今秋発売予定の新作レーシング・ゲーム『グランツーリスモSPORT』をE3でプレイ!
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「『グランツーリスモSPORT』と他のレーシング・ゲームとの違いは何かとよく聞かれますが」ポリフォニー・デジタル代表取締役兼プレジデントの山内一典氏は、米国ロサンゼルスのコンベンション・センターで13日(火)~15日(木)に開催された世界最大のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)で語った。「それはクオリティです」。



2013年11月のプレイステーション4発売から4年が過ぎ、パリ・ゲームウィーク 2015で公式発表されてから約2年を経て、ついに『グランツーリスモSPORT』が今年の秋に発売される。開発元のポリフォニー・デジタルは、このゲームに長い期間を費やしてきた。

ソニーの現行世代システムに対応する『グランツーリスモ』シリーズが今回ようやく発売されるのに対し、ほぼ同時期に発売される『Forza Motorsport 7』は、XBOX ONE向けとして早くも3番目のタイトルとなる。両者の計画は対照的だ。

しかし、製品の仕上がりにとことん拘らなければポリフォニー・デジタルではない。米国版Autoblogの記者が昨年、初めてグランツーリスモSPORTを実際に操作したとき、このタイトルに向けた彼らの野心的な計画と、同時にまだかなりの作業が必要であることが明らかになった。だが最近、我々も非公開のベータ版のテストに参加させてもらった際には、彼らが昨年から成し遂げてきた進歩がよく理解できた。

「現在、我々は本当に開発の最終段階まで来ています。ゲームのクオリティは日々大きく向上しています」と山内氏は語る。



マーケティング部門がなんと言おうと退けられるほど、昨年のベータ版をテストした時から今年のE3でプレイしたバージョンまで、12ヶ月でこのゲームが驚異的な進歩を遂げたことは明らかだ。発売時には15のコースと27のレイアウトが用意されるという。その中から6〜7のロケーションを実際にプレイさせてもらう機会を得たが、その全てが1つずつ明確に異なる個性を、ダイナミズムとプレゼンスにおいて感じさせる。

『グランツーリスモ』シリーズは、常に不毛なほど視覚要素の美意識に拘る傾向があるが、新作のグランツーリスモSPORTもその伝統を覆そうとはしていない。このゲームがゴージャスであるということは否定の余地がない。ポリフォニー・デジタルのスタッフが、様々な時間帯や天候によるリアルな光の変化を再現することに費やした努力は、細部まで描かれたクルマのモデルリングが注意を引いてこそ、効果を発揮するのだ。

「自動車メーカーがクルマの設計と製造に用いるCADモデルを除けば、グランツーリスモSPORTのモデリングは世界で最も細部まで精密に再現していると言えるでしょう」と山内氏は言う。



しかし、印象的なグラフィックだけでは、グランツーリスモSPORTが素晴らしいとは言えない。肝心なのはドライブ体験だろう。昨年、我々がプレイした限りでは、ポリフォニー・デジタルによる最新の物理シミュレーションは洗練されており、とてもリアルに感じられた。しかし、特にクルマ同士が接触した際の見た目とフィールについては依然として開発者に再考を促したい点がある。

何度も他のクルマと接触したり、コースを外れたりするようなドライバーは、「スポーツマンシップ・ポイント」が減点される。このようにスキルだけでなくマナーも評価されるため、次のレースで同じようにマナーの悪いプレイヤー同士で対戦を組まれたくないドライバーは、フェアなレースを心掛けるようになる。また、これによって単に他人の前を走ればいいというのではなく、忍耐と戦略が必要となり、レースがより本物のように感じられ、イベントが楽しくかつ熾烈なものになる。



グランツーリスモSPORTの「キャンペーンモード」には全部で145のイベントが用意されている一方、ポリフォニー・デジタルは「スポーツモード」でモータースポーツの全く新しい形態を生み出し、ゲームを繰り返し楽しめる質の高いものに引き上げるだろう。また、このモードでは国際自動車連盟(FIA)と共同で、FIA公式の2つのオンライン・チャンピオンシップが並行して開催される。母国を代表して戦う「ネーションズ・カップ」と、自分の好きな自動車メーカーを代表して戦う「マニュファクチャラー・ファン・カップ」だ。そして、両チャンピオンシップの優勝者は、現実のモータースポーツのチャンピオンと並んで、FIAのセレモニーにおいて表彰される(これは、『Forza』のeスポーツイベントの優勝者がル・マン24時間レースの公式授賞式で表彰されるのと同じだ)。

モータースポーツの世界と継続的に関わることでゲームが長く評価され、ポリフォニー・デジタルの意欲的な計画が実を結ぶことになるかどうかは、時間が経てば分かるだろう。グランツーリスモSPORTは今秋に発売される予定なので、あと数ヶ月待てばバーチャル・レースを楽しむことができる。その後は人々が長く待ち焦がれたこのゲームについて、様々な評価が飛び交うに違いない。



By Bradley Iger
翻訳:日本映像翻訳アカデミー