MAZDA CX-3
 コンパクトクロスオーバーといえば、先に試乗記を書いたBMW X1 xDrive 18d Xlineだけでなく、コチラにも試乗が叶ったのでレポートしておきたい。
マツダ「CX-3」がマイナーチェンジを受けて登場である。

MAZDA CX-3
 今や乗用車として、ピカチュウを超えるレアキャラとなってしまった国産ディーゼルを搭載する、クリーンディーゼルエンジン専用モデルだ。

まずはインテリアからチェックしたい。まずは特別仕様車となる「Noble Brown」を見てみよう。

MAZDA CX-3 MAZDA CX-3
 「CX-3」はこれまた先に試乗記を公開した「デミオ」とアーキテクチャーを共用している。そんなわけでマイナーチェンジのタイミングも同時であったのだが、双方でうまくシェアしながらも、それぞれのキャラクターを上手に棲み分けて作り込んできた。デザインにはこだわりのあるマツダのこと、エクステリアはもちろんだが、デミオでも特に良さが際立ったインテリアは CX-3 においてもやはり特筆ものである。

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 デミオではドアを開けた瞬間にパッと心が浮き立つような、明るい内装の華やかな特別仕様車「テイラード・ブラウン」が発表されたが、この CX-3 の「ノーブル・ブラウン」はもっと落ち着いた印象。その名の通り、上品でしっとりとした大人のお部屋、という感じ。今、インテリア業界では「男前部屋」と言われるブルックリン・スタイルが流行しているのだけど、それに通ずるようなシックさを漂わせている。シート素材には高級車でも使用されるナッパレザーが採用されているというこだわりようだ。

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 もちろん、特別仕様車でなくともインテリアの完成度は高い。通常ラインナップの最高級グレード「XD Lパッケージ」のレザーも、中間グレードの「XDプロアクティブ」の合皮も、エントリーグレード「XD」のクロスも、それぞれに安っぽさのないしっかりとした作り込み。もちろん上級グレードになればなるほど質感は上がるが、エントリーでも気後れのしない美しさに仕上がっている。


試乗では、FFのATモデルと、AWDのMTモデルを選んだ。
そう、この CX-3 にはディーゼル × MTという、マニア垂涎の選択肢が用意されているのだ。

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 搭載されるのは1.5リッターの直4ディーゼルターボで、エントリーグレードから最高級グレードまでそれぞれFF、AWDふたつが用意され、さらにどちらもAT、MTをラインナップする。この展開はかなり粋だ。人によってはFFのMTをノーマルグレードで、とも選べるし、最高級グレードをATのAWDで、なんて自由に駆動方式とトランスミッションを組み合わせられるのだ。こういう選択肢のあるクルマって、他メーカーでもなかなか見つけられるものではない。

MAZDA CX-3
さて、最初はFFのATモデルから。
加速は意外にまったりしていて、やや車体の重さを感じさせる仕上がりになっている。

MAZDA CX-3
 この1.5リッターターボディーゼルはデミオに搭載されているのと同型なのだが、軽量・小型のデミオに搭載されたときのシャキシャキしたパワフルさは車重のせいで押し殺されている印象だ。もちろん必要にして十分だし、非力というほどではないのだけど、中間加速あたりにグイっと押し出すようなトルクを求める人には、パドルシフトを積極的に使って低めのギアで引っ張った方が気分だろう。

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 ガラガラというディーゼルサウンド自体はさほど気になるものではなく、アイドリング時は程よく抑えられていたのだが、やはり踏めばそれなりに音が響くのも、この出足のまったりさに影響を受けた結果だと思われる。


 このAT、ギア比をデミオより低速方向に振っていて、滑り出しに関してはそれなりに有効なのだけど、速度に乗り始めたあたりから、トルクよりも燃費を伸ばす方向に対してすごく賢い仕上がりになっている、っていうのもその原因のひとつだ。早い段階で回転数を落とす=ギアを積極的に上げる方向に作用するのだ。ディーゼルエンジンをエコノミーに使いたい人にとっては有難い制御だとは思うけど、決して走りにコンシャスなわけではない。
 ブレーキも車重のせいかややルーズめだから、早めのブレーキングで対応したほうが良さそうだ。


 先代で少しルーズに感じたステアリングの手応えは今回のマイチェンでかなり改善されたが、カッチリしたペダル類の踏みごたえに合わせて、もうちょっと連動感という意味での重厚さがあったほうが気分が出るかなと感じた。

MAZDA CX-3
 サスペンションはストローク深めのしっとりした乗り心地を叶えている。デミオは路面のインフォメーションに対して繊細な反応を示していたが、さすがクロスオーバーらしくCX-3では柔らかめの味付けがなされている。

MAZDA CX-3
続いてAWDのMTだが、これが抜群に良かった。

 先述の加速の物足りなさを、自分が選択したギアでフォローすることが出来るから、パワー不足を微塵も感じないのだ。足りないところはローギアで引っ張っていけばいいし、速度に乗ればギアを上げて回転数を下げ、燃費走行にシフトすることもできる。もちろんギアを低めに設定すれば、中間だってグイグイとトルクを生んでくれる。


 マツダはペダル類の配置を人間工学的に最適化して、ドライバーがまっすぐにドライビングポジションを取られるようなコックピットづくりを全車に行なっているのだが、その良さがキラリと光るのが何を隠そうこのMTでのドライブだ。

MAZDA CX-3
 ペダル類の配置が実に絶妙で、シフトペダルの踏み変えがとてもイージーなのだ。
このペダルをバンバン踏みながら、積極的にギアを操作するのがめちゃめちゃ楽しいんである。


 さらにAWDの仕上がりも好感触。接地感に重厚さを感じさせるほどで、コーナリングの際にきっちり四輪がはたらき、ぐいっと出口を目指すあたりはパワーが足されたようなイメージを受けたくらいだ。

 先述の柔らかい足も、この四駆にはベスト・マッチング。しなやかなのでうまくロールを生かし、ラインをずるっと舐めていくような粘りのあるコーナリングを楽しめる。


 贅沢を言えば、クラッチペダルのミート位置がやや掴みにくく、特にローギアあたりではコソ練が必要になりそうなところと、こちらもストローク長めのシフトフィール。もうちょっとシャキシャキしたショートストロークでもいいんじゃないかな、と思うくらいにガシガシと使い込みたくなった。
というわけで、個人的にはこの「AWD × MT」に一番、萌えたのだった。さしずめマツダ風に言うなら、まさに「Zoom-Zoom」を感じたってことかな。

MAZDA CX-3
 今回のマイナーチェンジでは安全面での装備強化が行われているが、それらほとんどがエントリーグレード「XD」以外のモデルには標準装備されているというのもイイ。


 中間グレード以上にはダッシュボードの上にヘッドアップディスプレイである「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」が装備されるのだが、ここにカメラで認識した速度標識をカラーで表示させたり、制限速度を超過した際にはディスプレイのグラフィック表示や警告音で通知してくれたりする。

MAZDA CX-3
 また、ブレーキの自動制御で衝突被害を軽減する「アドバンスド スマート・シティ・ブレーキ・サポート」は全車に標準装備された。


 ちなみに、このマイチェンからデミオ、CX-3ともにマツダのさらなる走りへの追求「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第一弾として導入された「Gベクタリングコントロール」(ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に制御し、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールする技術)が導入されたのだが、これが雪道で絶大な効力を発揮したというレポートを聞いた。

​​​​​そちらも是非悪路で試してみたい。もちろん、『AWD × MT』で!

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