【試乗記】「太って噛みつく力は増したが泣き声は変わらず」 ダッジ「チャレンジャー SRT ヘルキャット ワイドボディ」
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今年の春にダッジチャレンジャー SRT デーモン」が巻き起こした興奮も冷めやらぬ間に、ダッジとその高性能モデルを手掛ける「SRT(ストリート・アンド・レーシング・テクノロジー)」チームは、「チャレンジャー SRT ヘルキャット」にデーモンと同等のグラマラスなボディを与えたレトロ・クールなクーペ「チャレンジャー SRT ヘルキャット ワイドボディ」を登場させた

【試乗記】身体が太って噛みつく力が増した凶暴猫! ダッジ「チャレンジャー SRT ヘルキャット ワイドボディ」

この"ワイドボディ"は、標準のチャレンジャー SRT ヘルキャットと内部構造の大部分を共有しているが、外観はデーモンとほぼ同じだ。6.2リッターV型8気筒に容量2.4リッターのスーパーチャージャーを組み合わせ、最高出力707hpと最大トルク89.8kgmを発生するヘルキャット・エンジンは変更されていない。トランスミッションは6速マニュアルが標準だが、我々の試乗車にはステアリングホイールにパドルシフターを備える8速オートマチック・トランスミッションが搭載されていた。

ボディが従来型のヘルキャットよりも3.5インチ(約9cm)拡げられたことによって(フェンダーをご覧いただきたい!)、20×11インチ(約51×28cm)の「デビルズ・リム」ホイールに対応できるようになった。フロントスプリッターはデーモンと共有しているが、ヘルキャットのリアスポイラーはそのまま残されている。また、このヘルキャット ワイドボディには、選択可能なドライブ・モードを備えた電動パワーステアリング・システムが採用されている。

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ワイドなタイヤを履くことで向上したコーナリング・グリップ、発進加速、ブレーキ性能(通常のヘルキャットと同じブレンボ製ブレーキ・パッケージを装備するにも関わらず)を考慮すると、パフォーマンスは標準のヘルキャットを僅かに上回ると言えるだろう。ダッジによればクォーターマイル(約402m)は11.2秒から10.9秒へ0.3秒短縮されたという。0-60mph(約96.6km/h)加速も3.5秒から3.4秒に引き上げられ、横方向グリップはスキッドパッド上で0.04Gから0.97Gへ高まった。同社の全長1.7マイル(約2.7km)のロードコースを走らせれば、ラップ・タイムは従来型のヘルキャットより2秒も速く、約13車身の差を付けてフィニッシュしたとダッジは語っている。



我々はインディアナポリス・モータースピードウェイの内側にあるロードコースで、ヘルキャット ワイドボディに試乗した。車内に乗り込んでみると、シート・ポジションはヘルメットを装着していても快適で、シートとステアリングコラムを最適な位置に調整するにも問題なかった。インフォテインメント・ディスプレイには、これから走行する数マイルの距離に向けたドライブ設定が表示されている。トランスミッションとサスペンションは「トラック」モード、ステアリングは「スポーツ」モード、トラクション・コントロールは「ストリート」モードを選択。助手席にインストラクターが乗り込むと、エンジンを始動し、ピットレーンをいざ出発だ。



最初のコーナーに向けて直線で加速すると、ヘルキャットV8エンジンの刺激的な唸り声がスーパーチャージャーの甲高い音と共に高まった。加速は鋭いが制御しやすく、特に長いコーナーを立ち上がるときには安定感がある。ステアリングも改善されており、自然な重さを感じつつも、次々とコーナーを縫うように走り抜けても腕が疲れることはない。その点では非常に優れたクルマだ。ご想像の通り、幅広のタイヤによりヘルキャット ワイドボディはきわめてグリップ力が高く、最終コーナーを抜けてロードコースとインディのオーバルコースが共有する長い直線に再び戻る時には、一連の動きに大きな満足感が得られた。



アクセルを踏み込み、エンジンが轟音を上げて最高回転数6,200rpmまで上昇すると、身体が座席に激しく押し付けられる。トランスミッションはオートのままに設定していたのだが、ギア・チェンジの度に不快な振動が伝わり、ドライバーの身体的な入力と一致していないように感じられた。だがシフトは素早く、速度が140mph(約225km/h)に達しても勢いは止まらず(TFTディスプレイのデジタルの速度計ではっきり読み取れる)、そのまま直線を駆け抜けてすぐにコーナーに到達し、ブレーキを踏まなければならなくなる。コースを1周走り終えたので、次の周回ではもう少しアグレッシブに攻めてみることにした。するとこのクルマがバランスに優れ、扱いやすく、さらに依然として実に快適であることが分かった。ボルスターを備えたシートはラップの間も適切に身体を支え続け、ピットレーンの有名なブリックの側で停車したときにはクルマから離れ難かった(物理的にではなく心理的に)。もっとも、この2番目に凶暴なチャレンジャーとの短い試乗が終わってしまった寂しさも、後にデーモンに乗ったらすぐに薄れてしまうことになるのだが。


2018 Dodge Challenger SRT Hellcat Widebody

ヘルキャット ワイドボディの価格は7万890ドルから。この金額には燃費が悪いクルマに課せられる1,700ドルのガス・カズラー・タックスは含まれない。標準のヘルキャットより7,300ドルほど高いが、強烈なデーモンに比べたら1万3,500ドルも安い。ドラッグ・レースに特化した悪魔(デーモン)に魂を奪われたくなければ、この太った凶暴猫(ヘルキャット ワイドボディ)を手に入れるのも悪くない。デーモンの840馬力には及ばないが、707馬力もあれば充分以上だ。ヘルキャット ワイドボディは今年の第3四半期より、2018年モデルとして米国のディーラーに並ぶことになっている。



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By JOHN BELTZ SNYDER
翻訳:日本映像翻訳アカデミー