NISSAN ALL LINEUP ICE
 「日産オールラインナップ氷上雪上試乗会」が今年も開催された。長野県南東に位置する女神湖には、日産専用の特設氷上ステージに設えられ、その周辺のスノーロードを含めて走り尽くそうという企画である。


 会場には、日産イチオシのモデルが顔を揃えていた。4WDはもちろんのこと、FFとFRが集められ、より滑りやすい路面でシステムの有効性を確認しようというわけである。


 ジューク16GT-FOURは、オールモード4×4-i(トルクベクタリング)を備える4WDだ。コーナリング時には、リアタイヤの左右輪の駆動トルク配分を制御する。その幅、左右自在に0~100である。旋回時にはリア外輪に強いトルクを分け与える。それによってアンダーステアを抑えてくれるのである。


 前後のトルク配分も制御可能で、最大ではフロントトルクが100%、アンダーステアを感じたら50%まで抑える。そう、前後左右のトルクを緻密に制御することで、4輪に理想的な駆動トルクを与えるように細工されているというわけである。

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 スノーブーツでさえ立っているのもおぼつかない低ミュー路でその効果は顕著だった。アンダーステアで旋回中に、タイミングを合わせてスロットルを全開にすれば、テールが流れてはじめる。そのまま踏み切っていれば、FR風のカウンタードリフトにも持ち込めるのは驚きだった。

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 FRのフェアレディZもなかなか楽しい。トラコンをオフにすればもちろんテールスライドの嵐なのだが、たとえばハイスピードからの減速シフトダウンで武器が炸裂。シンクロレブコントロールがそれで、意外なことにスノードライブでの大きなメリットを再確認した次第だ。

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 シフトダウン時にクラッチを切ると、エンジン回転数とミッションの回転数を同期させてくれるのがこのシステム。つまり、プロ級のヒール&トゥを代行してくれるのがこれ。


 高ミュー路面のサーキットなら多少ラフな操作でも問題はないけれど、シフトロックしやすい低ミューでは何度も救われたのである。コーナーを前に、ただただクラッチペダルを踏み込んでギアを押し込めば、エンジンが一瞬唸りを上げてシフト完了なのだ。その分、ハンドリングに集中できるというわけ。なかなかの代物である。


 もちろんGT-Rは、破壊力満点のパワーを、四輪の強烈なトラクションで駆け回ってくれた。女神湖がほとんどモンテカルロの様相である。

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 4WDではあっても、基本的はFRであり、必要とあらばフロントトルクが介在するアテーサE-TSゆえに、FR的な挙動である。アンダーステア一辺倒ではないから、ドリフトが楽しいのである。


 さすがにフロントのイナーシャを意識させられることが少なくないけれど、重量級エンジンをフロントに搭載しているわりには前後重量配分の悪癖を感じさせないのは、リアにミッションを搭載するトランスアクスルの効果なのだろう。


 ともあれ、今回のスノードライブで感じたのは、日産は様々な駆動システムを持っており、それらの技術をぞれぞれクルマのキャラクターに合わせて使い分けていることだ。 


 オンロードモデル御用達とばかり思っていたジューク・ニスモなども、締め上げられた足は雪上でも破綻はなく、軽快に走ってくれたのも驚き。限界域で粗が露見しやすい低ミュー路でも、走りが楽しかったのは、クルマの完成度が高いことの証だろう。


 というように、日産の車には走りの魅力がギチギチに詰まっていることを確認できたのである。こうして事務所に戻り原稿を書いているいま、もうすでに来年の女神湖試乗会が待ち遠しくなってしまった。

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