ポルシェ、3代目にフルモデルチェンジした新型「カイエン」と「カイエンS」を発表! さらにパワフルになったV6エンジンを搭載
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ポルシェの純粋主義者なら、世界が終わるまでずっと歯ぎしりして不満の声をにじませ続けるだろうが、この15年でポルシェの爆発的な成長を促してきたのはSUVの「カイエン」だということは否定できない。ポルシェだけに留まらず、カイエンほど高級車市場全体を変えたモデルはないだろう。

高価なSUVモデルは、現在急速に成長するセグメントの1つであり、いまだにその傾向は終わりを見せそうにない。そんな競争市場で抜きん出ようと、ポルシェは今月29日、3世代目となる新型カイエンを発表した。おそらく純粋主義者にとっては嬉しくないだろうが、これまで以上にスポーティなモデルに仕上がっている。

最初に登場するのは「カイエン」と「カイエンS」。さらに"ターボ"の名を添えた各モデルも後々登場するはずだ。カイエンはシングルターボチャージャー付き3.0リッターV6エンジンを搭載し、先代を40ps上回る最高出力340psと最大トルク450Nmを発生。ポルシェによると、0-100km/h加速は6.2秒(オプションのスポーツクロノパッケージ仕様車は5.9秒)、クオーター・マイル(約402m)を14.2秒で走り切り、最高速度は245km/hに達するという。

カイエンSにはツインターボ付き2.9リッターV6が搭載され、こちらは先代を20ps凌ぐ最高出力440psと最大トルク550Nmを発揮する。0-100km/h加速は5.2秒(スポーツクロノパッケージ仕様車は4.9秒)、クオーター・マイル(約402m)13.2秒、最高速度265km/hと発表されている。



新開発の8速「ティプトロニック S」トランスミッションは、快適性とシフトの速さがどちらも向上しているという。1速から7速までクロースしたギア比がスポーツ性を高めると共に、高いギア比に設定された8速は高速巡航時の燃料消費を抑え、「リラックスしたクルージング」が楽しめるとのことだ。

ドライブ・モードはオンロード用がデフォルトだが、マッド、グラベル、サンド、ロックという4種類のオフロード用プログラムも用意されており、それぞれの走行条件に合ったトランスミッション、シャシー、ディファレンシャルロックの設定に切り替えることでオフロードを走り抜くことができる。ほとんどのカイエンは、落ち葉の広がった道やスキー場に続く雪道よりラフな路面を走ることはないと思われるが、ポルシェのエンジニアたちは、より過酷なオフロード走行の可能性も考慮して開発しているようだ。素晴らしい。



よりエンスージアスティックなドライバーなら、進化したスポーツクロノパッケージを装着するべきだろう。ドライブ・モードのバリエーションも追加され、パフォーマンスを向上させることができるからだ。「918スパイダー」にインスパイアされたステアリング・ホイールのスイッチで、ノーマル、スポーツ、スポーツプラスに加え、個別に設定可能なモードに切り替えることができる。さらに興味深いのは、「スポーツレスポンススイッチ」だ。これを押すと、エンジンとトランスミッションが20秒間、最高の性能を発揮する状態にセットされる。隣の車線に並んだ「レンジローバー・スポーツ」のオーナーを打ち負かすのに最適な機能だ。

今回の新型カイエンには、新開発の高性能ブレーキ・システム「ポルシェ サーフェス コーテッド ブレーキ」がオプションとして初採用された。ポルシェはとりわけ頭字語を好むため「PSCB」とも呼ばれる。この世界初のブレーキは、タングステンカーバイドでコーティングされた鋳鉄製ディスクが使われており、これによって摩擦値が高まりブレーキ性能が上がる一方で、磨耗やブレーキダストを低減する。つまり、標準のディスクブレーキとトップエンドのカーボンファイバーセラミックの中間となる選択肢が用意されるわけだ。ただし、このPSCBは20インチおよび21インチ・ホイールとの組み合わせのみ装着可能だ。



新型カイエンには、昨年登場した2代目「パナメーラ」から、いくつかの技術と共に多くの洗練されたデザイン要素が受け継がれている。ホイールベースは2,895mmと先代から変わらないが、全長は4,855mmから4,918mmへと拡大。全幅は1,983mm(サイド・ミラーを含まず)。また、ラゲッジスペースの容量は15%増加して770リッターとなっている。

シャシーは先代と比べ約65kgもの軽量化を実現。この減量は911やパナメーラと同様にアルミニウムや合金の使用を拡大したこと、そして先代より10kg軽量化されたのポルシェのリチウムイオンポリマー・スターターバッテリーによってもたらされている。



サスペンションは、フロントがセパレーテッドリンク式、リアはマルチリンク式。カイエンとしては初めて、前後に異なるサイズのタイヤが採用された。ポルシェによると、この事実はカイエンがSUVセグメントにおけるスポーツカーであることを強調するものだという。

また、既に911とパナメーラに搭載されているリア アクスル・ステアリングが、新型カイエンにもオプションとして設定された。低速時には後輪を前輪とは逆相に操舵することで旋回半径を小さくし、高速時は後輪も前輪と同相に操舵して車線変更時などの安定性を増すことができる。

オプションで選択可能な3チャンバーエアサスペンションシステムは、エアが増量されてアクティブサスペンションを制御する幅が増えた。オプションのポルシェダイナミックシャシーコントロールシステム(PDCC、お得意の頭文字語だ)は、48Vの電気系統によってスタビライザーバーが制御される。ポルシェでは、この電動システムは従来の油圧システムよりも優れた反応をドライバーに提供するとしている。

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車内に備わる新型パナメーラと同じ12.3インチのフルHDタッチスクリーンが、リアルタイム交通情報を表示するオンラインナビゲーションをはじめ、幅広い種類のサービスを提供する。ポルシェによると、このディスプレイにはスマートフォンのようなタッチパネルが採用されており、触れると音と触覚で手応えを感じるそうだ。

生粋のポルシェ・ファンは、中央に配されたアナログ式のレブカウンターを歓迎するだろう。その両側にある7インチのフルHDディスプレイには、ステアリングのスイッチで選択した様々なドライビング・データを表示することができる。

LTE対応の統合SIMカードを装備するコネクト プラスサービスでは、必要なときにオンラインに接続し、例えばスマートフォンで遠隔操作によってヒーターを作動させておくこともできる。カイエン専用に開発されたオフロードプレシジョンアプリは、起伏に富んだ地形の走行を詳細に記録し、録画をしてドライバーの技術改善を助けるという。

日本での発売時期および販売価格は、まだ発表されていない。



By JORDAN GOLSON
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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