ポール・ニューマンが映画『レーサー』でつけていたロレックス・デイトナ、腕時計として史上最高額の20億円で落札!
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俳優として、そしてレーシング・ドライバーとしても知られる故ポール・ニューマンが、1969年公開の映画『レーサー』や、その後の写真でも身に着けていたことが確認できる、象徴的なロレックスのモータースポーツ腕時計がニューヨークで行われたフィリップス主催のオークションに出品され、1,775万2,500ドル(約20億3,000万円)という途方もない高値で落札された。入札開始から12分後、電話で競売に参加していた人物が競り落としたというこの落札価格は、腕時計としては史上最高額を記録したことになる。

このケース直径37mm、ステンレススチール製ロレックス「コスモグラフ デイトナ」、リファレンスナンバー6239は1968年製で、文字盤はオフホワイトの通称「エキゾチック・ダイアル」と呼ばれるデザインに、タキメーターの数字が200まで刻まれたシルバーのベゼル、そしてBundタイプ(ドイツ空軍パイロット用デザイン)のワニ革バンドが付けられている。

この腕時計は、ニューマンのモータースポーツに対する情熱が深くなる中、妻のジョアン・ウッドワードから贈られたものであり、裏蓋に「Drive Carefully Me」と刻印されているのは、1965年にニューマンがバイク事故で負傷したことに由来するようだ。オークションでは娘のネル・ニューマンが署名した出所を証明する手紙の原本、そしてコネチカット州ウエストポートにある「ヌックハウス(家族が集う隠れ家)」と呼んでいたニューマン夫妻が所有するツリーハウスの額入り写真も付属している。これらによって、この腕時計が今回競売に掛けられることになった経緯を読み取ることができる。


映画『レーサー』の舞台はインディ500。ポール・ニューマン扮するフランク・キャプアはなかなか勝てないレーサーで、共演のウッドワードは離婚歴がありキャプアの妻となるエローラ役だった。ニューマンはこの作品に出演し、役作りのためレースの訓練を受けたことが発端でカーレースへの情熱に火が付き、3年後、46歳のときにレーシング・ドライバーとしての第2のキャリアをスタートさせる。SCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ)主催の全米チャンピオンシップで4勝を挙げ、1979年のル・マン24時間耐久レースでは2位、1995年のデイトナ24時間レースでは当時70歳という年齢でクラス優勝した。また、1982年には元レーシング・ドライバーのカール・ハースと共にニューマン/ハース・レーシング・チームを結成し、インディで大きな成功を収めている。

「デイトナはニューマン氏の信頼できる相棒となり、同氏のレース活動における計時用の時計として使われました」とフィリップスの商品説明には記されている。「その正確さを誇りにし、絶大な信頼を置いていたニューマン氏は、友人らの時計よりも自分のデイトナが正確であると賭けをし、時報サービスに電話して時刻を確かめると、賞金を集めていました。ニューマン氏はこのロレックスを好み、時間にはいつも正確であることを好みました」


この腕時計は、ニューマンが1984年に新しいコスモグラフ・デイトナを妻から贈られた後、行方不明になったと思われていた。しかし事実は、単にニューマンが娘のボーイ・フレンドだったジェームズ・コックスという青年に譲っていたのだ。ネル・ニューマンの手紙によると、コックスがツリーハウスの修理を手伝っていた際、その日はうっかり時計のネジを巻くことを忘れたニューマンがコックスに時間を尋ねたという。腕時計を持っていませんと答えたコックスに、ニューマンは止まっていたロレックスを自分の腕から外して彼に渡し、「毎日巻くことを忘れなかったら、この時計が正確な時間を教えてくれる」と言ったそうだ。コックスは今回、腕時計を売却して得られた金額の大部分を、ネルが父親の偉大な思想と慈善活動を受け継ぐネル・ニューマン基金に寄付するつもりであるという。

さて、ここで読者の方にお訊きしたい。落札した人物は20億円の腕時計を実際に自分の腕に着けると思うだろうか?


The 'Paul Newman' Daytona | Winning Icons | October 2017 | New York from Phillips on Vimeo.


By SVEN GUSTAFSON

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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