今回の韓国遠征は、BMWが所有する韓国ドライビングセンターの取材が目的だった。


 だが、思わぬサプライズが待ち受けていた。BMW M4 CS」のアンベールに立ち会うことができのである。「BMW M4 CS」は、M4クーペ・コンペティションパッケージと激辛M4 GTSの中間に位置するモデルだ。「CS」とはクラブスポーツの略だ。純粋なサーキット仕様とも思えるほどで、ロードカーとして十分なパフォーマンスが与えられている。とはいうものの・・・。


 ドライビングセンターの秘密の扉の奥に招き入れられ、アンベールとともに姿を現した「BMW M4 CS」は、強烈なオーラを発散していた。激辛仕様ではと言いながら、BMW流モディファイの形跡は随所に溢れており、その佇まいに惹き寄せられた。

BMW M4 CS
 搭載するエンジンは直列6気筒ターボであり、排気量は3リッターである。最高出力は460psを発揮。コンペティション・パッケージよりも10ps嵩上げされている。コンペてションパッケージそのものが標準のM4よりも19psもパワーアップしているのだから、強烈なダッシュを見舞うに違いない。最大トルクはなんと600Nmに達するというから驚きである。おそらく高回転も苦にしないのだろうが、その数値からはターボならではの怒涛のトルク特性を想像できる。

 ウォーターインジェクションシステムを組み込んでいる。ほとんどレースエンジンのような作り込みである。


 公表された数値によると、0-100km/hは3.9秒という韋駄天ぶりだ。最高速度は280km/hに達する。それもリミッターで制御しての数値だというから、潜在的には超高速ハイウエイツアラーと言えるだろう。


 スタンディングスタートで100km/hまで3.9秒で達するには、強烈なトルクが不可欠なのだが、加えて言うならば、軽いボディも求められる。そう、「BMW M4 CS」は軽量素材を多用することで、1580kgまでダイエットすることに成功しているのだ。その数値を聞いてようやく、強烈なパフォーマンスの理由に納得することができた。


「BMW M4 CS」に組み込まれる特別装備を簡単に紹介するとこうなる。


 タイヤはミシュランのパイロットスポーツ・カップ2。フロント265/35R19であり、リアが285/30R20という異径サイズである。BMWだからやはりランフラットではない。


 GTSと共通のカーボンボンネットはオプションで設定され、特徴的なダックテールのさらに上には、小さなカーボンウイングが装着される。ディフューザーは強力なダウンフォースを生みそうに見える。フロントスプリッターもルーフもカーボン素材。ボンネットを開けると覗くU字型のパフォーマンスロッドももちろんカーボン。軽量化は徹底しているのである。さらに言えば、ホイールだけで10kgも軽い。


 そう、基本構成はもちろん高性能である大径のブレーキローターには、巨大なセラミックキャリバーが噛み付いているし、それよりもむしろ、軽量化への執念ともいえる作り込みに驚かされたのである。


 ちなみにインテリアにはタイトなホールドを約束するパケットタイプのシートが組み込まれているし、室内からのドアノブすら省略され、紐のような簡易なものに置き換えられている。執念である。


 驚かされたのはオーガニック素材だというテールランプである。リアランプだけで150万円だというから、そのこだわりは半端ではない。


 もちろん性能アップのアイテムに抜かりはない。アダプティブMサスペンションは、街乗りからサーキットまでダイヤル一つで対応するシステムであり、それを標準で装備している。アクティブMディファレンシャル(電子制御多板クラッチLSD)や、スタピリティコントロールもバランスされていて、電子制御に頼ったままでも恐ろしく速いに違いないのだ。

BMW M4 CS
 そして「BMW M4 CS」は、ニュルブルクリンクを7分38秒で駆けぬけるという。GTSの10秒落ちではあるが、基本がロードカーであることを考えれば速い。素晴らしい記録だと思う。

価格は1598万円である。日本限定60台だ。



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