ハーレーダビッドソンの"ナナハン"(750cc)『STREETROD(ストリートロッド)』のメディア向けグローバル試乗会が、シンガポールにて開催された。


シンガポールといえば、東京23区と同じくらいの大きさの都市国家で、道路は絶えず渋滞しているというイメージ。そんなところで大型バイクを気持ちよく走らせることができるのだろうか......!? 走り出すまでは、そんな不安を抱えていたが、それは完全なる誤解であった。


設定された試乗コースは、市街地を抜けるといきなり片側4車線のハイウェイをスッ飛ばし、30分も走ると森林の中を駆け抜けるワインディングが待ち構えていた。 道路の舗装は見事に綺麗だし、走っているクルマも高級車ばかり。さすがは経済発展著しいアジアを牽引する大都市。快走路が吟味されているのだろうが、日中と暗いうちに出掛けたトータル2回のテストライドは、いずれも気持ちのいいショートツーリングであった。


さて、2017年のニューモデルとして最後発に登場した『STREETROD(ストリートロッド)』だが、クルーザーイメージのハーレーダビッドソンとは見るからに違う。


前後タイヤを現代的なハンドリングをもたらす17インチとし、フロントフォークを倒立式に、リアサスペンションを別体式リザーバータンクを持つピギーバックショックにしている。


全身をブラックアウトしたダークカスタムとし、都会的なスタイル。ヘッドライトには専用のスピードスクリーンがセットされ、シートカウルやLED式のテールライトなども新作。


前傾気味のライディングポジションとなるワイドバーやバーエンドミラーも、スポーティかつスタイリッシュだ。


エンジンは伝統のVツインを踏襲するものの、次世代を見据えた水冷式SOHC4バルブ。シリンダー挟角も昔ながらの45度を改め60度としていて、『Revolution X』と名付けられたこのパワーユニットは、2015年に日本上陸を果たした『STREET750(ストリート750)』から採用されているもの。

HARLEY-DAVIDSON STREETROD
ボア85mm×ストローク66mm、総排気量749ccをそのままに、吸気ポートやカムプロフィールを見直し、スロットルボディのボア径を38mmから42mmに拡大。デュアルスロットルバルブを採用し、エアクリーナーボックスや2in1マフラーも刷新したことで、パワーを18%、最大トルクを8%向上している。


パワフルになったと強く実感できるのは多用する4000〜5000回転で、ミドルレンジのトルクが太くなったことで俊敏な走りを実現している。

取り回しの良い車体も相まって、混雑するストリートでのストップ&ゴーの繰り返しも苦にならない。追い越し時の加速が鋭く、クルマの間を縫ってスイスイ前に出られる身軽さは、まさにアーバンスポーツといった感覚だ。

HARLEY-DAVIDSON STREETROD
街乗りで感じたシャープなハンドリングは、ワインディングでは水を得た魚のように一段と冴え渡る。エンジンだけでなくメインフレームも『STREET750(ストリート750)』を踏襲するが、フロントフォークの取り付け角を32度から27度にまで立て、1520mmだったホイールベースを10mm短縮したことでクイックなステアリングフィールを獲得。


リアフレームも新作で、ギュッと詰まったスタイルと新しくなったシャーシジオメトリが、このアグレシッブな走りを生み出している。


前後17インチのアルミキャストホイールにセットされるのは、専用開発された新作ラジアルタイヤ『ミシュラン・スコーチャー21』で、このグリップ力をいかんなく発揮できるようステップは若干下げられ、内側にマウントすることでバンク角を稼いだ。


狙ったラインをしっかりトレースすることができ、ステップ裏のバンクセンサーが路面を擦ってもハンドリングは安定感を失わない。サスペンションはストロークの奥でしっかり踏ん張るが、低い速度域からよく動いて神経質なところがない。

HARLEY-DAVIDSON STREETROD
タイヤはピタッと路面を捉え、スポーツライディングに夢中となって時間を忘れてしまう。 決してスパルタンなモデルではなく、ビッグバイクビギナーでも臆せず乗れるフレンドリーさが好印象。前後サスペンションの路面追従性が良く、どこからでもアクセルを開けていける扱いやすさ、トラクションに優れるエンジンと足まわりを持っている。


リアショックはノーマルでも充分だが、車体と足まわりの素性が良いものだから、さらにもっと高性能なリプレイスサスを入れたらさぞかし楽しいだろうと、モディファイへの期待を膨らませてしまう。 こうした走りへの追求をしたくなる衝動は、ネイキッドスポーツという土俵にハーレーダビッドソンが上がってきたことを思い知らされる。

HARLEY-DAVIDSON STREETROD
国産スポーツバイクからの乗り換えや、最初の大型バイクにもうってつけだろう。そしてカスタムも楽しめそうなのは言うまでもない。


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■ハーレダビッドソンジャパン 公式サイト
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