【試乗記】「ステルヴィオ」は紛れもなく本物のアルファ ロメオだ!
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アルファ ロメオといえば、イタリアの美しいデザインと歴史的に信頼性の欠如を併せ持つことで有名なスポーツカー・ブランドだ。今やそのアルファ ロメオがクロスオーバーを製造している。「ステルヴィオ」という名前は、世界最高峰のドライビング・ロードと言われる「ステルヴィオ・パス・ロード」に由来しており、このクルマが世界で最も純粋にドライバーに焦点を合わせたSUVであることを主張するものだ。

その目標を達成するために、ステルヴィオは50:50の完璧な前後重量配分、12.0対1のクイックなステアリング・ギア比、そして可能な限りエンジンのパワーを後輪に伝えるように設定された4輪駆動システムを備える。これらによって、曲がりくねった道を走らせると実に楽しいSUVが出来上がった。ステルヴィオとはつまり、サスペンションの最低地上高を路面から6cmほど引き上げたアルファ ロメオ「ジュリア」と考えればよい。もちろん、車高が高い分、このクロスオーバーがジュリアほどシャープではないということを意味するわけだが、だからといって鈍重というわけでは全くない。ステルヴィオはその走りも精神も、標準装備のカーボンファイバー製ドライブシャフトに至るまで、紛れもなく本物のアルファ ロメオだ。

ステルヴィオは、2,820mmのホイールベースや、フロントがダブルウィッシュボーン式、リアは「アルファ リンク」式と呼ばれるサスペンションも、ジュリアと共有している。とはいえ、走りも見た目もジュリアと同様に素晴らしいとは言えない。ベースとなったセダンより、このクロスオーバーは全長が50mmほど長く、全高が225mmも高いのだ。

2018 Alfa Romeo Stelvio Ti Lusso
2018 Alfa Romeo Stelvio Ti Lusso2018 Alfa Romeo Stelvio Ti Lusso

乗り込んでみると、米国人ドライバーが好む高い着座位置のせいで、乗用車の車内というよりも、シャシーの上に座っているようなトラックに近い感覚だ。しなやかな黒いカクテルドレスを纏っているようなジュリアに対し、ステルヴィオはアルファ ロメオ伝統の楯型のグリルと三つ葉を表すエアインテークが拡がっており、サイドは力強く彫り込まれている。

しかし、それでもステルヴィオは外側も内側も魅力的なクルマだ。どこから見てもイタリア車で、完璧な形状で見事にスタイリングされており、しかし機能に影響する部分には嫌々ながら従っているという感じだ。シート表皮はレザーが標準。運転席の前には2つの大きな計器台が備わり、中にタコメーターとスピードメーターがある。その間にはさらなる関連情報を表示する液晶ディスプレイが装備されている。ダッシュボード中央の大袈裟なワイドスクリーンには、マニエッティ・マレリ社による専用のインフォテインメント・システムが備わる。しかし、このスクリーンはユニークな形状のせいでライバルよりも狭く見えるし、特に横方向に細長いので、バックカメラの映像もかなり小さくなってしまうだろう。将来的には「Apple CarPlay」と「Android Auto」に対応する予定だが、最初に発売されるモデルには搭載されていない。

2018 Alfa Romeo Stelvio Ti Sport
2018 Alfa Romeo Stelvio Ti Lusso2018 Alfa Romeo Stelvio Ti Lusso

ステルヴィオのインテリアで、我々が最も気に入った点はステアリング・ホイールかもしれない。フラットボトム形状で、左右に細いスポークと、下に向かってアルミ風のスポークが伸びている。エンジンのスタート/ストップ・ボタンがどこにあるのかすぐには分からなかったが、ステアリング・ホイールにあるのを見付けた。レーシングカーみたいで趣がある。コラムに取り付けられたシフトパドルが適切に装備されれば、このレーシィなインテリアは完璧なものになるだろう。

ステルヴィオの車内は十分広い。身長180cm以上の人が運転席に座ってシートの位置を合わせても、同じくらいの身長の人がその後ろに快適に座ることができる。とはいえ、足元に広大なスペースがあるというわけではない。後部座席に大人3人が乗った場合、センタートンネルのせいで中央に座った人の足元の空間はほとんどなくなる。4人乗りと割り切るべきだろう。荷室容量は18.5立方フィート(約524L)となっており、このセグメントではやや小さめだ。しかし座席を折り畳んでフラットにすると、56.5立方フィート(約1,600L)のスペースが得られる。



