「マクラーレン F1」のデザイナー、ゴードン・マレー氏が自身の自動車メーカーを設立
著名自動車デザイナーのゴードン・マレー氏が、革新的なデザインのクルマを限られた台数で生産することに重点を置く、自身の新しい自動車会社を設立すると発表した。ゴードン・マレー・オートモーティブ社は、その第1号車が新ブランド下で発表するフラッグシップ・モデルになるとしており、それは複雑化・重量化する現代のクルマの流行に逆らったものになるという。

マレー氏は南アフリカ出身の自動車エンジニアで、1970〜80年代には多くのF1マシンの設計に携わり、1991年に発表されたスーパーカー「マクラーレン F1」の生みの親としても知られる。最近では小型電気自動車などを手掛けていた。彼の新会社はゴードン・マレー・デザイン社の一組織として位置付けられ、同社とは姉妹会社となる。

「この新たな製造ビジネスは、我々の企業グループの可能性を大いに広げるでしょう。我々の第1号車を発表することで、マクラーレン F1をアイコン的なものにした設計および工学原理への回帰を証明します」とマレー氏は述べている。



マレー氏によると、同社のクルマは彼が開発した「iStream」と呼ばれる製造技術の新バージョンを基に構築されるようで、製造に広いスペースや多くのエネルギーを必要としない軽量なクルマを造るため、F1の構造と素材技術から多くの知見を受け継いでいるという。同社はそのプロセスを以下のように説明している

"「iStream」シャシーは基本的に、金属製フレーム「iFrame」と、コンポジット素材のサンドイッチ構造パネル「iPanels」で構成されるハイブリッド構造です。基本的なコンセプトは、まずiFrameを使用して基本骨格を形成し、それにパワートレイン、ステアリング、サスペンション、シートなど全ての部分的な機器類を配置します。iFrameだけでは現代の自動車の性能要求を満たすことができないので、非常に硬いiPanelsを金属部材に接着することによってiFrameを安定させます。そうすることで非常に剛性の高いせん断パネルとして機能するのです。"

その製造方法は、マレー氏の会社が同じクラスの他のクルマより300kgも軽量だと語る、TVRのスポーツカーにも使用されている。



マレー氏が設計したF1マシンは、グランプリで合計50勝以上を挙げている。ロータスと同様、彼は軽量化に力を入れており、最近ではヤマハ「スポーツライド コンセプト」のような小型車のプロジェクトに関わってきた。メディアの取材に対し、マレー氏はiStream技術を用いることで新型車のコストを低く抑えることを狙っていると語り、また、同氏が理想とするスーパーカーの車両重量は2,000ポンド(約907kg)以下だと答えている。しかし、それが同士の新会社が発表するフラッグシップのことなのかどうかはまだ分からない。

11月3日には、マレー氏が自動車デザインに関わってから50周年(そしてマクラーレン F1の発売から25周年、ゴードン・マレー・デザインの創業から10周年)を記念する展示イベントが開催される。そこではマレー氏が50年に渡るキャリアの中で関わって来た、ほとんど全てのレーシングカーとロードカーが、初めて一カ所に集められるという。同時に、ゴードン・マレー・オートモーティブ社の第1号にしてフラッグシップとなるクルマに関するさらなる情報が明らかになるそうだ。


By Sven Gustafson
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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