テスラ「モデル3」をベース価格で買う人は、ほとんどいないと思われる理由
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テスラは、新型電気自動車「モデル3」の3万5,000ドル(約397万円)からという価格を大袈裟に宣伝し、より高価な「モデルS」や「モデルX」が経済的に購入できない全く新しい購買層にとって魅力的なクルマであることをアピールしている。モデル3がテスラの販売する新車の中で最も安価なことは紛れもない事実だが、3万5,000ドルで買われるモデル3は、実際的に見れば限りなく無に等しくなるであろう理由をはっきりさせておこう。

テスラ「モデル3」をベース価格ではおそらく購入したくない理由

まず、ボディ・カラーにブラック以外の色(メタリックシルバー、ディープブルー、ミッドナイトシルバー、パールホワイト、レッド)を選択すると、価格に1,000ドル(約11万円)が上乗せされる。さらに「プレミアム・アップグレード・パッケージ」を選ぶなら、5,000ドル(約55万円)が必要だ。公正を期してお伝えしておくと、ヒーター付き12ウェイ電動シート、オープンポアのウッドトリム、サブウーハー付きサラウンド対応プレミアム・オーディオ、色付きガラスルーフ、自動減光式電動折り畳みヒーター付きサイドミラー、LEDフォグランプ、スマートフォン2台を接続できるセンター・コンソールの全てが、5,000ドルで追加できるというのは非常に魅力的だ。だからこそ、このオプションを付けないモデル3が多かったら驚いてしまう。つまり、ブラック以外のボディ・カラーを選んだモデル3は、ほとんどが4万1,000ドル(約454万円)ということになる。



もう1つ、テスラでよく宣伝されている特徴は「オートパイロット」だ。緊急ブレーキや衝突回避といった一部の運転支援機能は、全てのモデル3に標準で搭載されている。しかし、モデル3が自動的に交通の流れに乗りつつ車線を逸脱しないように走行したり、高速道路を降りたり、駐車したりできるようにしたければ、5,000ドルを支払わなければならない。こうした機能を誰もが欲しがるわけではないとしても、追加する場合、この仮定上のモデル3の価格は4万6,000ドル(約509万円)となる。

将来的には、テスラはモデル3が完全自動運転も可能になると約束しているが、その機能がいつ有効化されるのかについては、現在のところ明言されていない。それは地域やそこの法規制によって異なるという。だが、将来的にこの機能を使うための装備を搭載したモデル3を手に入れておきたければ、オートパイロットの5,000ドルに加えてさらに3,000ドルが必要だ。



なお、以上の話は航続距離220マイル(約354km)、0-60mph(約96.6km/h)加速5.6秒、最高速度130mph(約209km/h)という標準仕様の場合である。さらに大容量のバッテリーを装備するモデル3も用意されており、こちらは航続距離310マイル(約500km)、0-60mph加速5.1秒、最高速度140mph(約225km/h)に性能が引き上げられる(急速充電にも対応する)が、価格は4万4,000ドル(487万円)からとなる。

このバッテリーがアップグレードされたモデル3は現在すでに生産中だが、3万5,000ドルの価格が付けられた標準仕様のモデル3は、2017年11月にならないと生産が始まらない。つまり、納車がそれだけ後回しになるわけだ。



前述したインテリアのアップグレードとオートパイロット・システムのオプションは、全て同じものがバッテリー・アップグレード・モデルでも選択できる。4万4,000ドルの価格にこれらを足すと、総額は5万8,000ドル(約642万円)にまで上昇する。

実車に試乗してみるまで、モデル3の価格と価値について意見を述べる立場にはない。だが、米国で販売されているクルマの場合、主に宣伝されるのはベース価格であるものの、実際に欲しいと思うオプションを付けていくと、価格が急上昇してしまうのはよくあることだ。現実にモデル3を3万5,000ドルで購入する人は、ほんの少数に留まるだろう。


By JEREMY KORZENIEWSKI
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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