ダッジ、ジープ、ラム、そしてフィアットも! 中国の自動車メーカーに買収されるのは時間の問題か?

数年前から、フィアット・クライスラー(FCA)のセルジオ・マルキオンネCEOが、自分が舵を取っている会社を手放したがっていることは周知の事実となっている。当初、マルキオンネCEOはGMのメアリー・バーラCEOにメールを送ったが、ほどなく受け取った返信には合併の協議すらするつもりはないと門前払いされてしまった。次にマルキオンネ氏が白羽の矢を立てたのはフォルクスワーゲンだったが、こちらもすぐに断られてしまった。フォードやトヨタにも興味を持たれなかった。世界規模の自動車メーカーはこれっぽっちもFCAのパートナーになる気はないようだ。

だがここへ来て、自動車メディア『Automotive News』が伝えたところによると、中国の自動車メーカー数社が興味を示しているが、今度はFCAの方が即答を避けているという。少なくとも今は、ということだろう。


今月14日に掲載された記事によると、中国の大手自動車メーカーがFCAに対し、市場価値に少し上乗せしたオファーを出したが、FCAはこれを拒否。買収価格がお気に召さなかったらしい。中国側のメーカーがどこだったのかは明らかにされていないが、『Automotive News』は1社だけではないと伝えている。FCAは最近、中国の長城汽車に社員を送り込んでおり、また中国側の代表が米国ミシガン州オーバーン・ヒルズにあるFCA本社に居るところを目撃されている。

中国政府は自国の自動車メーカーに多額の投資を行っており、各メーカーには米国を含む世界への発展を求めてプレッシャーをかけている。この流れでは、中国メーカーが米国で自動車を販売するのは時間の問題で、仮定の段階はすでに終わっている。豊富な製品ラインアップを持ち、巨大なディーラー・ネットワークを持つ一流自動車メーカーを買収すれば、中国メーカーには米国進出の足掛かりとしてはこれ以上のものはない。確かに吉利汽車はボルボを傘下に持つが、この高級車メーカーではFCAの大衆向けブランドほどの市場浸透力を持ち合わせていないのだ。

『Automotive News』がある関係者から得たという情報によると、今回の買収では、ダッジジープ、ラムという米国の大衆に大いに親しまれているブランドをはじめ、クライスラーとフィアットもその対象に入っているという。だが、アルファ ロメオとマセラティは別で、これら2つのイタリアン・ブランドはフェラーリのように分離・独立させることをマルキオンネCEOは考えているらしい。

ビジネスの観点から見る限り、このパートナーシップは米国進出を目論む中国側メーカーとFCAの両社共に最適なシナリオだと見られている。特にFCAには関心を持つ企業が他にありそうもないからだ。ただ、同社がこの買収劇をどのように世間に発表するのかは気になるところだ。ダッジジープ、そしてラムが中国企業の傘下に入るのを好ましく思わない人もいるのではないだろうか。しかし、FCAが中国側のオファーに首を縦に振らなかったのは、中国企業に買収されるのが嫌だったわけではなく、その買収額が不服だったのだ。


By Reese Counts
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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