Volkswagen Tiguan
 VWに対して超保守的でかつ生真面目なイメージを抱いている方は多いと思う。何を隠そうこの僕も同様で、VWに対しては、華やかさや躍動感といったこととはやや距離を置いた、正統派の匂いを感じている。

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 ただし、新型ティグアンからは、そんなこれまで抱いてきたイメージとはちょっと異質な、堂々たる存在感を意識したのである。


 ボディを眺めてみる。いたずらに掘ったり盛ったり、あるいはうねらせたりしていないから、独特の安心感がある。だが、ボディは前後に70mmも長くなり、幅も広くなった。それでいて低い。

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 フロントの横桟グリルはビシッとサイドに伸び、鋭い眼光のライトにつながる。これまでのような優しさ一辺倒ではなく、やや攻撃的な顔つきになった。佇まいは世界の大衆車としての平凡なイメージではなく、強い存在感をともない、高級感が漂っていると思えた。

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 シャシーはVWが先駆けて開発した効率的生産モジュールの「MQB」をはじめてSUVに採用したという。搭載するエンジンは今のところ一種類。直列4気筒直噴1.4リッターターボエンジンだけである。
 最高出力は150ps/5000rpm~6000rpm、最大トルクは250Nm/1500rpm~3500rpm。気筒休止システムを採用し、アイドリングストップやブレーキエネルギー回生システムをおごる。環境性能にも抜かりはない。組み合わさせるミッションは、得意の6速DSGだ。


 東京都内のホテルをスタートして、首都高速道路を通過し、往来の少ない台場近郊をドライブした感覚では、明らかに高級感を増したドライブフィールを意識させられた。

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 エンジンパワーは低速から十分にトルクフルだから、街中のストップアンドゴーでさえストレスを感じることはなかった。そこに抜かりがあるわけもないのだが、1.6トンに及ぶSUVボディがいくらターボチャージャーで補強しているとはいえ1.4リッターの排気量で過不足走るものかと心配をしていただけに、柔軟な走り味を確認してホッとしたのも事実。スペックでは、最高出力が高回転域に寄せられている。最大トルクは低回転域だ。このエンジンがどう振る舞うかが不安だっただけに安堵したのである。

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 ティグアンには4WDの設定はなく、FFで完結している。勢いフル加速を見舞うと、安易にフロントタイヤが空転する場面もあった。ちょっと急いだだけで空転するのは如何なものかと思ったけれど、それほど低回転トルクが豊かだと解釈することにした。


 やはり小気味良いのは、DSGである。不快な変速ショックはまったくなく、小気味よくギアを入れ替えていく。スポーツドライビングとは無縁なティグアンではあるものの、首都高速を軽快に駆け抜けるのも楽しかった。

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 シャシー性能も、したたかである。サスペンションの突き上げも優しく、ここでいて不快感は皆無だ。スポーツドライビングとは無縁とはいうものの、ステアリングの切れ味が予想以上に鋭く、グラグラとボディがよじれることもないのは驚きだった。


 エクステリアの造形から受ける印象は豪華になり、シャシー特性にも質感が溢れている。となれば、遡ってエンジンフィールがややがさつな4気筒ではなく、密度の高い6気筒であって欲しかったと思う。それほど車格感が豊かだったのである。


 グレード構成は、「TSIコンフォート」と「TSIハイライン」と、そして「TSI Rライン」の三種類だ。技術的なスペックに違いはない。装備と味付けのささやかな違いだと思ってもいい。


 その中で最も気に入ったのはやはりRラインである。Rラインだけの設定の19インチタイヤは、視覚的な魅力があるだけではなく、走りにも締まりを与えてくれていた。それでいて45扁平で心配される突き上げもなく、重さも意識しない。オススメはRラインだと思った。

Volkswagen Tiguan
 強烈な個性推しの車が好みの僕の選択肢に、新型ティグアンは優しく歩み寄ってきたように感じた。

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