SUZUKI SWIFT
 フロントノーズが攻撃的な造形になり、ボンネットが伸ばされたような気がする。それは錯覚なのかもしれないけれど、新型スイフトはやや伸びやかな印象を受ける。

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 だが、全長は10mm短くなっているという。だがそうは感じさせない。

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 とはいえ、大地を踏ん張るようにタイヤが四隅の配置され、スクエアなシルエットを残す新型スイフトは、伸びやかな印象を強めながらも、やはりどこからどう眺めてもスイフトそのものだった。


 その魂も、スイフトそのままである。僕ら走り派から絶大な支持を受けてきた「スイフトスポーツ」はまだラインナップされておらず、今後の誕生を待つ必要がありそうだが、標準モデルでさえ、スイフトらしいテイストに溢れていたことにはホッとさせられた。


<直列4気筒1.2リッター / 直列3気筒1リッターターボ>
 搭載されるエンジンは、基本的に二種類だ。直列4気筒1.2リッターと直列3気筒1リッターターボである。1.2リッターエンジンからはマイルドハイブリッドも選べる。

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 組み合わされるミッションは三種類。CVTを基本に、5速MTと6速ATがラインナップする。組み合わせはちょっと複雑だが、走りを意識したグレードは多段のようである。

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 そんな中、僕が最も気になって走りこんだのは1リッターターボエンジンを搭載した「RSt」である。「RS=欧州テイスト」と広報資料にもはっきりと明記されているように、高剛性ボディと締め上げられた足が奢られていることは明白で、確かにその通りの味付けになっている。


 そもそもスイフトは、欧州テイストの走り味が自慢のモデルだった。地域別販売の55%をインドで稼ぐ特異なモデルではあるが、それはスズキがインドの国民車として認知されているという事情がある。だがインドの次に人気なのが欧州。日本は三番目。スイフトは欧州で徹底して鍛え上げられた「逆輸入モデル」と言った性格でもあるのだ。だから走りは期待していい。
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 新型の技術的な目玉は、「HEARTECT(ハーテクト)」と呼ばれる新開発のプラットフォームと、軽量ボディにある。最大の特徴は、驚くほどの軽量化にある。構造材やレイアウトを見直したことで、応力の分散や集積が理想的になった。これに過剰な部材を省略することで高い剛性を確保することが可能になったという。


 例えばアンダーボディで-30kgの軽量化を果たした。外板部材や内装品のダイエットによって、トータルで120kgの軽量化だというのだが驚異的である。


 その軽量化が、走りに効かないわけがない。効果覿面なのは動力性能であり、スルスルと加速する感覚は楽しい。RStは直列3気筒ゆえ、振動や音の点で密な吹け上がり感がないのだが、最高出力102ps/5500rpm、最大トルク150Nm/1700rpm~4500rpmの数値からの想像を上回る加速感だった。それは車両重量がわずか930kgだからに他ならない。

それでいて不思議だったのは乗り味である。


 120kgもの軽量化が進んでいるのに、軽々しくないのである。重厚感と言ったら大袈裟かもしれないが、コーナリング時にはしっとりと路面に吸い付く感覚があった。


 足回りが欧州テイストに締め上げられているから、路面の凹凸にはひょこひょこと過剰に反応する。激しくコーナーを攻めると、内輪が浮き、急激なタックインに見舞われることもある。そのあたりの熱さは、しなやかさとは別テイストであり、眉をしかめたくなる人もいるのだろうが、走り好きな僕のような男は大歓迎である。

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 そもそもメーター中央のドライバーと正対する位置に、気持ちを鼓舞させるマルチインフォメーションディスブレイが激しく瞬いているのだ。


 様々なモードが選択可能なのだが、その中の「モーション表示」は走行中のGを表示するからそれにあおられる。「パワー/トルク表示」は、アクセルペダルと連動してエンジンの躍動を伝える。これにケツを叩かれないドライバーは少ないだろう。


 そう、スイフトはそんな熱い魂のモデルなのである。いつまでもチープでヤンチャではなく、インテリアの造形や素材感や、あるいはシートのホールドや剛性感などには、しっかりとした作り込みが感じられる。格段に豪華になった。だが、スイフトらしい、いい意味でのヤンチャ魂が失われてなかったのは嬉しかった。

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