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10月25日に開幕した東京モーターショーで、マツダは先ほどご紹介した「VISION COUPE」と同時に「魁(KAI)コンセプト」を公開した。こちらはもうすぐ発売される次のCセグメント・モデル、すなわち次期型「アクセラ」を示唆するコンセプトカーである。


マツダは主力モデルをモデルチェンジする前に、そのイメージを漢字一文字で表した車名を持つコンセプトカーとして公開することがある。2011年の東京モーターショーに出展した「雄(TAKERI)」 は現行「アテンザ」となり、2014年のジュネーブ・モーターショーで発表された「跳(HAZUMI)」は現行「デミオ」となった。しかも、コンセプト・モデルから量販モデルに移行する際に、基本的なイメージが大きく変わらないこともマツダの特徴だ。今回の魁(KAI)も、これに近い形で次期型アクセラになるとしたら大いに楽しみなデザインだった。


太いCピラーと切り詰められたリア・オーバーハング、フロント・ウィンドウ上端からテールエンドに向かって曲線を描くルーフラインは、現行アクセラ以上にいわゆる塊感がある。ちょっとアルファ ロメオの「ジュニア・ザガート」や、そこから影響を受けたと思われるホンダの「CR-X」を思い出す。実用一辺倒のハッチバック車とは一線を画すスタイリングだ。前述の2台のように、これがスペシャルティカー(というのも懐かしい言葉ですね)という位置づけならともかく、マツダの主力モデルであるアクセラとなることを考えれば、斜め後方視界や後部座席の居住性に不安を覚える気もするが、これが「マツダが考える理想的なハッチバックのプロポーション」であるという。期待と不安も織り交ぜた上で量産モデルの発表が待ち遠しい。



その中身には、ボディもパワートレインも次世代の「SKYACTIV」テクノロジーが詰まっている。車体はマツダが"次世代車両構造技術"と表現する「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」を採用し、そこに世界で初めてガソリン・エンジンで圧縮着火の制御を実用化した(市販車でもする予定の)「SKYACTIV-X」エンジンを搭載。マツダの方によれば、このクルマの量産モデルが、"次世代SKYACTIV(SKYACTIV GEN2)の一番バッター"として登場することになるという。2012年に発売された「CX-5」で脚光を浴びたSKYACTIVテクノロジーも、一回りして次世代に替わるというわけだ。今のところ詳細は不明だが、エンジンはトルク、燃費、レスポンスが改善され、シャシーは運動性能、フィール、乗り心地、静粛性が洗練されるという。


ディテールにはコンセプトカーならではの遊びも見られる。ドアハンドルはドアに格納されており、手を触れるとせり出す仕掛け。助手席側いっぱいに拡がったワイドなディスプレイや、後部座席のセンターに備わるタッチパネル式コントロール系も、まあ他社の高価なクルマでは似たような物を見たことあるとはいえ、Cセグメントのハッチバックに採用されたらと考えると楽しい気分になる。とはいえコストを考えると楽しいとは言っていられないので、次期型アクセラに採用される見込みは薄いが。


次期型アクセラの発表時期についてはまだ明らかにされていないが、SKYACTIV-Xエンジンは2019年に市販モデルに搭載されることが予告済み。これを搭載する次期アクセラは2018年秋に発表、2019年前半に発売というあたりだろうか。こんなデザインを先に見せてしまうと、現行アクセラの買い控えが心配されないかとマツダの方に尋ねたところ、「結局はマツダのクルマを買っていただけるのならそれでいいです(笑)」とのお答えだった。こちらもVISION COUPE同様、実車は写真で見るより魅力的なので、是非とも東京モーターショーに足を運び、意見や希望をマツダの人々に伝えていただきたい。ブースにいるマツダの社員もそれを心から持ち望んでいるはずである。