BMWのV型12気筒エンジンが積まれた超高級セダン、E38型「750iL」を廃車置場で発見
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1994年から2001年に販売されていたBMWのE38型「7シリーズ」は、実に大きくて、実に速くて、非常に高価なクルマだった。最上級グレードの「750iL」は当時の販売価格で9万360ドル。現在の貨幣価値に換算すれば、14万ドル(約1,580万円)近い(日本における当時の価格は1,320万円ほど)。しかも、7シリーズというのは(アウディ「A8」メルセデス・ベンツ「Sクラス」も同様だが)修理費用が高くつく傾向にある。新車から15年ほど経ち、オーナーも4人目あたりになると、クルマに何か問題が起きても修理に4,000ドル(約45万円)を支払う価値が見出せなくなってくる。それだけの金額があれば、ちゃんと走る中古のトヨタ「カローラ」あたりが十分に買えるからだ。それで結局は、ボンネットの下にいくら立派な多気筒エンジンが積まれていようと、廃車置場行きとなるわけだ。


庶民的なセルフサービス式の廃車置場でよく目にするE38型は、大抵V8エンジンを積むモデルだが、しかし5.4リッターV12エンジンが搭載されたモデルを見掛けることも少なくない。326馬力を発生するV12エンジンが積まれていたなんて、20年前の基準で考えれば物凄いことなのだ。


この1996年型750iLの最後のオーナーは、売ろうと思ったけれど買い手が見つからなかったらしい。路上駐車違反の罰金を支払わずにいたためにレッカー移動されたのか、それとも修理費の見積もりがあまりにも高額だったので、カリフォルニアにある廃車置場のチェーン店が支払うという数百ドル(多く見積もっても)と引き換えに手放すことにしたのだろうか。棄てられたクルマは事情を何も語らない。


エンジンを掛けなければ、デジタル・メーターの走行距離を確認することはできない。しかし、車内に残された多数の消臭グッズを見れば、このクルマが好ましくない臭いを発散させていたことは分かるし、となると走行距離もかなり多いだろうと推測できる。


もし、自分で修理しようという気概があるなら、1990年代から2000年代に売られていたこの手のドイツ車は、安い金額で大きな高級感を得ることができる。中古パーツを見付けることも難しくない。この個体は既に様々な部品が剥ぎ取られているが、それでもまだ多くのパーツが残されている。

E38型の全盛期をしのび、当時のショールームで常に流れていたプロモーション映像をご覧いただきたい。



By Murilee Martin
翻訳:日本映像翻訳アカデミー