トヨタの技術で一年中美味しいイチゴが食べられるようになる!?
トヨタ自動車は、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と共同研究を行い、DNAマーカーを用いることで、イチゴの品種改良を効率化する技術を開発したと、3月30日に開催された日本育種学会で発表した。

イチゴの品種改良が進まなかったワケ

DNAマーカーとは、ゲノム(生物が種として機能していくために必要な遺伝情報を有する染色体の組み合わせ)上の特徴的なDNA配列のこと。有用な形質と関連づけたこの特徴的な配列を目印にして、植物の品種改良等に利用する。ヒトのゲノムは2組の染色体の組み合わせで構成されるが、イチゴのゲノムは8組の組み合わせからなる複雑な構造となっている。

イチゴは国内で最も市場規模の大きい園芸作物の1つだが、国内では12月から翌年5月に生産が集中しており、端境期のうち7月から10月の需要のほとんどは輸入によってまかなわれている。そのため、病気に強く、この端境期に国内で生産・出荷できる魅力のある品種づくりが必要とされてきた。しかし、前述のようにイチゴはゲノム構造が複雑なので、DNAマーカーを用いた品種改良がなかなか進んでこなかった。

病害や暑さに強いイチゴを作れたら!

そのような状況下で、トヨタと農研機構は、トヨタが独自に開発したDNAマイクロアレイ技術(対象とする生物の遺伝子情報を、網羅的かつ迅速に解析する技術)をベースに、イチゴの遺伝情報を高精度に解析する技術開発に成功。うどんこ病や炭疽病といったイチゴの重要病害に強い個体、および「四季成り性」(低温・短日条件に加え高温・長日条件でも花芽形成し、開花・結実する性質)を有する個体を選抜することができるDNAマーカーの開発に成功した。四季成り性イチゴなら、現在は流通価格の高い夏や秋にも収穫することができる。

イチゴの品種選抜は、有用な性質を持った2品種を交配して得られる種子から、数千の子孫を育て、段階的に優良個体を絞り込んでいく。今回開発されたDNAマーカーをイチゴの品種選抜に用いると、簡単なDNA検査で必要な遺伝子をもつ子孫を判別できるため、評価の初期段階で候補を大幅に絞り込むことができる。これにより、病害抵抗性や四季成り性の選抜に要する期間を通常の半分に短縮でき、栽培面積も3分の1で済むという。つまり、イチゴの品種改良の効率化が期待できるというわけだ。

開発した技術は積極的に提供!

トヨタおよび農研機構によれば、今回発表されたDNAマーカーは、「農業関係者に幅広く活用していただけるよう積極的に情報開示・提供に応じていきたいと考えている」という。

もうすぐトヨタの技術で一年中美味しいイチゴが、今までよりも手軽に食べられるようになるはず。イチゴ好きは大いに期待しよう!