メルセデスAMG、F1エンジン搭載1000馬力の市販車「プロジェクト・ワン」発表。加速性能はブガッティ・シロン超え
メルセデスAMGが、フランクフルトモーターショーに先立ち、F1エンジン搭載のハイブリッドスーパーカー、プロジェクト・ワンの詳細を公開しました。開発にはメルセデスAMGのレーシングエンジン開発子会社Mercedes AMG High Performance Powertrainsと、メルセデスF1チームが協力しています。
 
ガソリン仕様の1.6リッターV6エンジンはF1マシン搭載のものをほぼそのまま使い、90kW電動ターボチャージャー(F1でいうMGU-H)とエンジン回転をアシストする120kWモーター(同、MGU-K)を備えるハイブリッドターボ式パワーユニットとして機能します。レブリミットは1万1000rpmで、これは最大回転数が1万5000rpmに設定されるF1から少し下げてあります。

前輪にはそれぞれ120kWのモーターを備え、パワーユニットの総出力は1000馬力オーバー。最高速度は約350km/hにとどまるものの、0-200km/h加速6秒はブガッティ・シロンの6.5秒を凌駕します。

またメルセデスの説明によると、プロジェクト・ワンは約25kmの電動のみの走行が可能で、申し訳程度とはいえこの距離に限っては環境負荷ゼロの完璧なエコカーとしても機能するとのこと。
トランスミッションはF1と同じ8速ですが、これはF1そのままではなく公道走行にあわせて再設計したものを採用します。とはいえ完全なオートマチックだけでなく、レーシングカー同様のパドルシフトももちろん備えています。
 

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いま一度その外観に目を戻すと、プロジェクト・ワンのシルエットはどことなくかのマクラーレンF1にも似ているように思えます。ただ大きく口を開けたようなフロントマスクはLEDヘッドライトのデザインもあいまって、まるでサメのよう。背中にはシャークフィンも備わり、コーナリング安定性やリアへの気流調整などを担います(ちなみにF1では2018年規定でシャークフィンが禁止になる見込み)。またルーフ上にはエンジンへ空気を導入するエアインテークが座っています。

コクピットはカーボン調のダッシュボードに2つのディスプレイがあるのみ。そしてこれもF1ゆずりのステアリングは中央に大きなスリーポインテッドスターのエアバッグ内蔵パッドが取り付けられました。ステアリング上のその他のコントローラーはドライブモードやサス調整などが割り当てられます。

足回りでは、マルチリンク式サスペンションがカーボンシャーシに直にボルト付けされ、そのコイルオーバーを地面に対し水平に配置することなどで急な旋回時の車体のロールを押さえ込む工夫がなされています。

ダイムラーの最高設計責任者ゴードン・ワーゲナー氏は「プロジェクト・ワンは我々がこれまでにデザインした車のなかで最も"ホットでクール"なマシンだ」と語ります。さらにディーター・ツェッチェ会長は「モータースポーツはそれだけで完結するのでなく、市販車の熾烈な競争にも恩恵を与えてくれる技術を開発するものだ。我々が手にした3度のコンストラクターおよびドライバーズチャンピオンの経験をもとに、フォーミュラ1の技術を使ったメルセデス-AMG プロジェクト・ワンは実現に至った」とコメントしました。

プロジェクト・ワンの価格は227万5000ユーロ。日本円に換算すると約2億9780万円になります。生産開始は2019年の終わり頃になるとのこと。

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