BMW5 Touring
 いかにも欧州プレミアムモデルらしい佇まいに安心感をおぼえる。BMW5シリーズに、待望の「ツーリング」が加わった。週末ドライブだ避暑地キャンプだと、とかく行動的な民族である欧州では、足が速く長いワゴンの需要は高い。BMWは5シリーズツーリングのモデルチェンジを急いでいたはずである。


 かくして完成したツーリングは、破綻のない安定したフォルムを構築しながらも、BMWらしいスポーティフィールを発散させている。先代に比較して、全長は35mmも長く、全高と全幅は10mmプラス。ゆったりとサイズアップしたことで、体躯は堂々としている。とはいうものの、リアハッチは強く傾斜させるなどして、凡庸でも鈍重でもない印象を醸し出していた。

BMW5 Touring
 日本に導入されるエンジンラインナップは4種類。2リッターのガソリンが二種類あり184ps仕様と252ps仕様だ。最高パワーは340psを発揮する3リッター、そして2リッターディーゼルというラインナップなのである。全てがツインターボ仕様だというのも、時代を象徴しているように思えた。


 試乗車は最大パワーの540i xDriveツーリングである。結論から言えば、おそらく5シリーズツーリングには最もふさわしいパワーユニットなのだろうと思えた。というのも、ダウンサイジングターボの特性上、動き出しの最初の一歩に力不足を感じるのが特徴である。いくらツインターボで武装しているとはいえ、発進でモタモタすることも少なくない。という意味で、排気量の余裕はありがたいのだ。
BMW5 Touring
 そもそも540iツーリングは、570lという広大な荷室を備えている。このスペースに荷物を積み込んでロングドライブに興じるには、やはり動力性能の余裕は欠かせないと思った。


 小さな荷物の出し入れはリアガラスだけを開放させれば済むし、長尺物や大荷物はリアゲートを開け放てばいい。使い勝手は無限大である。


 それにしても、ターボ過給が加わった時のトルク感は力強い。しかも、獰猛な感覚はないのも特徴だ。直列6気筒エンジンは常に滑らかで、頼もしく速度を乗せていくのである。


 セルフレベリング(荷物の質量を感知して自動で車高調整する)付きのエアサスもしっとりとしていて好感触だ。3シリーズツーリングは、がさつな印象が残るものの、5シリーズになると趣は一変する。一気に高級な味付けになる。荷物満載で旅に出かけるための足としてだけでなく、日頃の使用にも満足できるフィーリングなのである。


 組み込まれるアクティプステアリングは、低速で逆位相に転位し、速度が高まると同位相になる。その制御も自然である。それでいて確実にコーナリング特性を整えてくれている。交差点を急ぐような速度で旋回した範囲でいえば、ステアリングの応答性は頼もしく確保されていながら、軌跡が不自然に乱れることがなかった。4WDのトルク配分も前後で可変するから、ワインディングでも軽快なフットワークを披露するのだろうし、荒地でも安定感は高いのだろうと想像した。

BMW 5 SERIES Touring BMW 5 SERIES Touring
 特筆すべきは、部分自動運転を可能にする機能が充実していることだ。レーンキープや衝突回避、アクティブクルーズコントロールなどはもちろん装備している。運転支援に関して先行している欧州モデルの中にあっても、特に最新の仕様を盛り込んでいる。


 さらに感心するのは、ただ安全を確保するだけではなく、優しい制御にまで踏み込んでいることだ。例えばクルーズコントロールで先行車を追尾中でも、速度コントロールが自然なのだ。認識が遅れ、強いブレーキで減速することも少ないし、急加速で後追いすることもない。ただ安全なだけでなく、次の一歩を踏み込んでいるのだと思った。


 いやはやそれにしても、新型BMW5シリーズツーリングのプレミアムフィールには感心するばかりだ。上質な走り味は感動的すらある。それを象徴する装備を一つ紹介しよう。


 荷室の床面にはさらに小さなハッチがあり、小物が収納できるように細工されている。
このハッチを支える支柱すらダンパーが組み込まれているのだ。そこまでやるのか・・・。感心した。
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