【短評】アルファ ロメオの新型「ジュリア」に、米国版Autoblog編集部員達が試乗!
Related Gallery:2017 Alfa Romeo Giulia Ti Lusso

コンパクト・セダンとして見れば、新型「ジュリア」はアルファ ロメオが送り出したBMW「3シリーズ」のライバルだ。確かに注目を集めているのは、最上級グレードの「クアドリフォリオ」だが、米国では「TI ルッソ」や「スポルト」、日本では「スーパー」や「ヴェローチェ」という名称で販売されている4気筒エンジンを搭載するモデルが本当の売れ筋になるだろう。ラグジュアリーとパフォーマンスの両面において高いことが求められる非常に熾烈なセグメントだ。アルファ ロメオは長い間、このクラスに強力な手札を持つことがなく、以前の「159」や「156」はライバルと比べ決して高く評価されたわけではなかった。新型ジュリアにアルファ ロメオが掛ける意気込みは大きい。

というわけでそのジュリアの中から、ハイパワー版の2.0リッター直列4気筒エンジンを搭載する4輪駆動モデルの「ジュリア TI ルッソ」(日本仕様の中では「ジュリア ヴェローチェ」に近い)に、米国版Autoblogの編集者達が試乗し、それぞれ所感を述べてみることにした。


Reese Counts共同編集者
私は最初から本当にこのクルマが気に入った。実に美しい。個人的にはもっと明るい色の方が好みだが、メタリック・ブラックに塗られていてもジュリアの美しさが陰ることはない。プロポーションは完璧だ。伝統の楯型グリルもこれまで以上に見事に決まっている。アルファはスタイリングに関して文句の付けようがない仕事をやってのけた。インテリアについても同じように感じた。デザインはシンプルでクリーン。フェラーリを思わせるリブが中央に入ったシートが特に良い。ウッドとレザーの組み合わせも好ましい。唯一、安っぽさを感じさせるのがプラスティックの質感だ。



機械的な面について言えば、ジュリアはまあまあのトランスミッションと優れたエンジン、そして卓越したステアリングを備えている。8速オートマチック・トランスミッションは低速域でまるでデュアルクラッチ式のようにギアの選択に迷うような様子を見せた。そのまま速度を上げてしまえば、シフトは素早くスムーズだ。「ルッソ」グレードにはパドルシフトの装備がない。だがそれで結構。全てのクルマがパドルシフトを必要とするわけではない。どうしても欲しければ「スポルト」を買えばよい(日本仕様でパドルシフトが装備されないのは最も安価な「ジュリア」のみ)。パワーとトルクは迅速に、そして軽々と湧き出てくる。クラス・トップを誇る最高出力280hpと最大トルク42.3kgmは確かに感じられる(日本仕様のジュリア ヴェローチェは最高出力280ps、最大トルク40.8kgm)。レッド・ゾーンが始まる5,500rpmまであっという間だ。もう少し、トップエンドで余裕が欲しい。

ステアリングは素晴らしい。クイックで正確、それでいて神経質な感じがしない。競合モデルと直接乗り比べたわけではないが、おそらくこのクラスで最高のステアリングだと思う。ステアリング・ホイール自体もとても良く手に馴染む。他の部分に触れるとがっかりするところもあるが、ドライビング・ポジションや操作系の配置は適正だ。

Not a 🍀, but still a 🍑. Good engine, better steering. #alfaromeo #giulia #tilusso #italy #autoblog

Reese Countsさん(@rmcounts)がシェアした投稿 -



Greg Migliore編集主任

ジュリアは乗るほど好きになっていく。慎ましくもゴージャスなところは、やり過ぎではないエレガントさを備えたジャガー「XE」に通じるところがある。特徴的なポイントは、V字型のフロント・グリルとアルファ ロメオのバッジだ。そこには時代を超越したスタイルがある。60年代のジュリアに同じグリルが付いていても、全く不自然ではない。飼い犬が前庭の芝生を散歩している間、私はじっくりと見入ってしまった。アルファ ロメオがここにある—アメリカの地で存在を示そうとしている—ジュリアはその戦略の重要な一部なのだ。

