BMW X1 xDrive 18d
 世界中に蔓延するSUV大流行の波は、依然勢いの留まることを知らない。今やどんなラグジュアリーカーメーカーであっても、SUV作らぬは一生の恥とばかりにじゃかすかニューモデルを導入しているのはご存知の通りだ。そんなブームに先駆けて、バラエティ豊かなクロスオーバーモデルのラインナップを早い段階から展開・完成してきていたのがBMWである。
 BMWは自社のクロスオーバーモデルを独自に「SAV」=スポーツ・アクティビティー・ヴィークルと銘打っていて、ユーティリティーだけに止まらない、走りと個性を両立させたユニークなSUVを発表してきた。

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<2010 BMW X1>
 特に近年、国産メーカーも参入しているコンパクトクロスオーバーというカテゴリーにおいて、今回ご紹介するX1が登場したのが実に2010年で、先陣を切ったことになる。当時はまだ「SUV=大柄ボディ」が当然だった時勢にあって、そのユニークな立ち位置は注目を集めたものだったが、今やドンズバにメインストリーム。先見の明というのだろうか、同社の商品企画能力のすごさに改めて驚く。

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 そのX1に昨年9月、待望のクリーンディーゼルエンジン搭載モデル「 X1 xDrive 18d」が追加された。
Xモデルのエントリーを担うX1は今や第二世代に進化していて、2シリーズと同じFFベースのプラットフォームに刷新されているが、「X1 xDrive 18d」のパワートレーンも2シリーズと同じ2リッターターボディーゼルエンジン×8速ATを搭載する。ただし、X1のガソリンモデルにはFFも存在するが、ディーゼルエンジンは四駆のみ。

BMW X1 xDrive 18d
 ラインナップは3グレードで、「18d」、「18d xLine」、「Mスポーツ」。今回の試乗車は真ん中の「18d xLine」だ。BMWのアイコンであるキドニーグリルがクロムになるほか、アンダー・ガードがマットシルバーに、さらに専用アロイホイールが装着されるなどの上級仕様である。


 乗り込んでまず最初に感じたのは、新しくなったインターフェースの美しさだ。
インテリア全体の印象はいかにもBMWらしいシンプルで堅牢、質実剛健な雰囲気なのだが、モニター類が一新されている。

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 まず、ステアリングの向こうのメータークラスターが大きくなり、一部カラーデジタル化された。安全系の表示がここにも反映されるだけでなく、始動の際にはちっこいX1が登場するあたり、なんとも可愛くて心が和む。オーナーには愛車に愛着を増させる憎い演出になるだろう。肝心のメーターは速度・回転計ともにアナログのままで、シンプルかつ視認性の高いものだったというところも、走りにこだわるBMWらしい。

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 ナビ関連も一新している。
といっても、シフトノブの後方にダイヤルやスイッチを装備し、そこでコマンドを行う「iDrive」方式は踏襲されているのだが、メインモニターが最新のものに生まれ変わったので、インパネ全体に先進感が漂うようになった。

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 メインモニターは他のシリーズにも採用されている横長のもの。
横長なぶん、情報を左右に2分割して表示できるのがそのメリットで、ナビを表示させながらラジオの放送曲リストを同時に表示させたり、音楽のリストを表示させたりと、情報のデュアル表示が可能になっている。
また、この画面に表示されるフォントも美しく、視認性の高さもさることながら、高いデザイン性にも寄与していると感じる。デジタル世代にはフォントの綺麗さ=オシャレさなのだ。この辺が洗練されたことで上質感が増している。

 さらに、X1シリーズにはカメラによって前車を検知し、ドライビングをサポートする「ドライビング・アシスト」が全車標準装備されているのだが(車線逸脱警告システム「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」、前車接近警告機能/衝突回避・軽減ブレーキ、事故の際にコールセンターに自動で繋がるBMW SOSコール、整備関連の情報を車両から正規ディーラーに送信して適切なメンテナンスを行うBMWテレサービス、リアビューカメラ)、それらの情報もこのメインモニターに美しく表示される。

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 さて、ボディサイズでいえば先代比で全長が30mmの短縮に加え、全高は35mm高められている。それにより、取り回しのよさと室内空間の拡大を叶えているのだが、実際に乗り込んだ感覚からも、その恩恵は十分に感じられた。

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 コンパクトながらにヘッドクリアランスには圧迫感がなく、後部座席の居住性も上々。後部座席は前席よりもややヒッピポントが高いシアターレイアウトを取っていて、長時間のドライブでも乗員が窮屈に感じないよう工夫されている。

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 試乗車にはオプションである電動パノラマ・ガラス・サンルーブが装備されていたのだが、これを組み合わせればさらに開放的なドライブを楽しめるだろう。
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 で、結局のところディーゼルエンジンはどうなのよ、という論点なのだが、これがまたクルマのキャラにドンピシャであった。そもそもディーゼルエンジンは踏み出しのトルクが太いのだけど、その踏み出しの力強さが実に気持ちいい。出足のモタつきがなく、スッキリきりっと凛々しい加速を叶えているから、ストップ&ゴーの頻発する街乗りでは特に恩恵を感じることが多い。60km/hあたりで流すには1500rpmくらいに回転数を抑えてくれるから、車内も意外に静かで至極快適だ。

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 さらに、踏めば2000rpmあたりからグワっと加速が膨らんで、スポーティーな横顔も垣間見せてくれる。
車外から聞けばそれとわかるディーゼル独特のカラカラ音は、車内ではほとんど気にならない程度に抑えられていた。走行中、アクセルオフをした瞬間なんかにちょっと聞こえてくる程度。しかし、このパワフルなトルクの前にはそのサウンドさえもドライブに誘うBGMのようにすら感じられる。

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 サスペンションはSUVでありながらワリと硬め。この辺はオンロードに照準を合わせているイメージだ。路面のギャップやインフォメーションも仔細に伝えてくるが、ペダル・ステアリングともにBMWらしい重厚な味付けがなされているので、ドライビングにはほとんど影響しない。その辺はカタめとはいえ安心してほしい。

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 さて、ごく個人的に言えば、というかおそらく都心部で生活する単身、もしくはカップルやDINKS族にとって、このコンパクトクロスオーバーというカテゴリーは相当に響くパッケージなんじゃないかと思う。
今、冒頭にも述べた通り、このジャンルのクルマがばかすか増えてきているが、中でもディーゼルを搭載したモデルはいまだ極端に少ない。ワクワクするようなトルクに代表されるスポーティーな走りももちろん魅力的だが、それ以上にJC08モードで19.6km/Lを叶える燃費性能にも注目したいのだ。

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BMW Japan 公式サイトより
 公式HPには「ハイオクのガソリンよりも約31円/L OFF」と記載されているが、このクルマを選ぶ層にはむしろ価格よりも給油回数の激減をオススメポイントにしたい。ただでさえ多忙な中、リア充も図りたいしあっちこっち出かけたい。そうなったときにガソリンスタンドを探す手間は意外に面倒だしタイムロスになるのだもの。

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 ハードにクルマを使い倒すという自身のライフスタイルにも、ディーゼルのアドバンテージの恩恵を受けたい気持ちマンマン。そういう意味でも、実は次の愛車候補のひとつでもある。ここだけの話ですが。

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■BMW Japan 公式サイト
http://www.bmw.co.jp/ja/index.html