ボルボ、高い安全性とスカンジナビア・デザインが魅力的な新型「S90」「V90」「V90 クロスカントリー」を日本に導入
ボルボ・カー・ジャパンは22日、新型フラッグシップ・セダン「S90」とステーションワゴン「V90」、そのクロスオーバー「V90 クロスカントリー」の日本導入を発表。同日より販売開始した。

昨年発売された「XC90」に続き、ボルボの新世代プラットフォーム「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)」と新世代パワートレイン「DRIVE-E」を採用するこれら3車種の90シリーズは、それぞれ従来の「S80」「V70」「V70 クロスカントリー」の後継となる。ボルボでは、2020年までに同社のクルマによる交通事故の死亡者や重傷者をゼロにする「Vision 2020」という目標を掲げているが、ボルボ・カー・ジャパンの木村隆之社長によれば、今回発売された90シリーズは、まさにその2020年になっても継続生産されるモデルであるという。つまり、"交通事故の死亡者と重傷者ゼロ"に向けた先進的な安全性を備えているというわけだ。



そのために、S90とV90では、XC90よりさらに進んだ安全機能が搭載された。その1つは、世界初となる大型動物検知機能だ。これは従来の歩行者・サイクリスト検知機能に加え、走行中に前方に大型動物を検知すると、警告を発したり自動的にブレーキを作動させる。日本でも北海道ではエゾジカによる交通事故が毎年2,000件前後発生しており、10年前に比べると増える傾向にあるという。ボルボ・カー・ジャパンは独自にエゾジカの剥製を使ってこの機能を検証。衝突事故を避ける効果が認められたそうだ(現在はボルボ・カー本社による承認待ち)。北海道で新型ボルボが普及すれば、これらの事故がそれだけ減ることになる。

そしてもう1つ、世界で初めて採用された安全機能が、走行中に道路から逸脱しそうになるとステアリングおよびブレーキを自動的に制御して、道路逸脱事故の回避を支援する「ランオフロード・ミティゲーション」だ(こちらはXC90にも追加採用された)。この機能は車載カメラが車線境界線や側線を認識し、65km/hから140km/hの速度で作動する。もちろん、ドライバーが方向指示器を使用するなど自発的に車線を変更しようとしている場合は介入しない。



また、新型90シリーズには自動運転の「レベル2」に分類される「パイロット・アシスト」が全車に標準で装備される。これはフロント・ウィンドウに搭載されたミリ波レーダーとカメラが一体になったユニット「ASDM(アクティブ・セーフティ・ドメイン・マスター)」が車線と前方をモニターし、アクセルとブレーキ、さらにステアリングも自動的に操作して前走車との車間距離や車線の維持をサポートする機能だ。前走車に追従するだけでなく、前走車がいない状況でも車線維持走行が可能だという。



安全性能に並ぶ新型90シリーズの大きな魅力は、"スカンジナビア・デザイン"だろう。確かに、ドイツやイタリア、イギリス等の高級車の、いずれとも明らかに異なるテイストは、ボルボでしか体感できないものだ。この日の発表会には、ボルボ・カー・グループのデザイン部門担当上級副社長ジョナサン・ディズリー氏が来日し、新型90シリーズのデザインについて説明がなされた。



例えば、前輪はAピラーから35cmくらい離れた位置(前方)に設定したことで、プレミアム感を出したという。これは柔軟性に優れたSPAプラットフォームを採用したからこそ可能になったことであり、デザイナーはエンジニアと一緒に設計に取り組んだとのこと。強さを表現したという顔は、まず中央のロゴから描き始めたそうで、その周辺を内側に削り込んだようなカーブの付いた縦状のバーで構成された「コンケーブ(凹形)グリル」が取り囲む。特徴的なヘッドライトのT字型は、スカンジナビアの雷神「トール」(ちなみにダイハツのコンパクト・ワゴンと由来は同じ)の槌という意味で「トール・ハンマー」と呼ばれ、これはランニング・ライトとしてもインジケーターとしても使える。フロント・ノーズからテール・エンドまで長く伸びたサイドのキャラクター・ラインは、「最もシンプルで高級な乗物」であるヨットから着想を得たそうだ。Aピラーの延長線上に前輪が、Cピラーの延長線上に後輪が来ることが、端正なプロポーションの秘訣らしい。後方に回ると、テールライトは「車幅をワイドに見せるように」デザインされ、重要なロゴは高い位置に、重要でないナンバープレートは低い位置に配したという。このロゴの字間が広く取られているのは、世界中のラグジュアリー・ブランドと同様で、高級感を醸す効果があるとのこと。




インテリアは、ハンドクラフトによるウッド・パネルとスカンジナビアのデザイン・ルールに則ったというクロームの装飾が、洗練された印象を与える。90シリーズは全車レザー・シートが標準だが、上級トリムのシートに使われているレザーは、エルメスのハンドバッグと同じサプライヤーによるものだとか。縦型のタッチパネルは赤外線式なので、手袋を着用していても操作可能。北欧らしい気遣いだ。ナビゲーション・システムの地図は年2回のアップデートが予定されており、オーナーは公式サイトからUSBを介してダウンロードできる。その料金は永年無料だ。




パワートレインは全部で3種類。最高出力254psと最大トルク350Nmを発生する2.0リッター直列4気筒ガソリン・ターボの「T5」と、ターボに加えスーパーチャージャーも備えることで320psと400Nmを発揮する「T6」、さらにこのツインチャージャー付きエンジンに、後輪を駆動する電気モーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッドの「T8」が用意される。ただし、T8を搭載するのはV90のみで、発売は今年9月頃とやや遅れる。S90とV90はT5が前輪駆動、T6は4輪駆動となるが、クロスオーバーのV90 クロスカントリーはT5、T6とも4輪駆動のみ。トランスミッションは全て8速ATだ。来年にはディーゼルの導入も予定しているという。

また、車種やパワートレインによって装備や仕様が異なる3種類のトリムが設定されており、ベーシックな「MOMENTUM」、スポーティな「R-DESIGN」(下の写真)、高級かつ豪華な「INSCRIPTION」(S90およびV90)や「SUMMUM」(V90 クロスカントリー)から、好みや予算に応じて選べる。



消費税込み価格は「S90 T5 MOMENTUM」の644万円から、「V90 T8 Twin Engine AWD INSCRIPTION」の899万円まで。セダンのS90は500台限定導入となる。詳しい情報は以下のURLから公式サイトでご確認いただきたい。なお、Autoblogでは近日中に小沢コージさんによる試乗記をお届けする予定なので、どうぞお楽しみに。


ボルボ・カー・ジャパン 公式サイト
http://www.volvocars.com/jp