私が今年の初めに試乗した「クアドリフォリオ」のフェラーリ製V6エンジンと8速ATよりも、この4気筒エンジンと8速ATの組み合わせの方がスムーズに感じた。クアドリフォリオはホットロッドだが、こちらはイタリア語で贅沢を意味する「ルッソ(Lusso)」という名前の通り、より快適なのだ。ギアボックスのチューニングは少々粗いようだが、ドライビング・モードを「Dynamic」に合わせてアクセルを踏み込むと、力強くスムーズに加速する。信号待ちで無気力そうなBMW「7シリーズ」をぶっちぎりで引き離した際には、低いギアをホールドして高回転まで引っ張ってくれた。



ジュリアのインテリアは素敵だ。ウッド・トリムとクリーム色のレザーの組み合わせは品がある。ドライバーを念頭に置いて設計されていることもよくわかる。シート・ポジションは完璧で、ステアリング・ホイールの感触も良い。全てをくまなく見渡せる。このクルマの持つ性能をもっと発揮させたいと思わされる、素晴らしい体験だった。

ジュリアは小さめな高級セダンのセグメントにおいて、キャデラック「ATS」、BMW「3シリーズ」、メルセデスベンツ「Cクラス」、ジャガー「XE」などと競合するが、アルファ ロメオ独自のダイナミックさを備えている。この市場から1台購入するとしたら、私なら間違いなくジュリアを真っ先に考えるだろう。他のクルマに比べると、顧客の好き/嫌いがはっきり分かれるかもしれないが、ジュリアを気に入った人なら、その良さを堪能できることはずだ。


アルファ ロメオのジュリアとの一夜を楽しんだ。スポーティで、豪華で、素晴らしいデザイン。つまり、とても嬉しくなるクルマだ。


John Beltz Snyder編集主任(AutoblogGreen)

適当な表現が思いつかないが、アルファ ロメオ ジュリアは興味深かった。路上であまり見かけないアルファ ロメオのグリルを目にすると、いつもちょっとした異国情緒を感じる。その点に関しては、この黒いセダンは「4C」や「8C」「ステルヴィオ」よりも弱いが、「ヴルカーノ・ブラック」のペイントに散りばめられたメタリック・フレークは、曇り空の下で見た時よりもはるかにドラマチックだ。車内では、興味はそそられなかったものの、こぎれいなインテリアが印象的だった。しかし、クルマの中で多くの時間を過ごすにつれて、この異国風の良さが分かるようになってきた。



エンジンを始動しようとして、イグニッション・ボタンがステアリング・ホイールに設置されていることに気付いた(繰り返すが、これも異国情緒を際立たせる特徴だ)。ドライビング・モードを選ぶダイヤルの控え目な「d」「n」「a」のデザインは気に入った。実際に使うまで何だかよく分からないダイヤルだが、モードを切り替えるとデジタル・ディスプレイの色が変わるので現在のモードを確認できる。それにしても、Advanced Efficiency(高効率)を意味するという「a」モードにセットすると、インストゥルメント・パネルに表示される地球の絵は何を表すのだろうか。時々、薄暗くなったり、ちらちら光ったり、周りに星が出たりすることもあった。わざわざオーナーズ・マニュアルで調べることはしなかったが、ちょっとインターネットで検索した限りでは分からなかった。



雨の中、このジュリアで通勤した時には「a」モードを使ったものの、路面が乾いたらDynamic(ダイナミック)モードの「d」に切り替えた。すると、レスポンスが素早くなったことはメーターにも表れ、ジュリアがカーブで踊ったり、高速道路の車列を追い越したりしたがっているのが感じられた。このクルマは私にとっていまだ少々謎めいた存在であるが、だからこそもっと運転したいというのが今の気持ちだ。
アルファ ロメオUSAのジュリアを運転。細部の個性に興味をそそられるクルマ」


Joel Stocksdale共同編集者

私は長いこと、アルファ ロメオに懐疑的だった。感動的な走りだとか、今一番カッコいいクルマだという評判は耳にしている。確かに、走りが素晴らしく見た目もいいというクルマはたくさんあるし、その多くは歴史的に見て信頼できないようなクルマではない。

