アウディ、排気量ではなく最高出力を基準に2桁の数字で表す新たなネーミング体系を導入!
昔は、モデル名に含まれる数字がそのクルマに搭載されているエンジンの排気量を示していた。BMW「325i」は2.5リッター直列6気筒エンジン、メルセデス・ベンツ「S500」は5.0リッターV型8気筒エンジンといった具合だ。しかし、エンジンのダウンサイジングが潮流となり、新型車に先代モデルより劣った印象を与える小さな数字を付けるわけにはいかないので、最近のモデル名にはヒエラルキーの上昇しか意味しない数字が与えられることになった。さらに今後はエンジンだけでなく電動パワーユニットを搭載するものもますます増えていくことが予想される。そこでアウディは、これまでのような排気量ではなく、最高出力のランクを基準にした新しいネーミング体系を導入すると発表した。もっとも、消費者にとって分かり難いことに変わりはないかもしれないが。

例えばこんな具合だ。現在の「A4」や「Q5」といったモデル名はそのまま残るが、その後にエンジンを示していた「2.0T」や「3.0T」という名称が、そのクルマの最高出力を表す2桁の数字に置き換えられる。その出力を発生するパワーユニットが、ガソリン・エンジンでも、ディーゼル・エンジンでも、ハイブリッドでも電気モーターのみであっても関係なく、全て共通の基準に統一される。

この数字は「30」から始まり、アウディによればこれは110psから130psを発生するパワーユニットを搭載することを示す。「45」は230psから252ps、そして高性能モデルの「70」は544ps以上ということになる。その後に、アウディのパワートレイン・テクノロジーを表す名称が組み合わされるそうだ。

例えば、米国版Autoblog編集部の長期テスト車である「A4 オールロード」は252psのガソリン・エンジンを搭載しているから、後部のハッチゲートに「45」という数字と「TFSI」そして「allroad」のバッジが付くことになるわけだ。

同様に、116psの1.0リッター直列3気筒ガソリン・エンジンが搭載された「Q2」は「Q2 30 TFSI」となり、272phの3.0リッターV6ディーゼル・エンジンを積む「Q7」は「Q7 50 TDI」となるという。

この新たなネーミング体系は、今年の秋に発売される新型「A8」より適用される。まずはガソリンとディーゼルという2種類の3.0リッターV6エンジンを搭載する2つのモデルから導入されるが、340psのガソリンは「A8 55 TFSI」、そして286psのディーゼルは「A8 50 TDI」と呼ばれる。

しかし、これは決して分かりやすい体系とは言えない。同じ「30」のバッジを付けていても、そのパワーには110psから130psと幅があるからだ。また、Q2の1.0リッター直列3気筒ガソリン・エンジンも、現行型「A3」に搭載されている1.4リッター直列4気筒エンジン(122PS)も、「30」で統一されるのは紛らわしい。

とはいえ、それなりに意味のある命名法を復活させた今回のアウディの試みは歓迎したい。なお、この新体系導入にはもう1つ正当な理由があるという。パワートレインを排気量によらない統一された方法でランク付けできるようになることだ。排気量の数値はガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンのパフォーマンスを必ずしも正確に示しておらず、電気自動車や電動パワートレインには適用できないからである。

アウディAGのセールス&マーケティング担当取締役ディエトマー・フォッゲンライター氏はプレスリリースの中で、「代替駆動技術の意義が高まる中、エンジン排気量をパフォーマンス指標とすることはお客様にとってあまり重要ではなくなってきています。最高出力に応じた命名体系は明瞭かつ論理的なため、各モデルのパフォーマンス・レベルを識別できることになります」と述べている。

アウディによれば、この新ネーミング体系はグローバルに採用するという。日本のように排気量で自動車税が異なる地域では、顧客はさらに混乱するかもしれない。しかし、そもそも排気量で税金を区分するという方式の方が、もはや時代に即していないと言うべきだろう。近い将来には新たなネーミングのもとで、紛らわしさや混乱も解消されていくに違いない。


By JOEL STOCKSDALE
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

■関連記事