テスラのイーロン・マスクCEOが、新型車「モデル3」の最終的なプロトタイプが走る動画を公開
テスライーロン・マスクCEOは先日、発売が待たれる同社の新型電気自動車「モデル3」の「RC(Release Candidate)版」を初めて走らせたという短い動画をTwitterで公開した。ソフトウェア開発の専門用語にあまり慣れていない方に説明すると、RC版とはベータ版の後にリリースされる文字通り「製品版の候補の1つ」というもので、最終的に決定された形状や機能を備える。つまり、この動画に映っているモデル3は製品化に向けた最終的なプロトタイプと考えてよいだろう。これから量産が始まるまで、テスラはモデル3のスタイリングや内容を大幅に変更することはないというわけだ。

ただし例外もある。ソフトウェアのテストと同じように、修正が必要な何かしらの「バグ」が発見される可能性もあるからだ。とは言え、その場合も比較的小さな変更で済むだろう。例えばインテリアを完全に作り直すということはなく、ブレーキやステアリングの調整を行うという程度だ。一方、これと並行して、同車に搭載されるソフトウェアは、現在も開発や改良が行われていると思われる。最終的な市販モデルの見た目はこの動画のクルマの様になるはずだが、おそらく市販できる水準にはまだ至っていないということだろう。

スタイリングの変更を必要とする問題を見過ごすことが、例えば、開発プロセスにおける大きな失敗を招くこともある。より経験豊かな自動車メーカーでも、このような事例が起こったことがあるのだ。1999年、アウディは初代「TTクーペ」で高速走行中に横転する死亡事故が発生したため、すでに販売済みの車両にリコール扱いとしてリアスポイラーを装着した。これは思いも寄らない極端な事例だが、前例もあることは確かだ。

それから18年の間にコンピューターは進歩し、テスラの未来にとって重要なモデル3では、そんな様々なシナリオにおいてシミュレーションによるテストが行われているかもしれない。もしそうであるなら、今度はこのバージョンの車両で広範囲なテストを行い、問題や"フリーズ"が発生しないか確認し(テスラといえば、修正パッチやアップグレードを断続的に続けることで有名なのはさておき)、最終的な量産開始に向けて設計を確定する段階となる。

今回の動画は、今月初めにテスラがまだ路上で走行可能なベータ版モデルが用意できていないことを投資家たちから責められた後で(またはそれを受けて)公開された。当初、7月に予定されていた生産開始の計画は、どうやら少々遅れているらしい。だが、テスラの計画が予定より遅れるのはいつものことだ。マスクCEOのツイートは少なくとも計画が前進していることを示してはいるが、モデル3購入のために用意している資金を、その発売時期を当てる賭けに注ぎ込むことはやめた方がいい。



イーロン・マスク
モデル3のRC版に初試乗


By Alex Kierstein
翻訳:日本映像翻訳アカデミー