マクラーレンの新型スーパーカー「720S」が早くも日本上陸!
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マクラーレン・オートモーティブは、3月7日に開幕したジュネーブ・モーターショーで発表したばかりの新型スーパーカー「720S」を、それから24時間も経たないうちに日本の東京でも公開。併せて3,338万3,000円からという販売価格も明らかにされた。

マクラーレン 720Sは、同社の中核モデル・レンジに位置する「スーパー・シリーズ」の第2世代モデル。先代の「650S」に比べ、パワートレインからシャシー、デザインまで、ほぼ全てが刷新されている。マクラーレンでアジア・パシフィックのマネージング・ディレクターを務めるジョージ・ビッグス氏によると、「正常進化というのはマクラーレンらしくない。飛躍的進化を遂げなければならない。そのキーワードは、"Raise Your Limit."、"限界を引き上げろ"です」とのこと。



ミドシップに搭載されたV8ツインターボ・エンジンは、2009年に発表された「MP4-12C」以降これまでマクラーレンのほぼ全てのモデルで使われてきた3.8リッター「M838T」型に代わり、4.0リッターの「M840T」型が新たに採用された。その車名が表すとおり、最高出力は650Sの650ps/7,250psから720ps/7,500rpmに、最大トルクも678Nm/6,000rpmから770Nm/5,500rpmに大幅向上。排気量の拡大だけでなく、超低慣性のターボチャージャーや、軽量化されたコンロッドなどが採用されているという。これまでと同様の7速デュアルクラッチ式「SSG」トランスミッションを介して後輪を駆動し、0-100km/hまで2.9秒で加速する。さらに0-200km/加速は7.8秒と、発表会では「ランボルギーニやフェラーリよりも速い」とライバルの名前を挙げて豪語。確かに、同じジュネーブで発表されたフェラーリの最新モデル「812スーパーファスト」でも7.9秒、ランボルギーニの「アヴェンタドール スーパーヴェローチェ」は8.6秒だ。最高速度341km/hは650Sより8kmも伸びた一方で、新欧州サイクルモード燃費は10.7L/100kmと、650Sの11.7L/100kmから改善されている。



この新型エンジンは、720Sのドアロックを解除すると赤いイルミネーションで照らされる。ただし、その姿をもっと見たい、と願っても叶わない。720Sのエンジン・フードは開閉せず、メインテナンスは全て車両の下側から行うという。



向上したパフォーマンスには、さらに軽量化が進んだ車体も貢献しているはずだ。F1チームから派生したマクラーレン製スーパーカーの特徴でもあるカーボンファイバー製シャシーは、従来のタブ型「カーボンモノセル」に替わって、ピラーやルーフまで統合された「モノケージ II」が採用され、乾燥重量は650Sの1,301kgから1,283kgに減少している。跳ね上げ式ディへドラル・ドアの開口部がルーフまで拡がり、乗降性や車内空間の快適性も向上した。ちなみにこのドアは、開けると650Sより内側に15cmほど幅が抑えられているため、駐車場などで隣のクルマや壁との間が今までより狭くても大丈夫になった。




このドアを開けてコクピットに乗り込むと、折り畳み式のメーターパネルが立ち上がる。その表示は選択したドライブ・モードによって異なり、またサーキット走行時などドライビングに集中したい時には、重要な情報のみを表示するスリム・ディスプレイ・モードに切り替えることができる(文末の動画を参照)。センターコンソールに備わる8インチの縦型スクリーンは、インフォテインメントを管理するだけでなく、指でスワイプするだけでESC(電子式車体安定性制御システム)のレベルも変更でき、新たに装備された「可変ドリフト・コントロール」機能を使えば、「ごく平均的なドライバーでもドリフトが楽しめる」そうだ。

4輪の各ダンパーを油圧で相互制御する「プロアクティブ・シャシー・コントロール II」は、従来よりセンサーが12個も増え、これらから得たリアルタイムな情報や、ドライバーが選択したドライブモード(「コンフォート」「スポーツ」「トラック」の3種類から選べる)によって、サスペンションの減衰力は常に最適化される。専用開発された前245/35R19、後305/30R20サイズのピレリ「P ZERO CORSA」タイヤにより、メカニカルグリップは650Sより6%向上したという。標準装備されるカーボン・セラミック製ブレーキとの組み合わせで、200km/hの速度から4.6秒、117mの距離で停止することができるという。



中身と同様に大きく変わったのがデザインだ。ドアの後方には、ミドシップ・スポーツカーの象徴的なエアインテークが廃止され、代わりにドア・パネルの「ダブルスキン」と呼ばれる仕組みが空気をラジエターに送り込む。ユニークなLEDヘッドライトの形状はオイルクーラーに空気を導入する役目を果たす。フロント・ホイール周辺の高圧なエアはドアに仕込まれたバージボードを通ることでダウンフォースに変換される。細いAピラーと肉抜きされたCピラー、ガラスルーフ(および搭載された360°カメラ)によって、全方位の視界が改善された...等々、全てのデザインには機能的な意味がある。車体のサイズは全長4,543mm × 全幅1,930mm × 全高1,196mmと、650Sよりわずかに長く、幅広く、低くなった。2,670mmのホイールベースは変わらない。フロント・フードを開けると150リッターの荷室が備わる。



720Sは「スタンダード」「パフォーマンス」「ラグジュアリー」と、全部で3種類のトリムが用意され、日本における消費税込み価格は3,338万3,000円から。ディーラーではすでに注文を受け付けており、7月から納車が始まる予定だ。