リチャード・ハモンドが事故を起こしたEVスーパーカー「リマック コンセプト_ワン」とは、こんなクルマだ!
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元『トップギア』、現在は『グランドツアー』という自動車番組で司会の1人を務めるリチャード・ハモンドが、電動スーパーカーの運転中に事故に遭ったというニュースは今朝お伝えした通り。その記事には「3億円」とか「220mph(約354km/h)で」丘から転げ落ちたとかあり、事故それ自体と同じくらい、このクルマに驚きを覚えた方もいらっしゃるのではないだろうか。



ハモンドが事故を起こしたスーパーカーは、クロアチアの少量生産自動車メーカー、Rimac Automobili(リマック・アウトモビリ)社が開発した「Concept_One(コンセプト_ワン)」というモデル。2011年のフランクフルト・モーターショーではその名前の通り、未来のスーパーカー像を提案するコンセプトカーとして発表されたが、2013年から2014年の間に8台が限定生産され、その全てが完売している。2016年のジュネーブ・モーターショーではさらに改良を受け、量産モデルとして改めて出展された。



ハモンドを生死の境に導いた350km/hオーバーという速度は、4つの車輪にそれぞれ搭載する4基の電気モーターによって実現された。その合計最高出力は1,088ps、最大トルク163.2kgm...だったのだが、今年発表された2018年型モデルでは1,224psに引き上げられた。フロントに搭載されたモーターはシングル・ギア、リアのモーターはデュアルクラッチ式2速ギアボックスを介し、状況に応じて4基のモーターが独立して各輪を駆動する。四輪独立懸架ならぬ四輪独立駆動だ。各種センサーの情報を基に車載コンピュータが1秒間に100回の頻度で各輪の最適な駆動力を計算し、それぞれ個別にモーターを制御するという。これをリマックでは「オール・ホイール・トルク・ベクタリング」と呼んでいる。しかもドライバーは、運転技術や路面状況に応じて、安定性重視からドリフト可能まで、この制御をいくつかのモードから選択できる。リマックによれば0-100km/hを2.5秒で加速し、6秒で200km/h、14秒後には300km/hを超え、最高速度は355km/hに達するという。

液冷リチウムイオン(リチウムニッケルマンガンコバルト)バッテリー・パックは、センターコンソール内とリアのバルクヘッド部に搭載。容量は90kWで、最大航続距離は350kmと発表されている。

ちなみに、このリマック社が開発した電動パワートレインは、あのモンスター田嶋こと田嶋伸博選手のパイクスピーク・ヒルクライム用マシンにも搭載されている。




車体はクロモリ製のスペースフレームに、アルミやカーボンで製作された衝撃吸収構造を組み合わせ、カーボンファイバー製のボディを載せたもの。クロアチアの工場で1台ずつ手作りされる。全長4,146mm × 全幅1,854mm × 全高1,070mmと、1,000馬力オーバーの性能を考えたらコンパクトだ。ただし、バッテリーとモーターの組み合わせによるパワーユニットは決して軽くないため、乾燥重量は1,900kgとなっている。それでもパワー/ウエイト・レシオは1.55kg/psに過ぎない。サスペンションは前後ともプッシュロッド式ダブルウィッシュボーン。鍛造アルミ製モノブロックのホイールは20インチ。カーボセラミック製ディスクを備えるブレーキは最大400kWの回生が可能だ。



ところで英国では「200万ポンド(約2.9億円)」と報道された価格だが、前述した8台の先行生産車が2012年にモナコで注文を受け付けていた際には、98万ドル(現在のレートで約1.1億円)と掲げられた値段が確認されている。いつの間にかずいぶん値上がりしてしまったらしい。