BMW、2020年に電気自動車の大量生産を開始すると発表
BMWは現在、2020年から大量生産する新型電気自動車(EV)を準備しており、2025年までには全部で12車種の完全EVを展開すると、7日に発表した。

一般的に、これまで自動車の消費者はEVの購入に積極的ではなかった。価格が高いことと、航続距離が限られることが原因だが、2012年にテスラの「モデルS」が登場し、1度の充電で200マイル(約322km)以上の距離を走行することが可能になった頃から状況は変わってきた。

それからさらにバッテリー技術は大きく進歩し、フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車不正問題を発端に、世界中で大気汚染に対する規制が強化された。その結果、ディーゼルをはじめとする内燃機関に取って代わる、排ガスを出さないクルマの開発を自動車メーカーに急がせる当局の圧力も強まった。

2013年にEV「i3」をリリースしたBMWは、EVの需要が増加すると思われる2020年以降を目指し、EVを大量生産できる工場の稼働準備をしているという。

「2025年までに全部で25車種の電動車を投入する予定で、そのうち12車種は完全な電気自動車になります」とハラルド・クルーガーCEOはミュンヘンの本社でメディアに向けて発表した。これらEVの航続距離は700kmに達するとのことだ。

2016年にBMWは、傘下となるブランドのMINIとロールス・ロイスも併せて234万台を販売した。そんな大手自動車メーカーが、電動化への動きを加速している。今回の発表と同じ7日に、規模としては小さいものの競合会社であるジャガー・ランドローバーも、2020年以降の全車種をEVかハイブリッド車(HV)にすると発表している。

6日には日産がEV「リーフ」の新型を発表した。BMWグループの240万台近い販売台数に対し、テスラが2016年に販売した電気自動車の数は8万3,922台。イーロン・マスク氏が米国で設立したこの企業に追いつこうと、それより遥かに多くの自動車を販売している大メーカーが躍起になっている。

ロールス・ロイスも

歴史の長い自動車メーカーは、EV市場への参入に少々時間が掛かっている。高コストのバッテリーはその大きな要因で、採算が見込めないと判断しているからだ。1台のEVにつき、バッテリーは車両全体のコストの3割から5割も占める。

航続距離500kmに達する60kWh容量のバッテリーパックが、現在のところ1万4,000ドル(約150万円)も掛かるのに対し、ガソリン・エンジンなら約5,000ドル(約55万円)で済む。さらに電動モーターやインバーターにも2,000ドル(約22万円)の費用が必要となるため、EVとガソリン自動車のコストの差は開くばかりだ。

しかし、英国および米国の大手金融機関バークレイズのアナリストによると、バッテリー容量の向上に投資することで、2020~2030年の間には内燃機関型のクルマと同等の開発コストに至る"転換期"を迎える可能性もあるという。

またオランダ大手金融機関INGのアナリストによると、内燃機関型のクルマに対する規制や、ディーゼル車に対してより重い課税を実施する都市のことを考慮すると、EVの維持費総額は内燃機関型のクルマを下回ることも有り得るため、2035年までにヨーロッパは100%バッテリー搭載型EVの市場へと姿を変えるだろうとのこと。

12日より開幕するフランクフルト・モーターショーは、BMWにとってシティカー「i3」とハイブリッドスポーツカー「i8」の中間に位置づける新型4ドアEVを披露する場になると、クルーガーCEOは述べている。

「全ブランドやモデル・シリーズにおいて電動化の普及を促していく。もちろん、ロールス・ロイスやBMW Mモデルも例外ではない」と同CEOは語った。

ドイツのライバル自動車メーカーもまたEVを発表する予定だ。ダイムラーのメルセデス・ベンツは大衆市場向けEV「コンセプトEQ A」を公開し、フォルクスワーゲンはクロスオーバー「I.D. Crozz」を出展する

開発コストは別にして、EVを普及させる上で主な問題となるのは、充電に要する時間と充電ステーションの不足である。

米国の企業再生専門コンサルティング会社アリックスパートナーズによると、実際にロンドンの一般消費者の間でEVが普及すれば、それに対応できる充電施設の整備には100億ユーロ(約1兆3,000億円)もの費用が必要になるという。だが、過去にそれほどの金額を投じた整備事業はほとんど例がない。


By REUTERS
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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