クルマのハイテク化が進むにつれ、自動車窃盗犯の技術も進化する。最近のヒュンダイに関するニュースを含め、過去2、3年間で注目を集めた数々の自動車盗難にまつわる話題から、ハイテク窃盗犯から狙われやすい原因となっている、様々なクルマのオンボード・コンピュータ・システムの問題について、人々の関心が高まってきた。そして先日、中国のセキュリティ会社の研究グループが、現在のクルマに新たな脅威となる「リレーハック」に関する記事を発表した。

情報テクノロジーを扱うメディア『Wired』によると、北京を拠点とするIT企業、奇虎360のセキュリティ研究チームは先日、およそ22ドル(約2,500円)で作り上げた2基の無線機で、今までにない新しい「攻撃」を成功させたという。簡単に言えば、この「リレーハック」は、無線機を使ってスマートキーの信号を300m先まで拡張することができるという手口だ。これにより、スマート・エントリーを搭載したクルマは、キーが車両の近くにあると錯覚してしまうため、窃盗グループが簡単にクルマの施錠を外して、スマートキーを所持するオーナーから離れた場所にあるクルマを盗むことが出来てしまうという。

奇虎360の研究者の一人、ジュン・リー氏は『Wired』に対し、「この攻撃は、2つの電子機器を使用して、キーの有効距離を拡張します。オフィスで仕事をしたり、スーパーマーケットでショッピングをする間、クルマは外に駐車されています。誰かがあなたにそっと近づいて、他の誰かがクルマのロックを解除し、クルマを運転して持ち去ることができるのです。とてもシンプルです」と語っている。

気虎360のチームは、これまでに中国BYD製のハイブリッド車「Qin」と、中国市場向けに出ているシボレー「キャプティバ」でこの実験を行った。これらのクルマのスマート・エントリー・システムは、米国で販売されている新型車の多くに使われているシステムを製造している、オランダの半導体会社、NXPセミコンダクターズが製造している。我々のクルマが知らないところで走り回るようになる前に、自動車メーカーやサプライヤーが一刻も早く、リレーハッキングやその他のセキュリティ上の弱点から脅威を減らす対策を見つけてほしいものだ。




By Jason Marker
翻訳:日本映像翻訳アカデミー