ボルボから独立したポールスターが、初の市販モデルとなる600馬力の「ポールスター1」を発表!
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最高出力600hpを発揮する「ポールスター1」は、ボルボ車とは似て非なるクルマだ。ボルボのパフォーマンス部門から独立したブランド「ポールスター」は、同ブランドの市販第1号車となるポールスター1を10月17日に上海で発表した。同車はボルボのDNAを引き継いでいるが、ポールスターの優れた技術者たちによりパフォーマンスが最大限に引き上げられている。ベースとなるのはボルボの新型「XC90」や「XC60」をはじめ、その他の60シリーズや90シリーズと同じ、「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)」プラットフォーム。これに、やはり多くのボルボの最新モデルで「T8」グレードに採用されている「Drive-E ツインエンジン」と呼ばれるハイブリッド・パワートレインを搭載する。外観も中身も、まるでボルボのクルマのようだが違う。



2013年に発表された「ボルボ・コンセプト・クーペ」から明らかにインスパイアを受けているポールスター1は、ボルボ・カー・グループの新しいパフォーマンス・ブランドを象徴するモデルになる。2ドア、2+2シーターのグランツーリスモ・クーペで、そのプラグイン・ハイブリッドのパワートレインは最高出力600hpと最大トルク1,000Nm(101.9kgm)を発生する。ポールスターによると、クルマの半分は同社のエンジニアが「新しく専用に」設計したという。



パワーユニットはフロントに搭載されたボルボの4気筒ガソリン・エンジンが前輪を駆動し、2基の電気モーターがプラネタリーギアを介して後輪を駆動する。モーターだけで218hpを発生し、150kmの距離を電気のみで走行可能だ。ポールスターはこの数値がどのテスト基準によるものかを明らかにしていないが、「市販プラグイン・ハイブリッド車としては最大の航続距離」と謳っている。

「我々は、ポールスター1を内燃エンジンにサポートされる電気自動車と考えています。このクルマは現在のテクノロジーによる未来への懸け橋と言えるでしょう」と、ポールスターのトーマス・インゲンラスCEOは語った。今後、同ブランドが発売するモデルは全て電気自動車になるという。



ポールスター1の全長は4.5mと、セダンのボルボ「S90」に比べるとホイールベースが320mm、リアが200mm短い。世界で初めて採用されたというオーリンズ社製の新しい「連続電子制御サスペンション(CESi)」は、各々のショックアブソーバーに装備された電子制御バルブが路面状況やドライバーの操作に合わせて瞬時に減衰力を調整する。ドライバーの判断でダンパー特性を切り替えることも可能だ。



「ダブル・エレクトリック・リアアクスル」と呼ばれる後輪車軸に搭載された2基の電気モーターは、コーナリング時に左右のトルク配分を可変するトルクベクタリングが作動。曙ブレーキ工業製の6ピストン・ブレーキキャリパーと400mmのブレーキディスク(フロント)が強い制動力を発揮する。ボディ・パーツの大部分はカーボンファイバー製で、230kgもの軽量化に成功したという。同時にねじり剛性は45%向上している。また、車体の上部に載るボディが軽量になったことで、低重心化も進んだ。前後重量配分は理想的な48:52を実現している。



内装はボルボの最上位モデルである「S90」からそのまま流用したように見えるが、それは決して悪いことではない。快適性の高さでは定評あるボルボのシートや、優れた「ボルボ・センサス」インフォテインメント・システムなど、ボルボのラグジュアリーなインテリアを採用することで、ポールスターは大きな恩恵を受けている。



年間生産台数が500台以下に制限されるというポールスター1は、オンラインまたは専用アプリによって注文することが可能だが、「購入する」とは思わない方がいいだろう。ポールスターのクルマは2年または3年のサブスクリプション方式を取っており、これに保険とメンテナンス費用が含まれるシステムだからだ。注文受付は10月17日から、生産は2019年の中頃に開始される予定だという。

しかし、ポールスターが準備しているのはこれだけではない。同社は「ポールスター2」という完全電気自動車のミッドサイズ・セダンも現在開発中だという。こちらは2019年数までに生産が開始される予定で、生産台数はポールスター1より多くなるとのこと。テスラ「モデル3」(と本日以降、2019年の販売日までに発表されるクルマ)のライバルとなりそうだ。

さらに「ポールスター3」と呼ばれる第3弾のモデルも、現在はデザインの最終工程に入っており、これは「大型SUVのスタイリングを持つ電気自動車」になるという。サイズと価格帯はポールスター1とポールスター2の間に位置することになる。



ポールスター・ブランドのクルマは、少なくとも初めのうちは中国・成都に設立された専用工場で組み立てが行われることになる。ブランドはボルボ・カー・グループの子会社のまま留まるものの、運営はボルボとその親会社である浙江吉利控股集団が6億4,000万ユーロ(約850億円)を共同出資して行う予定だ。

ポールスターのクルマは、試乗や注文から洗車や配車まで、全てオンデマンド・サービスとして、ポールスター専用アプリで手配することができる。2019年第1四半期初め頃には「ポールスター・スペース」が各地に開設される予定で、そこでは実車を見ることもできるし、同社の製品スペシャリストから直接話を聞くこともできるようになる。ボルボのショールームとは完全に別扱いであるものの、ボルボの販売店がポールスター車のメンテナンスやサービスも行う。

SHANGHAI 2017-10-17Thomas Ingenlath, Chief exekutiv Polestar  Polestar media launch at Yuz Museum in Shanghai.Photo: Andreas Hillergren / Polestar

「ボルボ・カー・グループの一員であることは、一流の自動車メーカーが築き上げた技術を用いてデザインや開発、運営が可能だということです」とポールスターのトーマス・インゲンラートCEOは語る。「しかし同時に、主力製品群とは別のところで、新しいテクノロジーを少量生産のクルマで実験的に採用することも可能になるのです」。


By JORDAN GOLSON
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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