フロントに搭載されたアルファ ロメオのオールアルミ製2.0リッター直列4気筒ターボ・エンジンは、最高出力280psと、クラストップの最大トルク40.8kgmを発生。0-100km/hを5.7秒で加速し、最高速度は230km/h、燃費は7.0L/100km(約14.28km/L)と発表されている。これで物足りないのであれば、最高出力510psを誇る「クアドリフォリオ」の導入を待てばよい。アルファ ロメオによれば、このステルヴィオの最強モデルはニュルブルクリンク北コースで最速の量産SUVになるという。

運転してみると、ステルヴィオはコーナーをかなりの速さで抜けることができる。素晴らしいステアリングのフィールと、素早くシフトするトランスミッションのお陰だ。ZF製8速オートマチック・トランスミッションは、0.1秒以下でシフトアップまたはダウンを完了する。ステアリングを通して振動は伝わってこないし、シャシーが引っ繰り返りそうな恐怖心も感じない。試乗車は19インチまたは20インチのホイールが装着されていたが、乗り心地は固めだけれど快適だ。「ダイナミック」モードに切り替えるとステアリングやパワートレインの反応が鋭くなる。試乗している間、我々はほとんどこのモードに入れっぱなしだった。

車両重量1,830kgを超えるステルヴィオのスピードを落とすブレーキは、前が13インチ・ローター+4ピストンのブレンボ製キャリパー、後は12.5インチ・ローター+シングル・キャリパー。ブレーキ・ペダルは速度の調節が容易で(我々の後に試乗したグループはフィールの欠如を訴えていたが)、制動力も非常に強力だった。アルファ ロメオによれば、ステルヴィオは3,000ポンド(約1,860kg)の牽引が可能だという。

下の動画では、トリムやオプションの異なる2台のステルヴィオをご覧いただける。なお、映像の中でナレーターが「300馬力以上のパワー」と言っているのは間違いで、正しくは「300ポンド以上のトルク」である。




アルファ ロメオは、顧客がステルヴィオをオフロードで運転することは想定していないので、そういった地形に対応する特別なシステムは装備していない。かえって好都合だ。これは明らかにオンロード向けの実用的なクルマであり、見せ掛けだけの人工的なオフロード走破性を訴えるよりも、真摯な職人魂を受け入れたい。リアにフェイクのアルミ風スキッドプレートが装着されていることは理解できないが。

我々が運転したステルヴィオのうちの1台は、3速または4速でスロットルを一定に保ち穏やかな速度で走行していた際、軽度のしかし顕著なサージングが時折エンジンから発生したことも書き記しておこう。
我々が試乗した数台のクルマは量産前の車両だったのだが、他のステルヴィオでは発生することはなかった。顧客が道路を走行するまでにこうした問題は解決されることを期待するが、何と言ってもイタリアのメーカーだ。どうなるかは誰にも分からない。



ステルヴィオに付けられた価格は全て納得いくものだ。4万2,990ドル(約470万円)のベース・グレードでも、4輪駆動、レザー・インテリア、バックアップカメラ、キーレス・エントリーが全て標準装備。4万4,790ドル(約490万円)の「スポーツ」モデルにステップアップすれば、パドルシフトとダークな塗装が施された5ホール・デザインの19インチ・ホイールも装備される。そして5万3,440ドル(約585万円)を出して「Ti スポーツ」モデルを選べば、デュアルパネル・サンルーフ、ナビゲーション、ハーマンカードン製オーディオ、そして全てのアクティブおよびパッシブ安全機能といった好ましい装備が満載となる。競争力のある値付けと言えるだろう。

我々は、土砂降りの中と穏やかな天候の下で試乗を行ったが、標準の4輪駆動システムが、最良のトラクションを求めて前後にそして左右に駆動力を配分するのを感じることができた。最初から最後まで、ステルヴィオは正しく路面を捉え続けた。ルーフの高さから想像していたよりも、ハンドリングははるかに信頼できた。しかし、このセグメントでドライビング・ダイナミクスの現チャンピオンであるポルシェマカン」やジャガーF-PACE」よりもステルヴィオの方が優れているとは断定できない。だが、それらのスタイルとパフォーマンスを兼ね備えた上級モデルに、ステルヴィオが競合できることは確かである。


エンジン:2.0リッター直列4気筒ターボ
搭載位置:フロント縦置き
最高出力:280ps
最大トルク:40.8kgm
トランスミッション:8速AT
0-100km/h加速:5.7秒
最高速度:230km/h
駆動方式:4輪駆動
車両重量:4,044ポンド(約1,834kg)
乗車定員:2+3名
荷室容量:1,600L(最大)
燃費:7.0L/100km(約14.28km/L)
価格:4万2,990ドル(約470万円)から
試乗車価格:5万3,440ドル(約585万円)


By Jeremy Korzeniewski
翻訳:日本映像翻訳アカデミー/Autoblog Japan Staff

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