スパゲッティ柄をラッピングしたBMW「i3」が、約1,300万円で落札される
馬鹿げた物に馬鹿げた金額を払う人というのはいるものだ。その一例がこのBMW「i3」である。最も容量が小さなバッテリーを積んだベース・モデルだが、1つだけ他のi3とは違う特別な点がある。ご覧の通り、スパゲッティ柄のラッピングが施されているのだ。これをあるスイス人のコレクターが、オークションで10万ユーロ(約1,300万円)という大金を投じて落札した。

BMWのディーラーに行けば、新車が3万5,000ユーロ(約455万円)で買えるi3に、この奇っ怪なラッピングを施しただけで、6万5,000ユーロも高くなるとは思えないが、このオークションに集まったお金は、レオナルド・ディカプリオ・ファンデーションを通して環境保護のための寄付されるという。落札者はひょっとしたら、このクルマが欲しかったわけではなく、単に10万ユーロを寄付したかっただけなのかもしれない。


さらにこのi3の背景には、クルマと同じくらいおかしな話がある。覚えている方も多いと思うがスパゲッティ柄のi3を我々が初めて見たのは、ちょうど1年ほど前のことだった。デザインしたのはマウリツィオ・カテラン氏。彼はアーティストだが、既にリタイアしているとのことなので、幸いにもこれと同じようなクルマがこれ以上作られることはないはずだ。

当時、カテラン氏自身は、このi3が「アートではない」と主張していた。アーティストを辞めたアーティスト自身が、アートではないと言っているのだから、このi3はBMWの伝統ある「アートカー」とは異なり、アートではないはずだ。しかしBMWは、このi3に関する最新のプレスリリースの中でアートとして扱っているのだ。そこにはこう書かれている。

「TOILETPAPERによる"スパゲティ・カー"は、完全に機能する電気自動車であり、このユニークなアート作品の共同クリエイターであるTOILETPAPER(マウリツィオ・カテラン氏とピエルパオロ・フェラーリ氏)がサインした実物証明書付きです」。

ややこしい話である。

これがアートなのかそうでないのかという議論はさておき、もう1つ、腑に落ちない話がある。BMWは昨年、このi3が展示されるアルル国際写真祭が終了したら、このクルマを破棄する予定だと述べていた。しかし、結局は今まで破棄されず、作者であるカテラン氏の希望だそうだが、オークションに出品され、環境意識が高い(あるいは酔狂な)スイスのコレクターの手に渡ることになったのだ。めでたしめでたし!?


By JOEL STOCKSDALE
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

■関連記事