【試乗記】中古シトロエン C5のオーナーが最新のグランド C4 ピカソに試乗 第4回「エクステリア&インテリアをチェック!」
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10万円で購入した12年落ちの初代シトロエン C5を愛用している筆者が、最新のクリーンディーゼルを搭載したグランド C4 ピカソ SHINE BlueHDiに試乗する連載企画。第4回目はいよいよ(ようやく)グランド C4 ピカソに乗り込みます。

前回までの記事はこちら

【試乗記】中古シトロエン C5のオーナーが最新のグランド C4 ピカソに試乗 第1回「10万円で購入したC5は絶好調!」

【試乗記】中古シトロエン C5のオーナーが最新のグランド C4 ピカソに試乗 第2回「比較のため、一番高くて大きな現行モデルを借り出すことに」

【試乗記】中古シトロエン C5のオーナーが最新のグランド C4 ピカソに試乗 第3回「欧州の最新ディーゼルってどうなってるの?」


国産5ナンバーミニバンより
短く、低く、そしてワイド


広報車のグランド C4 ピカソ BlueHDiと初めて対面した印象は、ロー&ワイドで塊感のあるスタイリングから「思いのほかコンパクトだな」というものだった。だが、カタログでボディサイズを確認すると、全長4605mm × 全幅1825mm × 全高1670mmとなり、代表的な国産5ナンバーミニバンの日産セレナに比べると、全長で90mm短く、全高は25mm低い代わりに車幅は130mm広く、数値的にはけっしてコンパクトとは言えない。

グランドC4ピカソの外観上の特徴のひとつとして、後部ドアが国産ミニバンでよく見られるスライドドアではなく、セダンなどに用いられるヒンジドアを採用してることが挙げられる。

日本のユーザーは「ミニバン=スライドドア」と短絡して考える人が多いが、たしかにスライドドアは開口部が大きく、狭い場所での乗り降りに便利だが、ドアのガラスがハメ殺しとなっていて開閉できない車種も多いし、現在ほとんどのミニバンに標準装備されているパワースライドドアは開閉時間が遅くてイライラさせられる。また、パッセンジャーの乗り降りの際に路肩に駐車した場合、後続車のドライバーに開いたドアが確認しづらく、乗り降りの際に接触事故の被害に遭うリスクがある。個人的にはミニバンでもヒンジドアのほうが使い勝手が良いように思う。



個性的だが落ちついた雰囲気の
エクステリア


スタイリングは個々人によって好みがあるとは思うが、同じような四角いボディで選ぶところがないミニバンの中にあって、個性的なシトロエンのファミリーフェイスにやや丸みを帯びたボディを組み合わせたグランド C4 ピカソは他車との差別化ができており、なかなか魅力があると思う。アクセントとして配されたAピラーからリアエンドにかけて一体となったルーフバーは、姉妹車のC4 ピカソとも意匠が異なっており、このクルマならではの特徴となっている。

じつは最初にこのクルマの写真を見たときは、日産ジュークのような子供っぽいスタイリングなのではないかと危惧を覚えたのだが、実車は写真よりも受ける印象はずっと良く、ファニーではあってもアグリーではなく、自己主張があってもどこか落ちついた雰囲気があり、大人が乗っても様になるグッドルッキングなミニバンだと思った。

ただし、このクルマには国産5ナンバーミニバンのような居間をそのまま路上に持ち込んだような生活臭がない。休日のサービスエリアでよく見かけるようなジャージにサンダル姿のお父さんが、ギャーギャーと騒ぎ立てる子供と不機嫌な顔をしたお母さんを乗せて、荷物やお菓子の食べこぼしで車内が汚れ放題なのも気にせずに行楽に向かう‥‥といったシチュエーションはまるで似合わないのだ。家族と共に行動する場合でもオシャレに気を使い、美意識を失うことがない人のためのクルマである。下駄履きの生活者にはちょっと近寄り難い雰囲気があり、それがこのクルマの長所でもあり、短所でもある。



シトロエンらしく
近未来的なコクピット回り


エクステリアのチェックが終わったところでインテリアの検分に入る。
グランド C4 ピカソの運転席に座った第一印象は視界の良さと開放感だった。このクルマは外光をたっぷりと車内に取り入れられるように、ボディ断面を台形型とし、ガラス面を大きく採っている。それに加えてサンバイザー部がスライドしてフロントガラスの面積が増えるパノラミック・フロントウインドウや、オプションのガラスルーフ、スケルトン化されたAピラーなどによって、まるでオープンカーに乗っているような開放感を味わえる。シトロエンの広報担当者が「後部座席に座るとまるで空と一緒にドライブしているような感覚になる」というのも実際にこのクルマに乗れば理解できる。国産ミニバンが穴蔵に閉じ込められたような閉塞感をパッセンジャーに覚えさせるのとは対照的だ。



コクピット回りはダッシュボード中央にデジタルディスプレイを上下に配置した近未来的な意匠を採用している。シトロエンが「12インチパノラミックスクリーン」と呼ぶ上部の大型ディスプレイには、スピードメーターやタコメーター、燃費計や航続距離計などの車両情報のほか、後退時にはリアカメラの映像が表示される。下部の7インチディスプレイはタッチスクリーン式となり、カーナビ(オプション設定)やオーディオ、エアコン、縦列駐車や車庫入れのアシスト機能である「ドライビングアシスタンス」の設定画面が表示される。上部のディスプレイは3パターンから好みに応じて変えることができ、筆者は中央にドライブ情報、その左右に70年代のシトロエンを思わせるボビン式のスピードメーターとタコメーターが表示されるパターンを選んだ。



グランドC4ピカソの
ステアリングとペダルのオフセットに物申す


グランドC4ピカソはPSAの右ハンドル・モデルによくあるように、ステアリングとペダルはわずかに左側にオフセットしている。センターメーターを採用していることもあって、視界に合せて自然に身体は車体中央にやや傾くので違和感はそれほど覚えないが、筆者が日頃愛用している初代C5はステアリングもペダルもオフセットがほとんどない。初代C5はPF3プラットフォーム、グランド C4 ピカソはワンサイズ小さなPF2の後継となる新開発のEMP2を使用している。シトロエンはプラットフォームのサイズの違いからオフセットを消せなかったというのかもしれないが、全幅1,800mmを超えるボディサイズを考えると充分可能なハズだ。過去の同メーカーの製品にキチンと手当てされた右ハンドル・モデルがあることを考えると、「問題なし」と無罪放免にすることはできず、ここは「要改善」と指摘しておくことにする。

なお、EPS(電動パワステ)は軽めのセッティングが施されているが、中立付近の手応えをしっかり出されており、切り始めの微小舵角にもきちんと反応するし、切り増しや切り戻しの際にも漸進的に手応えが増して行く。EPS特有のゲインの唐突な変化もなく、極めて自然なステアリングフィールであった。かつての油圧パワステなら当たり前のことだが、EPSには当たり前のことを当たり前にできない車種が多いので、ここは素直に評価しておきたい。


ミニバンとしての快適性や実用性は!? 明日掲載予定の第5回へ続く!

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http://www.citroen.jp/


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