【ビデオ】アルピーヌ、新型市販スポーツカー「A110」を初公開! スペックや価格も明らかに
Related Gallery:Alpine A110

フランスの伝説的なスポーツカー・メーカー、アルピーヌがついに量産モデルの市場に復帰を果たした。1970年代にラリーで大活躍した偉大な名車の名前をそのまま受け継ぐ新型「A110」が、7日に開幕したジュネーブ・モーターショーで公開されたのだ。




全長4,178mm × 全幅1,798mm × 全高1252mmという(現代の基準では)コンパクトな車体は、アルミニウム製のプラットフォームとボディを接着、リベット、溶接で結合した、高剛性かつ軽量な構造になっているという。気になるその重量は、オプション抜きの乾燥重量で1,080kg(車両重量は1,103kg)。重量配分は前44:後56となっている。重心は非常に低く、中央寄りに設計されており、かつてのアルピーヌが評価を得た時と同様、特に曲がりくねった峠道で俊敏性を発揮するという。ホイールベースは2,419mm。エンジンは後輪車軸前方に、燃料タンクは前輪車軸後方に置かれるため、ドライバーはクルマとの一体感が味わえるそうだ。



ドライバーの背後にミドシップ・マウントされる1.8リッター直列4気筒ターボ・エンジンはルノー日産アライアンス製をベースに、アルピーヌのエンジニアがルノー・スポールの協力を得てチューニングを施したもの。専用のエア・インテーク、ターボチャージャー、エキゾースト・システムを備えることで、最高出力252ps/6,000rpmと最大トルク320Nmを発揮。パワー・ウェイト・レシオは4.3kg/ps。0-100km/hまで4.5秒で加速する。このエンジンに組み合わされるゲトラーク製7速湿式デュアルクラッチ式トランスミッションのギア比は、アルピーヌの性能が存分に発揮できるように専用設定となっている。最高速度は250km/hで電子制御リミッターが作動。新欧州サイクル・モード燃費は6.2L/100km(約16.1km/L)と発表されている。



軽量なシングル出しのエキゾースト・システムは、流体力学によるシミュレーションを駆使して設計され、パフォーマンスとサウンドの双方に焦点を当てて開発されたという。



エンジニアは、アルピーヌらしい流麗なボディ・ラインと空力性能を両立させるため、風洞実験を繰り返し、レーシングカーから着想を得たフラット・フロアを採用。これにリア・パンパーの下に備わるディフューザーを組み合わせたことで、リア・スポイラーを装着することなく、空気抵抗の低減と高いダウンフォースが得られたという。フロント・バンパーに開けられたインレットは前輪の前に空気のカーテンを発生させ、前輪の周囲を流れる空気を整流し、空気抵抗を低減する。空気抵抗係数は0.32と、アルピーヌによれば、このクラスのスポーツカー・セグメントでは最小であるという。



エクステリアは、一目でアルピーヌと分かる形、つまり初代A110を思わせるスタイルに、現代のデザイン言語と素材や技術が融合された。フロントに備わる4つのLEDデイタイム・ランニング・ライトとボンネットの隆起、リアの回り込んだウィンドウなどにはA110から受け継いだアルピーヌのDNAが現れているが、一方でリアのX型テールライトとダイナミック・ターン・インジケーターは現代的な雰囲気を感じさせる。



シンプルで機能主義的なインテリアは、同時に快適なドライビング・ポジションを提供するという。構造体の素材を露わにしたアルミニウムやカーボンファイバーは目で見ても軽量思想が感じられるが、シートには上質なナチュラル・グレインのレザーが張られている。

A110のドライバーは「ノーマル」「スポーツ」「トラック」という3つのドライブ・モードから選択でき、これによってエンジン、トランスミッション、ステアリング、ESC、エキゾースト・ノートの設定と、ディスプレイの表示が変化する。

サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン式で、卓越したハンドリング性能と同時に日常的に使える快適な乗り心地を両立させたという。乗降性にも配慮し、車内は「(ほとんど)どんな体型・身長の人も乗れる」とアルピーヌは主張する。



A110のために、世界の一流サプライヤが軽量パーツを用意した。イタリアのブレンボが開発したブレーキはオール・アルミ製で、リア・ブレーキにはパーキング・ブレーキのアクチュエーターが一体化されている。これによって重量が2.5kgほど削減できたそうだ。18インチの鍛造アルミニウム製ホイールはドイツのオットー・フックスから供給される(タイヤのサイズは前205/40R18、後235/40R18)。イタリアのサベルトは1ピース構造のバケットシートを開発した。快適性を犠牲にすることなく、その重量はわずか13.1kgに抑えられている。



新型A110は、まず「プレミア・エディション」として1,955台が限定生産される。この数字はジャン・レデレがアルピーヌを創設した年に因んだものだ。ボディ・カラーはアルピーヌ・ブルーのほか、ノワール・プロフォン(黒)とブラン・ソレイル(白)が用意され、マット・ブラックの切削加工された専用ホイールや、専用チューンされたフォーカル製オーディオ、マット・カーボンファイバーのインテリア・アクセント、ブラッシュド・アルミニウム製ペダル、キルト仕上げのナチュラル・グレイン・レザーが張られたサベルト製スポーツ・シートなどを標準装備、内外装に青・白・赤のトリコロール・バッジ、センターコンソールにシリアルナンバー入りプラークが装着される。フランス本国における価格は税込み5万8,500ユーロ(約705万円)。なお、左ハンドル仕様のA110 プレミア・エディションは2016年12月に予約受付を開始すると、わずか5日で完売したという。右ハンドルが用意される日本では、これから数週間内に予約受付が始まり、欧州から遅れて2018年に納車が始まる見込みだ。

2018年にプレミア・エディションの限定台数が生産完了した後で発売となる通常モデルのA110には、いくつかのトリム・レベルや、パーソナライズのための多彩なオプションが用意される予定だというから、どうしてもいち早くA110に乗りたいという人以外は、慌てず待ってみるのもよさそうだ。



なお、全てのA110はジャン・レデレが1969年に設立したフランス・ディエップの歴史的な工場で生産される(ちなみに昔のA110はフランス以外にスペインやメキシコでも生産されていた)。近年ではルノー・スポールの限定モデルやレーシングカーが生産されていた工場で、ルノーは新しいアルピーヌのオール・アルミ製ボディを製造するため、数百万ユーロの投資を行っている。

車体の構造や材質は異なるものの、動力性能はライバルと目されていたアルファ ロメオの「4C」とほぼ互角と見ていいだろう。A110の方が4Cより、少し大きくて重くてパワフルだ。あとは我が国での販売価格がどのくらいに設定されるのか(つまり、4Cの消費税込み価格849万円と比べてどうなのか)気になるところ。日本仕様の発表を楽しみに待ちながら、まずはジュネーブで発表された時の様子をご覧いただきたい。