【試乗記】中古シトロエン C5のオーナーが最新のグランド C4 ピカソに試乗 第2回「比較のため、一番高くて大きな現行モデルを借り出すことに」
Related Gallery:Citroën GRAND C4 PICASSO SHINE BlueHDi

(これまでのあらすじ)
筆者は12年落ちの初代シトロエン C5を2ヶ月前に10万円で購入し愛用している。2015年7月をもってハイドロ・サスペンションは惜しまれつつもシトロエンのラインナップからフェードアウトしたが、ハイドロ車のオーナーはバネサスのみとなった現行のシトロエンはどのように評価するのだろうか? 激安で買った初代C5を愛用する筆者が最新のクリーンディーゼルを搭載したグランド C4 ピカソ SHINE BlueHDiに試乗する。

前回の記事はこちら
【試乗記】中古シトロエン C5のオーナーが最新のグランド C4 ピカソに試乗 第1回「10万円で購入したC5は絶好調!」


バネサスのシトロエンって
一体どうなのよ?


そんなワケ激安輸入中古車の初代シトロエン C5は大いに気に入っている。だが、初代C5のステアリングを握っていると、どうしても気になるのが最新型シトロエンのことである。前回も書いた通り、筆者はこれまでGSA、BXを乗り継ぎ、今回購入した初代C5が3台目のシトロエンとなる。これらはいずれもハイドロニューマチック・サスペンションを採用したクルマで、金属バネのシトロエンは所有した経験がない。過去に試乗したクルマもハイドロ系が中心で、バネサス車はずいぶん前にクサラ、ブランドが独立する前のDS3とDS4をチョイコロした程度だ。

ハイドロが廃止され
ラインナップはハネサスのみに


シトロエンのファンはハイドロ派とバネ派に二分される。筆者はもちろん前者で、正直に白状してしまうとハイドロ以外のモデルは、トラクシオン・アヴァン(11CV)や2CVなどのクラシックモデルを除くと「肉の入っていないカレー」のような残念さをどうしても感じてしまう。

もちろん、乗れば乗ったで金属バネのシトロエンも悪くはない。サスペンション形式に違いがあると言っても、同じメーカーの手掛けたクルマということもあって、サスペンションのチューニングの方向性はよく似ている。金属バネ・モデルのサスセッティングもソフトで、ハイドロ・サスと同じように前後サスのピッチング周期が同じになるように入念にチューニングされている。シトロエンの信頼性が低かった80年代以前は複雑な油圧回路を持つハイドロ系モデルに比べてトラブルのリスクが低かったこともバネサス車のメリットだった。

だが、PSAグループの傘下に入り、部品の共用化率を高めた90年代以降のシトロエンは、外装デザインや足回りのセッティングなどは異なるものの実質的にプジョーの姉妹車となった。となれば、「バネサスのシトロエンを買うのだったら別にプジョーでもいいんじゃね?」という考えがどうしても頭から捨て去ることができない。

しかしながら、シトロエンは2015年7月にハイドロ・サスペンションの廃止を発表した。それに先立つ同年6月に限定販売された2代目シトロエン C5 ファイナルエディションをもって日本市場へのハイドロ車の輸入も中止している。すなわち、これ以降シトロエンの新車は好むと好まざるに関わらずバネサスのモデルしか選べなくなってしまった。ハイドロ派としては寂しい限りだが、嘆いていても始まらない。今回はいちファンとして同社の決断を受け入れた上で、現行モデルがクルマとして、シトロエンとしてどうなのかを見定めたいと思う。


グランド C4 ピカソ SHINE BlueHDi
を試乗することに


2000年代にシトロエンのフラッグシップを務めた初代C5を愛用している以上、比較のために乗るなら現行ラインナップの中でいちばん大きく、高価なモデルを...ということで、プジョー・シトロエン・ジャポンから借り出したのがグランド C4 ピカソ SHINE BlueHDiである。

本来ならばフランス本国で販売されている現行C5のバネサスモデル(サルーンはすでに販売終了。ツアラーのみが受注生産となっている模様)のほうが比較するのに適しているのだろうが、残念ながら日本市場では設定がない。ミニバンがシトロエンのフラッグシップというのは、昔からのファンにはちょっぴり違和感があるかもしれない。まあ、これも時代の流れということなのだろう。

2代目となるC4 ピカソ シリーズがデビューしたのは13年3月のジュネーブショーで、14年10月から日本市場でも販売を開始した。日本上陸当初は一部フランス車ファンの間で話題になった程度だったが、昨年クリーンディーゼルのBlueHDiが追加になってからジワジワと人気が広がっているようだ(当初は限定車として販売今年3月からカタログモデルとなった)。

少し前にディーラー関係者にC4 ピカソ シリーズについて話を聞いたところ、「エコカーブームもあってBlueHDiが追加されてからC4 ピカソ/グランド C4 ピカソの引き合いが増えています。これまでフランス車に関心がなかったお客さまの来店も多いですよ。国産車の代替として購入されるケースも結構ありますね」と話してくれた。

シトロエンの日本国内における販売台数は年間2,000台前後ということもあって、街中でC4 ピカソシリーズを見かける機会は少ないが、逆に言えばまだまだ販売増への伸びしろがあるということでもある。

日本の輸入車ユーザーは移り気で、定番となったドイツ車以外だとブランドへの忠誠心も高くはない。それまでマイナー扱いされていたメイクスが、ある日突然何かしらの理由で人気を集めることがままある。過去にはサーブが、アルファ ロメオが、プジョーがブームとなって売り上げを伸ばした(その後、ブームはすぐに収束したが...)。現在、PSAグループが押すクリーンディーゼルは最近のユーザーの低燃費志向と合致する。ひょっとすると、これが追い風となってシトロエンが日本市場で躍進する可能性もありえる。ディーラー関係者の話が事実だとすれば、これはシトロエン浮上の兆しなのかもしれない。


いま何かと話題のディーゼル・エンジンについては、第3回で!


シトロエン・ジャポン 公式サイト
http://www.citroen.jp/


■関連記事
・【試乗記】中古シトロエン C5のオーナーが最新のグランド C4 ピカソに試乗 第1回「10万円で購入したC5は絶好調!」
・シトロエン、マイナーチェンジした「C4ピカソ」を日本で販売開始 最新の運転支援技術やディーゼル・エンジンも用意
・待望のディーゼルモデルもラインナップ!! シトロエン「C4ピカソ」がマイナーチェンジして登場!!