【試乗記】最新のディーゼルエンジン搭載のSAV「BMW X1 xDrive 18d」:桂伸一
 姿カタチからは想像できない個性をBMWは持っている。
「いまさら言われなくても判っているよ!!」 ‥‥ごもっともだが敢えて。


 もっともコンパクトなSUVのX1もその一台で、外観は1シリーズと2シリーズを+したサイズに全高を上げたクロスオーバー的なスタイリッシュなデザイン。そこにBMW流の走行性能が加わるとまさにSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)が誕生。


 一見はライトクロカンと呼ばれる種族だ。道なき道を行く!?‥と言うほどハードではなく、市街地〜高速から凹凸のあるダート程度を難なく走破する能力を有す。岩場はシャーシの底を擦るのでお薦めしないが、水深のある"川渡り性能"は、ホイールの1/3程度までの水深ならばOKと、それなりにこなすが、実際自分のクルマで入水しようと思はないだろうし、事実クルマの乗り入れを禁止する場所も多いので念のため。
とはいえそういう自在性を持つところにBMWのSAVの「想像できない特性」がある。

BMW X1 sDrive18i
 見てのとおり、ボディサイドに斜めに切れ上がるエッジのキャラクターラインがスポーツ感を演出。口元がキリリとした縦横比が大きいキドニーグリルはSAVモデルの証し。


 インテリアはBMWの法則で各操作系が配置されている。IパターンのシフトレバーやiDriveコントローラーなどは直感的に操作できる部分。慣れが必要な部分もあるが、短時間で解決。セダンの雰囲気を持ちながら、しかし天井や室内空間の広々感がSAVらしさ。


 ドライビング姿勢を整えると、セダンよりわずかに高く、本格的オフローダー系SAVに比べれば圧倒的に低い着座姿勢から、目線はやや下降ぎみで視界が広がり、高過ぎず低くない位置は安心感も高く、車輌感覚が掴みやすい。


 X1はガソリン車のX1 sDrive18i 1.5L3気筒ターボから、2L4気筒ターボのチューンの違いで20iと25iが先に(順不同)上陸し、続いてクリーンディーゼルのX1 xDrive 18d 2L4気筒ターボが登場。因みにsDriveはFWD=前輪駆動、xDriveはAWD=4輪駆動を意味する。

 今日の主役は、クリーンディーゼル、X1 xDrive 18dである。軽量なアルミブロックを持つ最新のディーゼルエンジンは、レスポンスに勝る可変ジオメトリーターボと直噴技術により、高効率と高出力とドライバビリティを高次元でまとめている。出力は150ps/4000rpmのパワーと、330Nm/1750~2750rpmの最大トルクを常用回転域で常に発生している点に注目!! これにトランスミッションは8速ATを合体。極めて滑らかに、手動操作ではダイレクトなシフトチェンジが叶う。


 静粛性の高さでは1〜2位を争うBMWのクリーンディーゼルのエンジン音。ディーゼルで何が気になるかと言えば音である。高圧の燃料噴射を行うための燃料ポンプの機械音、ディーゼル特有の燃焼音とも言われる特にアイドリングから2~3000rpm付近のエンジン音だが、18d、確かに外で聞くアイドリング音はガラガラと騒がしい。しかしドアを閉めると同時に音もシャットアウト!! カラカラと遠くから聞こえる軽さに変わる。 


 さすがに5シリーズのような静粛性、と例えられる状況とは違う。それは縦置き(5)と横置き(X1)エンジン搭載方法の違いなのだろうが、正確に確かめてはいないが、動き出して回転が上がるとダ音(叩く音)は滑らかに変化して耳に届かなくなる。


 アクセルに足を載せて軽く踏む、その程度でも低速トルクに勝る18dはダッシュしようとする。なので飛び出しを抑えた自然なフィールを得るには、ECOモードで十分だと思い、それを設定。それでも十分過ぎるほど速い。基本、その状況からアクセルの踏み加減を調整するほうがリニアリティは高い。


 軽快な加速で車速がのり、アクセルを離すとコースティング機能が働きエンジンとトランスミッションが切り離され、アイドリングのままクルマは空走していく。
 そうしたコツ、特性を知る事で燃費は公称19.6km/Lまでデジタル表示が伸びる事、本当にエンジンを無駄に回さず、駆動力を得られる事の重要さに驚く。


 加速するとxDriveがFRかFFなのか4WDなのか、駆動力がどこから生み出されているのか、の判断が難しい。答えは基本FF=FWDで前輪が駆動してクルマを引っ張り加速するのだが、至って自然。そこにBMW流のクイックなステアリング特性はあるが、操作=転舵する速さ、舵角の大きさで姿勢を造り上げることは自由にできる。


 ここがFFを造らせてもBMWの味はしっかり継承されていると言う事実。高速直進性も難なくビシッとレールに乗るかのようにぶれなく進む。


 コーナーでは背の高さも関係なく、ロールして行くその変化の速度が抑えられて不安感よりも安心感が先にくる。背の高いセダン感覚と言えばいいだろう、ともかくボディ形態に関わらず、BMWは同じ操縦感覚や安定感に持ち込む事が上手い!! と改めて実感。

BMW X1 sDrive18i
 いち個人のパワーユニットの好みの話しからで申し訳ない。家族が乗るためのクルマ選びは、まずカタチ、操縦安定性、安全装備と、走って楽しいパワーユニットでありしかも燃費に優れている事! コレが大前提である。


 ハイブリッドはEV走行が叶うので、それはそれであらゆる意味で高得点であるが、プリウス3世代を乗り継いだが、同じシステムにはいささか飽きた。もちろんモーター主体のハイブリット車に魅力を感じる一方で、現在の興味はD=ディーゼルに向いている。Dならでは、超強力な底から沸き上がるようなターボトルクが、アクセル操作に対して、それを上回る、ややオーバーシュートぎみに盛り上がる加速GはDの持ち味であり、絶対的な回転域の低さ、燃費に優れ、燃料の低コストなど、魅力溢れる。


 そんななかでボディサイズという重要な案件も含めて注目の一台が、BMW X1 xDrive18d だった。
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