そして今回、私はついにこのジュリアに乗る機会に恵まれ(そう、これが私にとって初めてのアルファ ロメオ体験だ)、ようやく理解した。この乗り物は運転したら最高の代物だ。私はジャガー XEを高く評価しているが(ディーゼルを除いて)、このクルマはドライビング・ダイナミクスの点でさらに一歩上を行っている。ステアリングは超クイックでカミソリのように鋭い。ステアリング・ホイールには適度な重さとフィードバックが感じられる。このクルマは自らコーナーを曲がりたがるように感じられ、その反応も軽快で機敏だ。その上、乗り心地もわずかに固い気もするにせよ、驚くほど良い。



さらにエンジンがスウィートだ。確かに甲高い音を奏でるクアドリフォリオのV6とは違うが、この4気筒ターボは元気がある。カタログ値は最高出力280hp、最大トルク42.3kgmとなっているが、もっとパワフルな感じがする。小さな4気筒は唸り声も良いが、もう少し大きな音であってほしかった。アルファ ロメオは轟音を響かせるインテークやエキゾーストを備えたスポーツ・パッケージのような仕様を真剣に検討すべきだと思う。欠点は、わずかにターボラグがあることと、レッドゾーンが6,000rpm以下とかなり低いことだ。マニュル・シフトで走らせている時、もっと回転が上げられると思って何度かレヴ・リミッターに当ててしまった。



ジュリアの弱点はインテリアだ。レザー張りのダッシュボードとドアパネル、ウッド・トリムは一見すると上品に見えるが、大事なディテールがイマイチなのだ。中でも特に酷いのは、ドライビング・モードのセレクター、インフォテインメント、音量調節のノブだ。これらは本当に安っぽい。作りが緩く、プラスティック感が丸出しで、まるで10年前の安価な大衆車から持って来て付けたようだ。シートもあちこちでサポート性に欠ける。私が最も不満に思ったのはホールド感が足りないことで、急なコーナーでは身体がシートから滑り出てしまった。さらに約4,000マイル(約6,400km)ほど走行距離を重ねたこのクルマは、樹脂製パーツから時折きしむような音がすることに気づいた。

とはいえ、概してこのアルファを運転することは楽しめた。クアドリフォリオが絶対に必要だという感じはしなかった。2.0リッター・エンジンを積むこのモデルもそのままで十分に素晴らしい。あとは信頼性が高いと確信できれば、私もアルフィスタに改宗するかもしれない。




Greg Rasa編集局長

私の仕事仲間が適切な言葉を使ってこのクルマを表現している。ゴージャス、異国情緒、興味深い。運転すると元気がよい。エンジンとハンドリングは魅力的だ。安っぽいとか、謎めいているという評価もあるが、それは別の言葉で言えば、アクが強いということだ。

確かに興味深いクルマだから、もっと長期に渡ってテストしたくなる。アクの強さからどんな実体が明らかになってくるだろうか。もっとも、私には分かったこともある。ジュリアは他の多くのクルマのように、スピードメーターとタコメーターは離れていてその間にインフォメーション・スクリーンが備わる。だが、それら2つのメーターがかなり離れており、前方に傾斜している。私が運転席に座ると、ステアリング・ホイールでタコメーターの一部が隠れてしまい、1,500rpmから6,000rpmの間が見辛かった(さらに不幸なことに、レッドゾーンが低い)。スピードメーターは頭を下げないと70mph(約113km/h)から上が見えない。些細なことかもしれないが、運転している間はずっとイライラされられる。



だが、素晴らしい道で運転を楽しんでいると問題にならない。そんなとき、誰がメーターを見るものか。それにしてもアクが強いクルマであることは間違いない。それだけは覚悟して買うべきだろう。


By Autoblog Staff
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Related Gallery:2017 Alfa Romeo Giulia Ti Lusso

Related Gallery:ALFA ROMEO GIULIA

Related Gallery:2017 Alfa Romeo Giulia: Geneva 2016


■関連記事
・アルファ ロメオの新型「ジュリア」、ついに日本上陸!(前編) 自他共に認めるアルフィスタが発表会場からリポート
・アルファ ロメオの新型「ジュリア」、ついに日本上陸!(後編) 自他共に認めるアルフィスタが発表会場からリポート
・【注目のニューモデル】価格に見合う価値がある、新型アルファ ロメオ「ジュリア Ti」