【短評】Hondataがチューンしたホンダ「シビック スポーツ」に試乗して、「シビック Si」と比較
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米国でホンダ車のチューニングを専門に手掛けるHondataというアフターマーケット・メーカーが、「シビック」標準グレードのパワーを「シビック Si」以上に引き上げたというニュースについてお伝えしたのはつい先日のこと。基本的なチューニングの内容をざっと説明すると、標準装備のターボチャージャーの過給圧を上げ、これに合わせて燃料噴射と点火タイミングを調整することなどが挙げられるが、最高出力約225hp、最大トルク約35.1kgmにまでアップさせた成果は、ノーマルの吸排気システムのままで達成された。このチューンされたシビックに試乗できるというので、我々は南カリフォルニアでシビック Siに乗った後、トーランス市にあるHondata社のオフィスへと足を伸ばした。

テスト車両のベースとなったのは、ハッチバックの標準グレード「シビック スポーツ」のマニュアル・トランスミッション仕様。ノーマルのままでもこのクルマは本当にドライビングが楽しい小型車だ。軽量な車体にしっかりしたシフトと俊敏なハンドリングが備わっている。だからHindataのチューニングは、シビックの本来的な美点は全てそのままで、パワーを少しだけ増加させたクルマということになる。

205馬力のシビック Siに乗ったすぐ後で、Hondataのシビックに試乗することになったわけだが、スロットルを踏み込むと明らかにこちらの方が力強さを感じた。コーナリング中にスロットルを開けると、少しだけヒヤリとさせられる。交差点を曲がるときに一度か二度、内側の前輪が空転した。それでも、この増加したパワーには興奮させられた。



Hondataが開発した「FlashPro」と呼ばれるデバイスを使えば、接続したスマートフォンで過給圧やその他の情報をリアルタイムで見ることができる。さらに自分で設定を変更し、さらなるブーストアップも、あるいは手に余るパワーを抑えることも可能になる。このデバイスの価格は695ドル(約7万9,000円)だが、ショップでECUを書き換えるだけなら僅か350ドル(4万円)で行える。カリフォルニア大気資源委員会(CARB)の排ガス試験に対応したバージョンも用意されているので、カリフォルニアのシビック・オーナーも安心だろう。

しかし、もしかしたら向上したパワーよりも興奮させられたのは、同社のチューニングによって備わった「ノーリフト・シフト」機能の方かもしれない。シフトアップする際にクラッチを切った時、アクセル・ペダルを戻さなくてもよくなるのだ。アクセル・ペダルを踏んだままクラッチを切ると、コンピューターが自動的にエンジン回転数を低く(標準設定では4,700rpm)抑えてくれるのである。これならブースト圧を落とさないようにスロットルを保ったまま、安全にシフトチェンジできる。シフトアップの際に加速が鈍ってしまうことがほとんどなくなる。奇妙な感覚だが、素晴らしい。標準設定のままで良好に作動するので、特に変更する必要は感じなかった。



それでは、シビック Siよりもシビック スポーツを購入してHondataのチューニングを施す方がお勧めなのかと訊かれると、必ずしもそうとは言えない。確かに低予算で大きなパワーが得られるパッケージではあるが、シビック Siはパワーだけでなく、強化されたサスペンションにリミテッド・スリップ・ディファレンシャル、それにアップグレードされたオーディオやムーンルーフ、シートヒーター、デュアルゾーン式エアコンなどの装備も追加されるからだ。全方位的に優れたクルマと言える。また、より大型のターボチャージャーが備わっているので、これをHondataがチューンすればさらに強大なパワーが引き出せる可能性もある。

しかし、予算が限られている場合や、シビック Siより快適な乗り心地、あるいはシビック Si並みのパワーでハッチバックが欲しい場合、Hondataチューンのシビック スポーツは良い選択となるだろう。


By Joel Stocksdale
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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