ポルシェが投機家や転売屋への対策を計画 「我々はヘッジファンドではない」
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現在はかなり多くの投機家が、クルマを投資の対象と見ている。希少な限定車や特別なモデルはすぐに完売し、何年間も放置されたり、営利目的で転売される。ポルシェフェラーリのような自動車メーカーのクルマは、他社よりもその傾向が強く、少なくともそれらのクルマに関わる人々の中には、少々うんざりしつつある人もいる。クルマを販売した後にそれをどうするか、規制することは難しいが、ポルシェでは、問題が起こる前に抑制するため、何らかの対策を計画しているようだ。



ポルシェのGTロードカー部門開発責任者で、新型「911 GT3」も手掛けたアンドレアス・プレウニンガー氏は、先日のイベントで米国の自動車雑誌『Car and Driver』に対し、「私は個人的に、我社のクルマが走っているのを見るのが好きなのです」と語った。「私たちはそのためにクルマを造っているのですから。乗らずに放置して埃を被るなんて、もったいない話です」。

この蔓延した投機で最近の例として挙げられるのが「911 R」(写真)だ。この特別なマニュアル・トランスミッションの限定モデルは、新車価格が18万5,950ドル(日本での価格は消費税込みで2,629万円)だったが、発売されてからほんの数ヶ月後には、その中古車が130万ドルを超える金額で(約1億3,800万円)で販売されている。このモデルは傑作であり、"インスタント・クラシック"であると同時に、元来の目的である人とマシンの濃密な関わりが味わえるクルマとしてではなく、その多くがコレクションとしてガレージに仕舞い込まれたり、あるいは単にアートとして扱われている。


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その価値にまつわる問題は酷いことになっており、911 Rオーナーの何人かは、ポルシェが新型911 GT3にマニュアル・トランスミッションを設定したことに腹を立てている。それによって彼らの所有する911 Rの価値が下がることを危惧しているのだ。

「我社が911 Rと同じマニュアル・トランスミッションを911 GT3に設定したことに抗議する人々に、私はこう言うのです。ポルシェはヘッジファンドではない、と」プレウニンガー氏は語る。「そういうクルマが欲しいと人々が望むのであれば、我々は自動車メーカーとして、その要求に応える努力をしなければなりません」。



どうやらポルシェは、クルマを転売目的で購入する人々に対し目を光らせているようだ。特定のモデルに関しては、供給よりもかなり多い需要があるため、このドイツの自動車メーカーは、製造する前から1台ずつ、購入することが決まっている顧客の名前を付けているという。悪評のあるバイヤーは、順番待ちリストにすら載らない可能性がある。


By Reese Counts
翻訳:日本映像翻訳アカデミー