実際に障害物が飛び出すように作られたテストコースを走ってもらい、そこでの回避行動の妙技を自動運転機能開発におけるベンチマークに設定、またどうすれば素早く回避できるかを開発におけるインスピレーションの源にしたというわけです。


ルノーの市販EV「ZOE」をベースとするCALLIEの開発は、米国シリコンバレーのルノー・オープン・イノベーション・ラボとスタンフォード大学が協力しています。

ラボの責任者サイモン・ホーガード氏は「自動運転が安全とは言え、人間のドライバーも自動車全体で考えれば1億km走行あたりの死者が1人に満たないという非常に驚くべき能力を備えています」と説明します。またルノーは、「この安全性を上回り、朝の渋滞も解消して日頃の生産性を改善できるような自動運転車を開発するのが我々の夢です」と語ります。

そしてルノーは「テクノロジーを意識させない、ごく自然な自動運転車を開発する最初の会社になることがこの研究の目標だ」として、2022年までにルノーで15車種、日産と三菱を加えたグループで40車種の、異なる自動運転レベルを備える車を投入する計画です。