マツダ、レンジエクステンダーEV向けのロータリー・エンジンに関連する特許を米国で出願
マツダは2年前、「Mazda2(日本名:デミオ) REレンジエクステンダー」と名付けられた航続距離延長型の魅力的な電気自動車(EV)を公開した。EV化した「Mazda2」に、330ccという小さなロータリー・エンジンを発電機として搭載したクルマだ。我々が望んでいたような、ロータリー・エンジンで走るスポーツカーではなかったものの、この独特なエンジンを活かし、使い続けるためには、1つの有効な方法であると思われた。それから間もなく、このクルマに関する話はさっぱり聞かれなくなってしまったが、同社が米国で出願していた2件の特許から、この基本構想がさらに改良を加えられていることが明らかになった。

1件目の出願特許は非常に分かりやすく、BMW「i3」に似たレンジエクステンダーEVについて記述している。フロントには前輪を駆動する電気モーターが搭載され、リアの内燃エンジンはジェネレーターを駆動する。車体中央には電気を蓄えて供給するためのリチウムイオンバッテリーが備わる。これはMazda2 REレンジエクステンダーと同じ構成だ。

2件目の出願特許はエンジンのスタート/ストップ・システム(アイドリング停止機構)に関するものだが、ロータリー・エンジンのために考案されている。このシステムは、現代のピストン式エンジンで多く採用されているものと同様、必要のない状況ではロータリー・エンジンを停止させるために設計されたもので、燃料蒸発ガスが吸気路から漏れ出ないようにするため、吸気口が閉まる位置でローターを停止させる。この仕組みが必要な理由は、ロータリー・エンジンにはバルブがなく、ローター自体の動きで開閉するポートを通じて吸気と排気が行われるからだ。さらに、残った燃料蒸発ガスを除去するため、燃料を遮断したあとにプラグに点火する可能性も述べられている。このシステムは理論上、ロータリーエンジンの主要な短所の2つである燃費と排出ガスを大幅に改善するだろう。



2件目の特許は、1件目の特許と同じ航続距離延長型パワートレインに応用する可能性についても言及している。そのような応用が実現すれば、ロータリー・エンジンが常に稼働する必要はなくなり、システムはロータリー・エンジン本来の長所を生かせることになる。つまり、内燃エンジンを使ったレンジエクステンダーEVと比べると、ロータリー・エンジンはコンパクトで軽量であるため、車体の運動性能や効率性を向上させることに役立つ。居住空間や荷室、ことによってはバッテリーの搭載スペースも稼ぐことができるだろう。また、ロータリー・エンジンは振動の少なさでも定評があるから、EVの静粛性や快適性をそれほど妨げることなく、重量増の原因となる防音材も削減できるはずだ。

このシステムの特許が受理されたら、マツダは市販車への採用を進めるものと思われるが、残念ながらその保証はない。同社は昨年にも、よりスポーツカーに適した次世代ロータリー・エンジンの特許を出願しているが、それから何の音沙汰もない。

どのような形であれ、我々は再びロータリー・エンジンが市販車に採用されることを願って止まない。改良が進んだレンジエクステンダーへの応用も興味深いし、ロータリー・エンジン自体の開発が続けば、いつの日にか、またこれを搭載するスポーツカーが登場するという希望も持てるからだ。


By Joel Stocksdale
翻訳:日本映像翻訳アカデミー